2019.11.18【サポートがレジスタンスに、ビットコイン相場は全治何週間?】

2019-11-18 16:56[ 松田康生

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Review

決定打なくじりじり値を下げる展開

今週のBTC相場は軟調な推移。先週はSWELL閉幕とともにXRPが売られ、一時30円割れ、BTCも連れ安となり、一時95万円割れとなった。ETH共同創設者ルービン氏が中国のCBDCがイーサリアムなどのパブリック型のブロックチェーンと互換性を持つことを望むと話したこともあってかETHが上昇し、それに連れ高となる形でBTCも99万円台まで上昇。その後は香港で警官がデモ隊に発砲し男性が負傷したとの報でアジア株安に連れる形でBTCも売られ、上昇分を吐き出す形となり、一時93万円台まで下落した。14日の深夜に仮想通貨取引所を傘下に持つヤフーとLINEの経営統合の報あるも特段大きな反応なく、その後も材料がない中、じりじりと値を下げていく展開となった。米中貿易協議の行方や香港のデモ騒動といった不安材料が払拭されず、上値の重い展開が続いている。

Outlook

サポートがレジスタンスに

今週のBTC相場は底値を固める展開を予想する。前回は永遠に続く景気拡大や貿易不均衡が一夜にして解消することはないとし、いずれ金融緩和や米中対立再燃を嫌気した買いが入り遅れていた112万円トライとなっても不思議はないと予想したが、果たして相場は逆にそれまでサポートだった200日移動平均線を割り込み、更にしばらく揉みあっていた半値押しとなる96万円(8800ドル近辺)を割り込み、サポートがレジスタンスとして上値を重くしてしまっている。


タイムラグ

この背景として、「相場がすっきりしない理由」として先週申し上げた様に「中国からのポジティブなヘッドラインに反応しているのは今のところ短期の投機筋が中心で中国本土などからのフロー期待で先回りして買ったものの続く投資家の買いを待ちきれず投げてしまう、そうした状況が続いている」といった状況が思った以上に長引いているものと考えている。3月15日の暗号資産関連法案可決に続く25日の新規交換所登録再開などを日本の仮想通貨業界の再出発と称し、その後、各社が新規口座開設などを積極化したが、その効果は実は5月や6月と2-3か月遅れて現れている。下は日本仮想通貨交換業協会による出来高の推移だ。国内では3月から6月の間に出来高は実に6倍以上になったが、CoinMarketCapによる同期間の市場全体の伸びは2倍程度だ。


長期の先高観

一方で、中国の仮想通貨の春は日本以上のインパクトがあるとみて、目先は弱気でも先高観を持つ参加者は多い。来年5月と見られる半減期までの時間もLTCが急騰を始めた半年前を切っている。こうした中、相場が下がったところでの押し目買い意欲は根強く、相場の底割れはないと見ている。

予想レンジ:80万~120万円



Altcoin


今週のアルトコインはまちまちな展開。Swellを終えSell the Fact気味に売られたXRPやハードフォークでアップグレードが遅れた一部ノードが古いチェーンを採掘、チェーンの分岐かと急落したBCHは冴えないが、ETHやLTCは底堅く推移している。
上は習発言後の10月末からの主要通貨の変動率だが、BTCが同期間で5%以上下落しているのに対し、ETHやLTCはプラス圏にある。直近で売り圧力が強いXRPやBCHも、前者はSwell、後者はサポーターであるBitmain社の上場観測や中国銘柄としてのプレミアムもありそれ以前に大きく買われていた分、その後の売り圧力が強かった様だ。逆に言えば、ETHやLTCは期待先行での買いが弱かった分、その後の反落も少なかったと言えるのかもしれない。BTCの売りが習発言による上昇の反落と考える所以でもある。

ETH:今週のETHは上に行って来いの展開。週初はジョゼフ・ルービン氏が中国政府との協力関係を望むコメントを出したこともあってETHは一時20500円を抜けた。しかし、その後はBTCに連れ値を下げると一時20000円割れとなった。その後は概ね20000円台で推移するも、じり安の展開となり、足元では20000円割れの水準で推移している。


XRP:今週のXRPは軟調な推移。先週Swellが開催され、イベント内では種々材料が出たものの、市場の期待には応えられず、Swell閉幕とともにSell the Factとなり、30円割れ。週末にはXRP Meetup Japanが開催され、SBIグループの北尾氏がベトナムやタイへの送金でXRPを活用するのと発言や、麗沢大学の中島教授による銀行が共同で仮想通貨取引所設立の提案といったこともあり、やや強含み30円台へ回復した。しかし、地合いは続かず、BTC安につられ、再度29円台での推移となった。


BCH:今週のBCHは軟調な推移。週初は他の仮想通貨に振らされ徐々に値を上げ、32000円台まで上昇。マイニング機器のカナーン社が米上場予定が決まったこともBitmain社の上場期待としてBCHをサポートした。しかし11/15の21時頃に予定されているハードフォークを前にポジション調整が出たせいか一時4%安となる場面もあり、軟調な推移となった。今回のハードフォークでは、シュノア署名(署名技術)の使用可能範囲とトランザクションセキュリティの向上が主なアップデート内容となる。


LTC:今週のLTCは軟調な推移。LTC固有の材料なく他通貨についていく形となり、週初は7000円台まで上昇。その後は、6000円台で推移するも、じりじりと値を下げていく展開となった。ライトコイン創設者チャーリー・リーの弟であるボビー・リー氏がBTCは10倍から20倍までの高値更新はできると強気の発言をしたが、市場の反応はなかった。


fxcoin weekly report 2019.11.15.pdf

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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