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2019.12.06【材料難の中、乱高下したビットコイン、来週はどこへ向かう?】

2019-12-06 17:57[ 松田康生

Weekly Report 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン イーサリアム リップル ビットコインキャッシュ ライトコイン



Review

荒っぽい値動き

今週のBTC相場は軟調な推移。先週金曜日のオプション期日とCMEのBTC先物最終取引日で86万円まで上昇したBTC相場だったが、その後買いが続かずジリジリと値を下げる展開。週初からもその流れは変わらず、目立った買い材料が無い中、更にレベルを切り下げ、80万円前後でもみ合う展開となった。国内大手のXRP取扱い開始、中華系交換所の自主規制団体入会、更にトランプ大統領のブラジル・アルゼンチンへの報復関税や4か月連続で50割れのISM、CMEやBakktのオプション取引詳細や国内交換所初のBTC Goldの日本円での付与といった材料があったが、反応は限定的であった。週後半は上下に大きく振れる荒っぽい値動きとなり、78.5万円のサポートを割り込むも、84万円まで急反発、しかし78万円近辺まで反落と、上昇分は直ぐに値を戻し、足元では80万円前後で推移となっている。

Outlook

中国からの買いは不発

今週のBTC相場は底堅い展開を予想する。前回は底値71万円から18%の反発を見せていたことから、BTC相場のクセとして25-30%程度まで反発すると考え「上値余地を探る展開を」予想した。特に相場を引き付けていた7500ドルのストライクとCMEの11月限が期日を迎える週末に相場が上伸すると考えたが、予想通りCMEの最終取引時間に向け86万円台まで上昇したが、その水準では買いが続かず反落した。先週の反発局面では売り材料にも関わらず相場が反発し、「不思議な買い」として中国本土からの買いを疑ったが、今週は逆に小粒な買い材料にも反応せず、一方でテザーの移動などの些細なきっかけに大きくショートカバーを惹き起こすなど、投機筋のポジション繰りに左右される展開となった。最終的には、サポートを割り込んだところでショートカバーが発生した結果、下値警戒感から足元では買い戻されている。分かりやすく言えば、84万円より上にストップを置いていたおかげで生き残ったショート筋が80万円を割ると利食いを入れてくるから下がりにくくなっているのだろう。また先週もみ合った7500ドルでは戻り売り圧力が強くなるのも短期の投機筋中心だからだと考える。ニューマネーが入ってこないとマイナーの売りから何となく上値が重くなるのも自然な動きだ。

中国が取締りを強化した意図

では、中国からの買いは期待できないのだろうか。先週、喧伝された中国の取締強化だが、今朝の日経新聞に面白い記事が出ていた。すなわち、10月の習発言以降、デジタル人民元詐欺が横行し、見かねた政府が取締を強化したというものだ。一方でCoin Postなどでは中国政府と関係が良好なOKexやHuobiなどが水面下で政府の黙認を得ているとの投資家の見解を紹介している。今週は日米欧の当局から示し合わせた様にリブラやそれに類するステーブルコインの禁止が打ち出されたが、一方でCBDCへのアプローチはまちまちだ。ドル決済を脅かすCBDCに米国は慎重だし、米国に挑戦する意図を持たない日本も必要性を感じないが、ライバル関係にあるEUは積極的だ。そして一番積極的なのは覇権争いを挑んでいる中国だ。同様に仮想通貨でもマイニングを握っているBTCが普及することは実は中国にとってプラスであり、当局もそこまで毛嫌いしてはいないと考えている。

ノーマークの今晩の米雇用統計

上は米非農業部門雇用者増減(NFP)とISM製造業景況感指数の推移。この2つは景気の先行指数として代々のFRB議長から重視されてきた。ISMの50割れ、NFPのマイナスなどは不況入りを示唆している。今回、ISMは4か月連続で50割れとなっているが、NFPはまだ10万人台で踏みとどまっている。FRBの3回の予防的利下げで米不況入りは回避されたという見方が優勢だが、これが10万人を割り込むと、市場には大きなインパクトが走ることが予想される。そうした意味で、今週の雇用統計には要注意と考えている。

予想レンジ:70万~100万円



Altcoin


今週のアルトコインはBTCに連れ上値の重い展開。財団関係者に逮捕者が出たETHは兎も角、国内大手交換所での取扱いが開始され、またSBIが中間配当で配布を検討されているなど好材料が続いたXRPや昨年のHF時に分裂したBSVの国内交換所での日本円での配布が始まったBCHなどもつれ安となっており、BTCの冴えない値動きに足を引っ張られた格好か。
そうした中、週末にかけて反発を見せるなどXRPが比較的下げ渋りを見せている。上図はJVCEAが公表している国内交換所の出来高。各通貨供、相場の上昇に合わせて5月から6月にかけて増加、その後、減少している。ただ、8-10月の直近3か月で見ると、BTCはまだ減少傾向で、なんとか10月に下げ止まったかに見え、ETH・BCHも横ばい、LTCはまだ下げ止まっていない様だが、XRPだけ8月を底に増加に転じている。これにはリップル社の不売運動があった8月や11月SWELLに向けた期待感などもあるが国内のXRPに対する投資家心理が好転し始めていることを示しているのかもしれない。
相場が下がっているという結果だけを見て何かと騒がれる国内のリップラーだが、短期売買目的の投機ばかりのBTC相場に比べれば、余程健全だという見方もできよう。

ETH:今週のETHは軟調な推移。週末に17000円台まで上昇したが、北朝鮮に仮想通貨を使った制裁逃れアドバイスとして、イーサリアム財団関係者をFBIが逮捕された(数日後には釈放)との報もあってか、16000円付近まで下落。週半ばは横ばいの推移が続いたが、後半はBTCに振らされ、15000円台から16000円台まで上昇、再び15000円台下落と荒っぽい値動きとなった。


XRP:今週のXRPは軟調な推移。週初はBTCに連れ高で25円台まで上昇していたが、その後は特段材料なく、じりじりと値を下げていく展開となった。国内大手の仮想通貨交換業者がXRPの取り扱いを開始するとの買い材料と思われる報道があったが、市場の反応は限定的であった。SBIホールディングが株主優待としてXRPの付与を検討、ODLを活用し豪州から米仮想通貨取引所への即時送金サービスを発表といった材料にも反応なく、結局はBTCに振らされる展開だった。


BCH:今週のBCHは軟調な推移。週を通して、これといったBCHの材料なく、BTCについていく展開となり、週初の24000円台から週後半は22000円付近まで下落した。日本では中華系交換所がJVCEAの2種会員となったが、市場への影響はなかった。


LTC:今週のLTCは軟調な推移。週初は特段LTC固有の材料なく、じりじりと値を下げ、週半ばには5000円を割る展開となった。その後は他通貨と同様にBTCに振らされて推移し、4000円台後半での推移が続いている。コインポストによると、ここ数カ月のLTC価格の下落は、マイニングの収益性を減らしており、7月以降ハッシュレートが70%減少しており、直近1年で最低の水準となっている。


fxcoin weekly report 2019.12.6.pdf

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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