内外価格差を破壊するブロックチェーン

2020-01-14 18:31[ にく

仮想通貨小噺 仮想通貨 暗号資産

この3連休を利用してタイにゴルフ合宿に行ってきました。金曜深夜便発、月曜深夜便帰りの現地2泊3日で、6ラウンドとTVの弾丸ツアー並みのハードスケジュールです。なぜわざわざタイにまで行ってゴルフをするのか、タイ・ゴルフ親善大使を務める石川遼プロは①1プレーヤーに必ず専属のキャディーがつくこと②キャディーが芝生のラインを読むのが上手で、言う通りにするとうまくいくこと③日本から飛行機で5~6時間の移動で世界のトップクラスのコースでプレーできること④タイのゴルフ場の質は高く、上級者でも大いにプレーを楽しむことができるコースがたくさんあることの4つの理由を挙げています。ともかく飛行機で行っても元が取れるくらい、いいゴルフ場で安くプレーできるのです。

例えば、2018年のGolf DigestのWorld TOP100(除くUSA)では今回プレーしたブラックマウンテンが59位、サイアムカントリー(OLD)が73位にランクされています。日本でいえば廣野が50位、川奈が75位です。即ち、日本にもいいゴルフ場はあるものの、日本ではなかなかプレーできないトップクラスのゴルフ場で気軽にプレーできるのがタイ・ゴルフの魅力です。中には前半9ホールはセントアンドリュースのホテル越えやTPCソーグラスの17番アイランドグリーンなど世界のシグニチャーホール、後半9ホールがオーガスタのバックナインを模している面白いコースもあります。また、平日に余ったキャディーが横一列に並んで各ホールの修復とごみ拾いとを行っていたりして、人件費の差がメンテナンスの差に如実に出ている印象です。キャディーが一人に一人ついているのは思いのほか快適で、たまにキャディー同志で賭けをしていることもあるし、そうでなくともチップがかかってくるので、パットのライン読みも熱を帯びてきます。サービス精神も旺盛で、暑いと言えば扇いでくれますし、疲れたと言えば肩を揉んでくれますし、孫の手を忘れてきて背中がかゆいと言えば、グリーンフォークで背中を掻いてくれたりもします。要はタイ語が出来れば、道中の会話も楽しみの一つといった感じでしょうか。

バンコク周辺のプレーフィーは驚くほど安いという訳ではなく、日本円で1万円前後が多く、そこまで安いという訳ではありません。なのでいいゴルフ場であるほど日本でやるのと差額が出てきて、ラウンド数が多くなるほどその差額が大きくなって、飛行機代が取り戻せるので、3日間で6ラウンドという強行軍に打って出る訳です。ただ、そうは言ってもタイでのプレーフィーは上昇しています。10年前はオールインで3000バーツすれば高級コースという印象でしたが、今では5000バーツ近くします。1バーツ=3.5円として、17500円。この金額で世界のTOP100でラウンド出来るのですからまだ安いのかもしれませんが、10年前は10500円だった訳です。67%の上昇です。これぞインフレだ、と思ったのですが、そう考えると少しピッチが速い気もします。タイの物価指数を調べてみても、2014年のクーデターや2016年の国王崩御で景気が足踏みした影響もあってか、この10年間に約15%の上昇とそんなに上がっていません。因みにデフレの代表格の日本でも消費増税の影響もあって同期間に6%の上昇を見せています。

では、何がこの上昇をもたらしているかと言えば、おそらくはグローバル化により内外価格差が縮小してきたのではないかと考えています。即ち、世界のTOP100のプレーフィーが日本なら4万円でタイなら1万円だと我々のように日本を諦めて飛行機代を使ってでもタイに行ってプレーした方が得だと考える人が出てくるのでしょう。ただ、まだそうしたアービトラージのコストは高く、3日で6ラウンドという無茶をしなければ取り返せないので、そんなことをする人も少なく、縮小したとはいえまだ価格差は存在します。

こうしたグローバル化が進んだ一因がインターネットの誕生による通信コストの低減であることは広く知られるところです。同じようにインターネット上のマネーであり決済コストを劇的に低減する仮想通貨の登場はグローバル化を更に推し進めるのかもしれません。例えば、日本で英会話レッスンをマンツーマンで受ければ、おそらくは1時間4-5000円はかかるのではないでしょうか。これがスカイプを通じて海外の講師とマッチングするような業者なら1時間2-3000円でも十分やっていけるでしょう。更に仲介業者を必要としない仮想通貨決済なら、実は1時間1000円でも受ける人は出てくるのではないでしょうか?英会話は一つの例で、こうしたトークンエコノミーはタイムシェアと親和性が高いとされますが、国境による労働力移動の制約を押し下げて、グローバル化という内外価格差を更に縮小させる方向に働くのではないかと考えています。インターネットが情報の流通コストを限りなく低くし、トークンエコノミーが価値の流通コストを下げた結果、世界規模での一物一価に一歩近づく訳です。

そうなると日本には更にデフレ圧力がかかるのかもしれません。一説によれば、もう日本の物価は世界的に高い水準ではないので、内外価格差の縮小は歓迎だという見方もあるでしょう。因みに小職が日タイで一番価格差があると思うのがマッサージ代。以前は日本では1時間6000円が基本だったのに対し、バンコク以外なら150バーツ前後、500円程度でした。これが最近では日本では3000円を切るところが出て、一方バンコクでは1時間300バーツ(1000円)が普通になってきました。まだ3倍の開きです。この内外格差を縮小させるために、インターネット、ブロックチェーンの次に求められる技術は、どこでもドアなのかもしれませんね。

にく

前職は外資系金融機関外国為替営業。国内だけでなく海外を仕事(?)で飛び回る日々を送っていた。自らライオンと称しているが、他の動物に例えられることが多い。 好きなものは東南アジア諸国。趣味は早朝ゴルフ。特技はタイ語。

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