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G20でリブラに赤信号?何が当局を怒らせたのか?

2019-10-21 18:59[ にく

仮想通貨小噺 仮想通貨 暗号資産

この週末は土曜日に2週連続の鉄道博物館、日曜日はコキアが見ごろのひたち海浜公園に行ってきました。最近、温泉づいていたので、土曜日は清河寺温泉という博物館の近くの温泉施設に寄って帰りました。土曜日が近場だったのは、息子のリクエストが1番ですが、お天気が怪しかったことと、午前中に小職がお医者に行ったからですが、そこで血糖値というか前回検査でのHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)が高かったことが判明、これを家内に見られてしまいました。そこで、我が家では緊急対策を施すことが決まりました。

HbA1cとは血液のヘモグロビンにブドウ糖が付着している割合で、過去1-2か月の血糖値の平均を表すとされています。かつては(空腹時)血糖値が問題とされていましたが、この数字は食事との関係で大きくぶれるので、過去の血糖値の平均とされる同数値が重要視されるようになりました。1-2か月とはヘモグロビンの寿命だそうです。6%未満で正常、7%未満が目標とされています。それで今回の数値はというと、まあびっくりする数値だったということにしておきましょう。

小職がこの数値を気にし始めたのは何年か前に住宅ローンを組む時でした。海外勤務から帰って自宅を購入する為にローンを組もうとしたところ団体信用生命保険(団信)で一応、告知、審査も通ったのですが、マンションや建売が多い都内なら問題なのですが、埼玉県で家を建てた小職は土地を先に購入し、その後、家を建てました。そうすると住宅ローン契約は2件に分かれ、それぞれの実行の際に団信が必要となります。問題は団信の有効期限が6か月しかないことで、土地購入時は大丈夫でも、家の竣工時に団信が通らなければ、建物代が支払えないという最悪の事態も起きかねない訳です。従って、家を建てている間に数値が悪化すると、深刻な事態に陥ります。その時はがむしゃらに糖質制限を行った結果、体重は10キロ以上減り、数値も正常値近くにまで低下しました。

しかし人間はのど元過ぎれば熱さを忘れるものです。あれから何年も経ち、比較的ごはんは抜くようにしているものの、カレー、ラーメンはいつの間にか解禁、最近では車の運転と仕事中のストレス解消としてスナック菓子まで解禁してしまいました。警鐘はスーツのズボンなどに表れていましたが、目をそらせていたのですが、遂に動かぬ証拠を見せつけられた訳です。そこで、間食はナッツやチーズ、そしてソーセージやハムといった加工肉とし、主食でも極力炭水化物を摂らない生活をしばらく続けることにしました。そうとは言っても完全に抜いたり、我慢しすぎると長続きしないので、3日に1回は少し緩める事にしました。最近流行りの3Days Offの亜流です。

ただ、久しぶりにこの生活を始めると、心なしか体も軽く、ズボンも苦しくなく、頭もすっきりするのですが、問題が一つあります。なんだかイライラして怒りっぽくなるのです。この週末も普段なら許せる息子の反則攻撃に反射的にきつく叱ってしまいました。我が家ではお父さんに限り原則として刀でも何でも攻撃していいのですが、首より上は禁止されています。これは物理的に糖質が足りないためなのか、精神的にストレスを感じているせいか不明ですが、ひたち海浜公園でもコキアのある見晴らしの丘に登るときの娘の抱っこのリクエストは却下、頂上を目指す家内と息子をよそに下で待っていることにしました。

怒りといえば、先週のG20で当局はリブラに相当厳しい対応を見せましたよね。今回のG20は例年IMF総会と同時にワシントンで開催されるもので共同声明も出たり出なかったり(但し、前回のG7に続き、今回も為替コメントなし)で、省略されたのはいいとして、以下のグローバル・ステーブルコインに関するG20プレスリリースが発表されました。財務省のサイトを見る限り、今回のG20で発表された唯一の文章で、これは異例のことです。

 “我々は、基準設定主体が現在行っている金融技術革新から生じる既存の及び生じつつあるリスクについての作業を支持するとともに、大阪サミット首脳宣言を受けて金融安定理事会(FSB)および金融活動作業部会(FATF)から提出された、グローバル・ステーブルコインに関する報告を歓迎する。

 我々は、2020年におけるFSBおよびFATFの更なる報告を期待する。我々はまた、IMFに対し、現在行っている作業に立脚して、加盟国の通貨主権に係る問題を含むマクロ経済上のインプリケーションについて、各国の特徴を考慮しつつ、検討することを要請する。

 我々は、金融技術革新による潜在的な便益を認識しつつも、グローバル・ステーブルコイン及びその他のシステム上大きな影響を与えうる類似の取組が政策及び規制上の一連の深刻なリスクを生じさせることになるということに同意する。そのようなリスクは、特に、マネーロンダリング、不正な金融、消費者・投資家保護に関するものを含め、こうしたプロジェクトのサービス開始前に吟味され、適切に対処される必要がある。“

 

そもそも仮想通貨(暗号資産)に対する金融当局のスタンスは、各国の規制当局の上部組織のFSBが半年毎にG20宛の報告書で金融安定化に脅威であるか否かを判定することになっているのですが、今回も仮想通貨(暗号資産)は脅威に当たらないが、グローバル・ステーブルコインは深刻なリスクがあると名指しされていました。更に議長国の黒田日銀総裁は閉幕後の会見で「リスクや  懸念に対応できないうちに発行されるべきではない、とG20全体で合意できた」としている。リブラにG20に規制が出来るまでサービスを開始するなと明言された訳です。更に、同時期に開催された新興、途上国の財務相らで組織する24カ国閣僚会議の議長、プルー中銀総裁はリブラに非常に悪い構想だと否定的でした。文字通り、世界を敵に回した格好です。

これだけ酷評されるのには、FB社やリブラ協会、その中心にいるカリブラ社の脇の甘い対応があるでしょう。既に8月のピアリッツG7で議長国のルメール仏財相にリブラは通貨主権の侵害だと酷評されたのにもかかわらず、リブラ側は2020年内開始の旗を降ろしませんでした。当局側が、規制が出来る前に発行して既成事実化してしまうのでは、規制の緩い途上国などを狙って開始するのではという危惧を抱いても不思議ではありません。それが今回の念入りのダメ出しに繋がったのだと思いますが、まだ懲りているか不明です。これは各国当局との根回しをせずにホワイトペーパーを発表し、お膝元の米議会から呼び出された頃から変わっていません。要は、コンプライアンス軽視です。規制を順守するとしながら、その規制が出来る前の2020年中に開始するというのは矛盾しています。

ただ、軽視されたから各国当局は怒っているのではないでしょう。元日銀の決済機構局長の山岡氏はリブラは米ドルを50%として人民元を入れておらず、ドル基軸を守りたい米国からも人民元の国際化を進めた中国からも嫌われ、途上国からも自国通貨から逃避が起こるのではと警戒されていると説明、ただ単純に禁止すれば既存の仮想通貨全てに影響が出るので慎重になっているとしています。以前、リブラの裏付けとなる法定通貨がドル50%、ユーロ18%、円14%、ポンド11%、シンガポールドル7%と独紙が報じました。まだ正式にどうなるのか(そもそもリブラが実現するのか)不明ですが、小職もこの数字を見て愕然としました。要は、こんな重要なことを結構恣意的というか適当に決めていると感じたからです。その一例がシンガポールドルです。それ以外の4通貨はSDRの対象ですし、規制のほぼないハードカレンシーだから理解できなくもないですし、何となくSDRや世界の外貨準備の比率などを参考にしたのかという好意的解釈も可能です。ただ、こうした準備通貨にシンガポールドルを入れるという話はあまり一般的ではありません。まずシンガポールドル自体がバスケット通貨で、それをバスケットに入れるという意味が理解に苦しみますし、そもそもシンガポールドルは規制通貨で、非居住者に対するシンガポールドル貸し出しが制限されています。これらを纏めてシンガポールドルの非国際化政策とされています。GDPも日本の1/10以下の小国の通貨を世界通貨の準備資産に使うなど少し為替を知っている人からすれば荒唐無稽に映ります。おそらくはMASに根回しもしていないことでしょう。

確かにリブラは初めて決済利用目的で世界中に普及する可能性があるトークンとして期待される一方で、その運営はビジネスの世界の水準に追い付いていないと言わざるを得ません。もし世界中でリブラが使用されることになったら、その通貨の配分という最も重要な要素の一つをこんな恣意的に決めてしまうのか、これはとても任せられない、リブラというアイデア自体は否定しないが、今の運営には認められない、当局は大なり小なりそう考えているのではないでしょうか。とはいえ、リブラの登場を機に、いよいよデジタル・トークンが決済に利用される世界が見えてきたことは非常に重要だとは思いますが、現状では2020年開始の旗をいつ降ろすかが焦点で、23日のFB社のザッカーバーグ氏の下院公聴会が注目されます。

因みに、今回の糖質制限でなんと家内がお弁当を作ってくれましたが、もちろん、朝ご飯としておいしく頂きました。

にく

前職は外資系金融機関外国為替営業。国内だけでなく海外を仕事(?)で飛び回る日々を送っていた。自らライオンと称しているが、他の動物に例えられることが多い。 好きなものは東南アジア諸国。趣味は早朝ゴルフ。特技はタイ語。

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