2020.2.3【100万円台に乗せたビットコイン、2月も続伸か?】

2020-02-03 14:53[ 松田康生

Monthly Report 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン イーサリアム リップル ビットコインキャッシュ ライトコイン



Review

100万円台に回復

今月のBTC相場は堅調な展開。年明けは70万円台で推移するも、イラン情勢の緊迫化により循環物色気味にBTCにも買いが入り、80万円台に乗せた。4月の半減期を織り込み始めたBSVやBCHの急騰もあって、昨年11月末の戻り高値である86万円台を上抜け、91万円台まで上昇した。その後はイラン情勢が落ち着いたこともあり、上値の重い展開が続いたが、クレイグ氏がサトシだった可能性などが材料視され、BCHやBSV主導で仮想通貨相場が全面高でBTCは96万円台に乗せた。その後もNYダウが堅調に推移したこともあり、BTCも遂に大台の100万円に乗せたが、達成感が出たせいか勢いは続かず、再び100万円を割る展開となり、93万円台まで下落。新型コロナウィルスの感染拡大の影響で市場はリスクオフムードの中、下値を切り下げていたものの、90万円台でサポートされ、200日移動平均線も上抜けると、再度100万円の大台を突破した。

Outlook

アノマリー的には強い

1月のBTC相場は3か月ぶりの陽線。アノマリー的には年末年始は強いものの月央以降のパフォーマンスは今一つの月で、後半にかけて上値を重くしたが、月末週に再び騰勢を戻し、月間3割強の上昇を見せた。1月の上昇した材料として、米国とイラン間の緊張や新型肺炎の拡大などが話題に上ったが、BTC相場は時としてリスクアセットとして時として逃避資産としての性格を見せた。しかし弊社では、そうした材料はきっかけに過ぎず、その上昇の背景には昨年から続いたFRBのBS拡大とそれに呼応した米株高、そしてそのピークアウトが調整を呼ぶが、新型肺炎による景気悪化懸念が再びBTC買いを促したと考える。また、その上昇を支えた背景として、4月に半減期を迎えるBCHやBSVの上昇により、1か月遅れて半減期を迎えるBTCに買い安心感が生まれたことにより押したところで底堅かったことが挙げられる。年始からの上昇率でみるとBCHが2倍近くに達しているのに対し、BTCは3割程度。最終的に年初来で2倍まで達すると仮定すると、今月は5割近く上昇する計算となる。


半減期の織込みはこれから

この2月に年初来2倍に達するという予想はYearly Reportで「半減期前の180日間に1.5-2.5倍に上昇、それぞれ半減する日の25日前、103日前にピークを迎えている。今回でいえば、2月から4月にかけて120万~200万円、中央をとって3月に160万円でピークを迎える」とした予想と整合的だ。因みにこの半減期を巡る予想には続きがあり、半減期の1-3か月前にピークを迎えてから4割程度の反落を見せている。これは2月と4月といった強い月に挟まれて、米納税シーズン(4/15まで9と日本の確定申告(3/15)を迎える3月のパフォーマンスが極端に悪いこととも整合的だ。

4年サイクル

アノマリーをもう一つ。今年は4年に1度のオリンピックと米大統領選がある。これと関係あるか不明だが、これまでBTC相場は4年サイクルで変動している。即ちオリンピックを含む3年間は上昇、そしてサッカーワールドカップの年は下落している。これで見ると、今年は上昇サイクルの真中で比較的強い相場が期待される。


Topic

何故、年末XRP80円と予想するのか
2019年のXRPは燦燦たるパフォーマンスだった。低パフォーマンスの原因をリップル社からの売り圧力に求める声も聞かれる。しかし、市場での売却を控えていた第3四半期に約4割下落しており、低パフォーマンスの原因は供給側というより需要側、日本を含めた投資家サイドの買い意欲が盛り上がらなかったからだと考えている。その原因として、市場参加者が期待したほどODLによるXRPの送金への利用が普及しなかったことに加え、昨年はライバルが多く登場したという側面もあろう。JPMコイン、World Wire(ステラ)、(MUFG)コイン、エフナリティー(USC)、リブラ、デジタル人民元(DCEP)とレポートで採り上げただけでも6種類登場した。一方で、国際送金はデジタルトークンが媒介していくという方向性が明らかになったともいえ、即ち、2018年中はXRPか、SWIFT(コルレス決済)かだったのが、2019年にはXRPか、リブラか、DCEPかに変わってきている。しかし、他は良くてテスト段階、リブラなどまだ構想段階に過ぎず、商用化段階のXRPが一歩抜きんでている。またDECPはドル覇権に対する挑戦という側面もあり、地道なロビー活動でホワイトハウスの後押しを得られる可能性がある。弊社の年末80円予想はBTCの最高値トライに連れ高するというものだが、XRP/BTCで見てもXRPは比較的に堅調に推移すると考えている。
ビットコイン価格とマイニングコストの因果関係
JPモルガンよりBTCのマイニングコストを本源的価値とし、現在は5000ドル近辺で、市場価格は割高だとしていたと報道されている。マイニングコストにBTCの本源的価値求めるのはBTCをモノであり商品でありコモデティとする考え方だ。岩井克人東京大学名誉教授は、貨幣とは何かという問いに、穀物や貴金属などお金自体に価値があるとする貨幣商品説はとんでもない誤りで、“モノとしての価値<お金としての価値”が貨幣の必要条件だとする。更に政府や王様の裏付けがあるから価値があるとする貨幣法制説も間違いだと指摘する。製造コストを価値の源泉とする考え方はBTCを商品に過ぎないとする考え方で、BTCに貨幣としての価値があるならば、その部分を説明することは出来ない訳だ。もちろんマイニングコストと価格との間に関係性は見いだせるが、マイニングコストが価格を決めるのではなく、価格が上昇すれば法定通貨建ての報酬も高くなり投入できるマシンや電力量も増えるし、価格が下がれば逆に電力コストが見合わないマイナーが出てきて電源価格がマイニングコストを決定づける、すなわち因果関係が逆だと考える。
春節(旧正月)中のビットコイン相場
1月24日より春節が始まる。中国はもちろん、香港、台湾、シンガポール、マレーシア、韓国、ベトナムなど中華圏とその周辺各地が一斉に休暇に入り、中国本土の場合、大晦日に当たる24日から翌週の30日まで7連休となる。こうした長期の連休シーズンの場合、一般にその前にポジションの手仕舞いが出やすいとされている。世界第2位の経済大国である中国が長期休暇に入る前にはそうした声が良く聞かれる。過去6年間の旧正月の大晦日から前の1週間と後の1週間、合計15日間のBTC相場の推移を纏めてみた。春節前の1週間前は4勝2敗、春節開始後の1週間も4勝2敗だ。従って春節前に利食い売りを指摘する声も一部で聞かれ、また春節期間中は投資家不在で下がりやすいといった声も聞かれたが、過去データで検証する限りそうした傾向はみられない。平均で見ても春節前で5%、春節開始後で3%強上昇している。中国本土からのフローは、年初来はあまり増えておらず、それ故、利食い売りも連休中の影響も限定的と考えている。
リスクオフって言うけど、逃避資産・逃避買いとは誰が何から逃げているのか?
年初より「リスクオフ」と言われるイベントが続いているが、BTC相場はその時々で反応の仕方を変え、その度に逃避資産としての面目躍如と言われたり、いやリスクイベントとBTC相場は関係ないと切り捨てられたりもした。相場は需給で決まるが、世界の動きと関係ないというのは思考停止で、歯を食いしばりながら関連性を見つけ出し手掛かりを捜していくことが市場分析だ。リスクオフという言葉が生み出されたのは2000年代に入り、リスクイベントが起こるとユーロ円などが円高に振れる現象に使用された。市場を説明するのに便利なせいか、様々なアセットがリスクオフで売られるリスク資産か、逆に買われる逃避資産かといった色分けがなされるようになってきた。為替の場合、リスクイベントが起こると参加者はポジションを小さくする。債権国日本から債務国アメリカへのフローが滞ることから円高が発生する。これに対しBTCがリスクアセットとして動くのは分散投資のアロケーションの一つとされ始めた結果か。特に米国のCTAなどの影響か。一方で法定通貨のアンチテーゼとして、特に米国の金融緩和には逃避アセットとして反応しやすい。

Altcoin


上記は従来ご紹介している主要5通貨にBSV・EOS・ETCを加えた1月のパフォーマンスだ。言うまでもなく、半減期を控えたBSVやBCHが上昇、前者は4倍、後者も2倍近く上昇した。逆に上昇したとはいえBTCは大きく出遅れており、1月はアルトコイン主導の上昇だったと言えるかもしれない。それも、EOSやここにご紹介していないがMONAコインやETHと互換性を持つハードフォークに成功したイーサリアムクラシック(ETC)などそれぞれの通貨がタイミングをずらして相場を牽引していた。循環物色がうまく回転している状況で、これは半減期を控えたLTCの上昇が他の通貨にも波及していった昨年5月から6月の強気相場を彷彿させる動きだ。
2月にはいよいよ半減期を織り込み始める可能性があるBTCや、同じくリップル社の市場売却停止やIPOの思惑で需給が改善しているXRPなど出遅れている通貨が追いかける可能性が高いと考えている。

ETH:今月のETH相場は堅調な展開。ハードフォーク後のイーサリアムのブロック生成時間が減少しているとのレポートや、スケーラビリティが2000倍向上する見込みなどといったETHの技術面でのポジティブ材料が続き、月初より堅調な展開。その後は、BCH・BSVの急騰とともにアルトコイン全面高、更にBinanceがイーサリアムクラシック(ETC)の先物取引を開始するとの報を受けてETCにも買いが入り、18000円台まで上昇した。その後も他通貨と連れ高となり、20000円付近までの上昇を見せ、堅調な推移が続いている。


XRP:今月のXRP相場は堅調な展開。月初にBinanceがXRPの先物取引の開始を発表すると急騰し、21円付近から一時24円付近まで上昇。その後はBTCに連れ安となって弱含み、22円台での推移が続いたが、メキシコ取引所Bitsoで米リップル社のODLを利用した米ドルからメキシコペソの送金が拡大していることや、タイのサイアム商業銀行がリップル社と提携し、低コストで国際送金が可能なアプリを発表といったリップル社の送金ビジネス拡大に向けたポジティブなニュースが続いたことや、BCH・BSVの急騰もあってXRPも27円台まで上昇。その後、一旦反落するも24円近辺で支えられ、底堅く推移し、再び26円台まで値を戻している。


BCH:今月のBCH相場は堅調な展開。Bitcoin.comの取引所トークン発行の報から上昇し始め、クレイグ氏のBTC大量保有を裏付ける書類が出たことで同氏がサトシだったとの思惑からかBSVが急騰し、BCHも連れ高となり、一時38000円台まで上昇。その後はBSVへの仮装売買疑惑もあり再び上値を重くしたが、半減期の織り込みもあり、BSVが時価総額でBCHを抜くほどの上昇を見せ、BCHも一時は44000円台まで上昇。一旦、新型肺炎の影響でリスクオフムードの中、再び35000円台まで下落するも足元では再び40000円台に乗せている。


LTC:今月のLTC相場は堅調な展開。月初に仮想通貨アナリストのウィリー・ウー氏がLTCは強気トレンドに移行しそうだとツイートしたことが後押しとなったのか、月を通して大幅に上昇。BCH・BSVが急騰した場面では、LTCも連れ高となり、7000円に迫る勢いであった。月末に掛けては仮想通貨全面高となる中、前日比13%以上の急騰となる場面もあり、年初来高値を上抜け、その後も底堅く7000円台での推移となっている。



FXcoin Monthly Report 2020.02.03.pdf

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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