春節(旧正月)中のビットコイン相場

2020-01-17 16:10[ 松田康生

トピック 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン

(本稿は2020年1月17日発行のWeekly Reportの内容を一部抜粋して再構成したものです)1月24日より春節が始まる。中国はもちろん、香港、台湾、シンガポール、マレーシア、韓国、ベトナムなど中華圏とその周辺各地が一斉に休暇に入り、中国本土の場合、大晦日に当たる24日から翌週の30日まで7連休となる。日本では3が日の連休に帰省するのが一般的だがこれは世界的に見て稀で、中華圏は旧正月、欧米はクリスマス休暇に帰省するのが一般的で、インドのディワリやタイのソンクランなど各国それぞれの独自のお正月シーズンがある。インドネシアなどイスラム圏の場合はラマダン明けに大型の連休がある場合が多い。

こうした長期の連休シーズンの場合、一般にその前にポジションの手仕舞いが出やすいとされている。世界第2位の経済大国である中国が長期休暇に入る前にはそうした声が良く聞かれる。因みに中国の連休シーズンは春節だけでなく5月の黄金週間(5連休)、10月の国慶節(8連休)と続く。5月は日本のGWとも重なり為替などでよく注目される。下図では、過去6年間の旧正月の大晦日から前の1週間と後の1週間、合計15日間のBTC相場の推移を纏めてみた。

連休の始まる大晦日をT+0としてその1週間前と1週間後で上昇した場合を「勝」、下落した場合を「敗」とすると、春節前の1週間前は4勝2敗、春節開始後の1週間も4勝2敗だ。従って春節前に利食い売りを指摘する声も一部で聞かれ、また春節期間中は投資家不在で下がりやすいといった声も聞かれたが、過去データで検証する限りそうした傾向はみられない。平均で見ても春節前で5%、春節開始後で3%強上昇している。

もう一つ、春節の影響を受けにくいと考える理由は年明け以降のフローだ。上図はCryptoCompareのデータを基にBTC取引の相手側となる通貨のうちJPYとQCを抽出したもの。このQCは人民元建てステーブルコインでこれで中国本土からのフローを全て説明できるわけでは無いが、その傾向を推察できる可能性がある。これで見る限り中国本土からのフローは昨年5月半ばから7月にかけて盛り上がり、昨年末にも少し上向きとなったが、年初来はあまり増えておらず、それ故、(もし出たとしても)利食い売りも連休中の影響も限定的と考えている。

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

アーカイブ