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ステラ(XLM)のバーンはまやかしか?仮想通貨市場に求められるリテラシー

2019-11-06 14:39[ にく

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息子が幼稚園を転園しました。2歳から通っていた今までの園は家内が熱を出した際などに臨機応変に対応して頂き感謝していたのですが、いつ頃からか息子が行きたくないと言い始めていました。その時は単なるわがままかな程度の認識だったのですが、今回の幼児教育無償化で状況は大きく変わりました。今回の無償化は細かいことを抜きにすると、3~5歳児ならば、保育園・幼稚園の別、公立・私立・認可・無認可に関わらず無償化ないし一定程度の補助を受けられる制度です。そこで我が家も手続きしようとすると市役所の担当者がそんな施設、聞いたことがないと不思議なことを言い出します。担当者曰く、それはいわゆる「無届」の施設で、例えば英語塾など幼児教室にあたるそうで、ただ今回こういう制度になったので、無償化対象になるために大急ぎで届出だけ出して貰うように園に掛け合ってくれることになりました。お役所にもいい人はいるものです。

ところが園の対応は驚くべきもので、何でも最初は幼児教室から始めたのだが保護者からの要求に応えていて気が付いたら大きくなりすぎてしまった。今後も届出を出す予定はなく幼児教室としてやっていくつもりだそうです。届出を出しても、認可外になるだけで、行政から多少のコンタクトはあるかもしれないけれど、殆どデメリットは無いのに意味が分からない対応でした。これで2歳の下の子を春から通わせる選択肢は無くなり春からの幼稚園探しをすることにしました。流石に無償化になったはずなのに2人分のお金を払う余裕はありません。ただ上の子の場合は今の園にお友達もいる事だろうし、新しいところに移ってうまく馴染めるかも不明なので、少し様子を見ることにしました。

ところがです、無償化にならないと知って9月に入り退園者が続出、遂には息子の1番のお友達まで退園してしまいました。もう残った年中には女の子しかおらず、後から知ったのですが乱暴者の息子は一緒に遊んでもらえない様でした。そして、遂に運動会の日に息子が休みたいと言い始めました。七夕の短冊にかけっこで1番になりたいと言っていた息子の変調に我々もようやく気付き、大急ぎで娘が行く予定だった幼稚園に掛け合って11月からの入園を決め、その日から元の園に通わせることを辞めました。まだ、新しい園に通い始めて3日目ですが、お友達も出来、給食もおいしいと言っています。元の園に通っていた最後の方は家で目立っていたわがままも通うのを辞めさせて少しずつ落ち着いてきました。前の園にもお世話にはなったのですが、今は転園させて良かったと思います。無償化は当たり前だと思っていた通園を見直すいい機会になりました。

無償化と言えば、仮想通貨の世界でもエアドロップと言って、不特定多数のウォレットにコインをばら撒く手法が知られています。なんだか得した気にもなるのですが、ドロップする側には一定の意図があります。それを認識した上でメリットを受けるのであればウィン・ウィンになるのですが、往々にしてそうしたチェーンを運営する企業側が利益を得るためにユーザーを利用するケースも散見します。通常のビジネスでは不当景品類及び不当表示防止法などにより消費者保護措置が講じられていますが、仮想通貨の世界ではそこまで手が回っていませんから、参加者各自が金融リテラシーを高めて自衛策をとる必要があるでしょう。昔から「タダより高いものは無い」と言って警鐘を鳴らされています。

もう一つ、分かりにくいのがバーンです。バーンとは「燃やす」が語源で、仮想通貨を架空のアドレスなどに送金して取り出せない様にしてしまう行為です。市場から一定量の通貨が無くなるので、各通貨の値段が上昇するとされています。昨日は時価総額10位のステラ(XLM)が総発行量1050億XLMの過半数にあたる550憶XLMをバーンすると発表されXLM価格も20%上昇しました。ただ、同社のブログによれば、総発行量とされる1050億XLMのうち市場流通量が200憶XLM、運営費用としてステラ開発財団が保有しているのが170憶XLM、プレゼントプログラム等のために財団が管理しているのが680憶XLMで、財団保有分と財団管理分からそれぞれ50億XLM、500憶XLMをバーンさせる訳です。要は発行当初から運営側が保有していたXLMを値上がりを狙ってバーンさせた訳ですが、市場での流通量には変わりがありません。敢えて言えば運営側からの将来の売却圧力が減ると言った効果も考えられますが、そもそも発行量の8割以上を運営側が握っている状態で、それを市場で処分することは現実的とも思えませんし、バーンしてもまだ運営側が6割保有している状況は変わりません。

少し運営側が欲張りすぎの印象もありますが、こうした運営側が当初から多くのコインを保有するケースは珍しくありません。というか、初期の純粋な非中央集権的なコイン以外の殆どの後発コインが多かれ少なかれそうした運営側が儲かるような仕組みを持っています。これは何もおかしな事をしている訳ではなくて、立ち上げ時には時間や開発コストもかかるでしょうし、無理に「非中央集権」だと主張しない限り、電子データといえども最初は作った人のものです。これはスタートアップなどの非公開株と似ていると考えています。当初、会社は創業者のもので売買は難しいですが殆どの株を保有しているのが通常です。将来性を買って出資する投資家もいるでしょう。この企業がうまく育って株式市場に公開する事になると、創業者や初期出資者は保有株の一部を売却して創業者利益を受け取ります。いわゆるIPOです。ただ、上場を境に一般投資家も売買できることになるため、こうした株式の上場や取引に関しては事細かいルールで投資家保護策が巡らされています。価格操作などしようものなら逮捕されかねません。ところが、今回のステラの件でも、発表に至った経緯も不透明であれば、情報管理も不透明で、(日本以外では)予め情報を仕入れた運営側が予め個人で購入して売り抜けてもお咎めなしです。今回のケースはそうした仮想通貨市場の脆弱性を白日の下に曝した印象があります。

小さいころから息子は外食する際に歩き回ってよそのテーブルにちょっかいを出すのを防ぐために小職の携帯でYouTubeを見せています。お行儀は悪いのですが、大人で食事中に携帯を手放さない人は大勢いますし、それどころか面談中に画面を見ることも認められつつあるのに、子供の食事だけ眉を顰められるのにはやや疑問です。何よりも人様の食事に手を付けたら一大事です。祝日の月曜日に渋滞を抜け高坂サービスエリア上り線に入ると、息子が階段を上った上の下り線のレストランに行きたいと言い出します。仕方なく行ってみると携帯を車の中に忘れた事に気づき、息子に謝りました。しかし、息子は「車に戻って、取ってきて」、、、新しい園に通い始めてわがままが治ったと思ったのはまやかしだったのかもしれません。

にく

前職は外資系金融機関外国為替営業。国内だけでなく海外を仕事(?)で飛び回る日々を送っていた。自らライオンと称しているが、他の動物に例えられることが多い。 好きなものは東南アジア諸国。趣味は早朝ゴルフ。特技はタイ語。

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