2019.11.28【ハッキング事件でも上昇のビットコイン、5月の相場に酷似か】
2019-11-28 09:14[ 松田康生 ]
通貨 | BTC | ETH | XRP | BCH | LTC |
価格 | 828,548 | 16,824 | 24.7 | 24,197 | 5,260 |
前日比 | +6.8% | +3.1% | +1.9% | +3.5% | +1.4% |
Review
ハッキング事件でも上昇
昨日のBTC相場は下値を試した後、大きく反発。前回は71万円から80万円まで反発をみせ、今回は75万円まで値を下げたところで84万円までの反発を見せ、再び9万円幅の値動きを見せている。中国の取締強化を嫌気した下げから反発を見せていたBTC相場だったが、80万円に戻した後は米株の最高値更新などにもついていけず、上値の重さを見せていた。すると韓国の交換所アップビットが342000ETH(53億円相当)のハッキング被害を発表すると急落、一時75万円を割り込んだ。しかし同社の発表によれば顧客資産に被害は出ないとされていたこともあり下げ止まると、同じころ日本で最後のみなし業者だったLastrootsに登録がおり同社独自のコイン、コバンが上昇するとBTCも切り返し、ショートカバー気味に80万円近辺まで反発した。その水準でいったんはもみ合ったが、米ドル・米株が上昇する中、BTCも84万円台までつれ高となっている。Outlook
中南米危機
本日のBTC相場は上値余地を探る展開か。米中合意やハッキング事件など本来売られてもおかしくない材料でも買われたことは、テザー問題やBinanceのハッキングでも上昇した5月の相場を彷彿させる。底値71万円から15%以上値を戻しており、過去の反発パターンからすれば25%-30%、90万円前後までの戻しが予想される。材料的にも、米ドル・米株上昇の裏で、ブラジルレアル、チリペソ、コロンビアペソが軒並み史上最安値を更新するなど中南米危機が起こりつつある。FRBの資金供給の本格化も予想され、外部環境はBTCにポジティブだ。FXcoin Daily Report 2019.11.28.pdf
松田康生 (まつだやすお)
シニアストラテジスト
東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通