2020.01.31【100万円突破のビットコイン、新型肺炎は買い材料か?】

2020-01-31 13:01[ 松田康生

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Review

年初来高値更新

今週のBTC相場は堅調な展開。週初は新型コロナウィルスの感染拡大の影響で市場はリスクオフムードの中、ずるずると下値を切り下げていたものの、90万円台でサポートされた。その後、レンジを上抜け、97万円台(8900ドル台)にあるドル建ての200日移動平均線も上抜けると、100万円の大台へトライするも失敗。しかし、今度は同移動平均線がサポートとして効き、100万円の大台を突破。その後は2018年後半の相場下落を的中させたBitMEX CEOアーサーヘイズCEOが相場の急落を予想するなど高値警戒感が燻る中、上値を重くしたが、一方で野村総研が投資家参入に向け仮想通貨インデックスを開発するなど好材料もあり100万円がサポートとなり狭いレンジでの取引が続いた。金曜日の朝方にWHOが新型肺炎で緊急事態宣言を発表し、米株などが切り返すとBTCも年初来高値を更新する展開となっている。

Outlook

200日移動平均線・100万円突破

来週のBTC相場は堅調な展開を予想する。先週は「BCH・BSVの上昇は1か月遅れて半減期を迎えるBTCの買い安心感を与え」ていることから底堅く、過去の100万円をブレークした際のパターンを根拠に「来週あたりブレークする可能性が高い」とした。発行時点で91万円近辺だったにも関わらず、大胆にもレンジの下限を90万円と設定したが、果たして90万円でサポートされて100万円を回復した。更に1月19日にワンタッチするも上値を抑えられた200日移動平均線をクリア、今度はレジスタンスがサポートとして機能している。日本円の100万円の大台も同様だ。これで投資家は更に自信を深めており、下値が堅い分、ショートがたまってはカバーしていく展開が予想される。


利下げ観測が浮上

先週の特徴は新型肺炎がBTCの買い材料となったことだ。その前の週は株安でBTC安とされていた。これは別稿で説明している通り、背景として景気後退懸念と米利下げ観測の浮上が挙げられる。ほんの数週間前までは近いうちにFRBが利下げすることを予想する声はほとんど皆無だった。ところが、FOMC後の記者会見でパウエル議長が新型ウィルス問題で今年6月までに25bpの利下げをする織り込みが6割を超えている。7月では9割近くに達している。BTCにはフォローの風が吹いている。


半減期織込み相場

1月にBCH・BSVが上昇した分、2月はBTCに半減期織込みの期待が高まる。具体的には1万ドルを超えたあたりから買いが買いを呼ぶ展開となる可能性もある。因みに来週から米大統領選が始まるがポイントは、トランプ再選は買い、落選は売りで、当初の民主党の代表争い間は影響は限定的か。

予想レンジ:90万~160万円



Altcoin


今週のアルトコインは堅調な展開。引き続き4月8日頃に半減期を迎えるBCHが相場を牽引する展開で、先週金曜日対比でみると、概ねBCHは2割、BTCやLTCは1割、そしてETHやXRPは5%強の上昇となっている。そのBCHと、5月12日頃に半減期を迎えるBTCとが過去の半減期前の値動きからしてどの辺りに位置するのかを検証してみた。上は半減期をT+0としT-180を1とした2012年と2016年のBTCの値動きと、今回のBCHとBTCの状況だ。過去2回は「半減期前の180日間に1.5-2.5倍に上昇、それぞれ半減する日の25日前、103日前にピークを迎えて」おり「今回のBTC」でいえば、2月から4月にかけて120万~200万円、中央をとって3月に160万円でピークを迎えると予想」している。上で見るとBCHはT-100頃からT-70までの1か月で2倍近くの上昇を見せている。これが既にピークを付けたのか、まだなのかの判断は難しいが、過去のパターンからして反落もそう遠くないと考えられる。一方でBTCに関しては、1月上昇したとはいえまだ本格的な上昇には程遠く、今後1か月間に大きな上昇相場を迎えても不思議はない。

ETH:今週のETH相場は堅調な推移。週初より堅調だったBTC相場に連れられる形でETHも堅調に推移し、17000円台から週半ばには19000円台まで回復。週後半にはスイスのブロックチェーン企業オーバーチュアがイーサリアムブロックチェーン上でIPOを実施するといったポジティブ材料もあってか、20000円台の大台まで乗せている。


XRP:今週のXRP相場は堅調な推移。リップル社CEOのガーリングハウスはダボス会議で2020年中のIPOを示唆し注目されたが、市場への影響は限定的。アルトコインが堅調に推移する中XRPも上昇し、週初の23円台から26円台まで上昇し、年初来高値に迫る水準で推移している。


BCH:今週のBCH相場は堅調な推移。半減期を織り込み始めているBCHは先々週40000を突破後、先週は35000円を割り、非常にボラタイルな動きとなっているが、今週は再度40000円台に乗せた。クレイグ・ライト氏が「BSVは大バカ者による投機」と発言したこともあってかBSVが下落、BCHも40000を割る場面もあったが、直ぐに持ち直した。BCHのブロックチェーンで組成が6時間停止したこともあったが、足元では底堅く推移している。


LTC:今週のLTC相場は堅調な推移。特段、固有の材料がない中、週初は5000円台まで値を下げるも堅調なBTC相場に牽引され、6000円台を回復。30日から31日に掛けては、前日比13%以上の急騰となり、年初来高値を上抜け。その後も底堅く7000円台での推移となっている。


fxcoin weekly report 2020.01.31.pdf

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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