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2020.01.10【イラン情勢で追い風が吹くビットコイン、上昇気流に乗ったか】

2020-01-10 12:31[ 松田康生

Weekly Report 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン イーサリアム リップル ビットコインキャッシュ ライトコイン



Review

米イラン対立

今週のBTC相場は堅調な展開。週初は概ね70万円台で推移するも、イラン情勢の緊迫化により原油や金価格が急騰、遅れて循環物色気味にBTCにも買いが入ったが、金価格が6年ぶりの高値を付けるもついていけず、80万円台で上値を重くした。その後、4月の半減期を織り込み始めたという見方もあってかBSVやBCHの急騰Binanceによる75倍のレバレッジ取引開始や韓国の証券取引所での取扱いへの提言などもあってか、堅調な推移となり、昨年11月末の戻り高値である86万円台を上抜け、一旦下押すもイラクにある米軍基地にイランがミサイル攻撃を行ったという報に91万円台まで上昇した。しかし、イラン外相が戦争を望んでいないといったコメントや、米大統領の声明で追加制裁を行うが軍事行動には消極的と全面戦争回避との思惑もあり下落した。足元では、ウクライナ旅客機の誤爆報道を受けやや反発したが、上値の重い展開となっている。

Outlook

松の内

来週のBTC相場は上値が重いが底堅い、横ばい圏での推移を予想する。先週は「年末年始のBTC相場は荒っぽい値動きの中、終わってみれば底堅い展開」を予想したが、通年と比べると年末年始は比較的おとなしい値動きを続けたが、年明け以降、1月3日から8日にかけて2割以上の上昇を見せた。門松を飾る松の内とは関東では7日までだが関西では15日までなので、ギリギリ年末年始は荒っぽいが底堅かったと言わせてもらいたい。因みに、その後の展開を見てみると、年末年始は乱高下するが、それ以降は年始に付けたトレンドがそのまま続く傾向があり、また全般的に上値が重いことから、来週は上値が重いが底堅い、概ね横ばい圏と考える。


地合いの良さ

年始の上昇は米国によるイラン革命軍高官殺害を機にした両国の全面戦争への懸念によるものと理解されており、イランの報復攻撃で米国に死傷者が出ず、米大統領も追加の軍事攻撃に消極的だったことからポジションの巻き戻しが見られている。しかし、同じく逃避的な値動きを見せたドル円が109円台に乗せ、金価格も1550ドルを割りこむ中、BTC相場は比較的堅調だ。イラン問題で行って来いを経た後に各相場の地合いの違いが浮き彫りになった形か。


流動性相場

年末にも申し上げたがレポ市場の変調からFRBがバランスシート拡大に転じた結果、緩和マネーが染み出して米株も史上最高値、金価格も6年ぶりの高値を付けるという流動性相場の様相を呈している。こうした流れの中、年始から仮想通貨にも物色買いが出ている可能性がある。ただ、半減期の織込みが始まったとみる向きもあるが、買いが買いを呼ぶ展開はもう少し先ではないだろうか。

予想レンジ:80万~100万円


Altcoin


年末から年始にかけてのアルトコインは堅調な展開。まずBCHが牽引、次にETH、再びBCHが大きく値を上げると遅れていたXRP、BTC、LTCが順に上昇するなど循環物色が進み、地合いの良さを印象付けた。
BCHは半減期、ETHはアップデートの成功、XRPやLTCもそれぞれの材料に反応して上昇したが、中でも注目を集めたのがBCH・BSVの上昇だ。BTCと同じく63万ブロック目で半減期を迎えるが、ブロック生成が若干早かったせいかBTCより約1か月早く半減期を迎えると予測されている。半減期の影響を巡っては年末にかけて議論が百出したが、これを見てやはりBTCにも事前にある程度、織り込みに行くのではないかと買い安心感に繋がったと考える。ただ、半減期の到来が1か月遅れるBTCの本格的な上昇はもう1か月待つ必要があるかもしれない。その試金石としても、今後のBCHの値動きに注目が集まる。

ETH:今週のETH相場は堅調な展開。ハードフォーク後のイーサリアムのブロック生成時間が減少しているとのレポートや、スケーラビリティが2000倍向上する見込みなどといったETHの技術面でのポジティブ材料が続き、週初より堅調した。その後は、イラン情勢の落ち着きとともにBTCが値を下げると、ETHも連れ安となり、15000円割れとなった。昨年11月にETHが流出した韓国取引所アップビットは、今後の入出金再開のスケジュールを公開し、ETHの入出金は来週13日から再開される。


XRP:今週のXRP相場は堅調な展開。週初は底堅く推移していたが、BinanceがXRPの先物取引の開始を発表すると急騰し、21円付近から一時24円台まで上昇。その後はBTCに連れ安となり、弱含み22円台での推移が続いている。メキシコ取引所Bitsoで米リップル社のODLを利用した米ドルからメキシコペソの送金が拡大していることや、タイのサイアム商業銀行がリップル社と提携し、低コストで国際送金が可能なアプリを発表といったリップル社の送金ビジネス拡大に向けたポジティブなニュースが続いている。


BCH:今週のBCH相場は堅調な展開。週初から堅調に推移し、BinanceのXRP先物取引開始の報でBCHも連れ高となり、26000円台まで上昇。その後も底堅く推移し、一時27000円台まで上昇。イラン情勢が落ち着きを見せ、BTC安でアルトコインも連れ安となる中、市場が半減期を織り込みにいっていることもあってか、BCHは週後半にかけても比較的底堅く推移した。


LTC:今週のLTC相場は堅調な展開。週初から堅調に推移し、仮想通貨アナリストのウィリー・ウー氏がLTCは強気トレンドに移行しそうだとツイートしたことが後押しとなったのか、一時5200まで上昇。その後はBTCの連れ安で調整が入り、5000円割れの水準で推移している。



fxcoin weekly report 2020.01.10.pdf

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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