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ビットコイン相場が1万ドルを割った理由、「先物主導」とは?

2020-02-10 18:35[ にく

仮想通貨小噺 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン

土曜日に鉄道博物館に行った帰りにサッカーボールを買いに行きました。今まで子供用のゴムのボールで遊んでいたのですが、先週火曜日にショッピングモールの催し物でフリースタイル・サッカー教室に参加した写真を見て、リフティングの練習をするならば、きちんとしたサッカーボールでないと無理だと思い連れて行った次第です。まず、おもちゃ屋に行ったのですが、ボールの大きさにも3号、4号、5号と種類があるらしく、幼児は3号だが小学生の試合は4号だから、4号にした方がいいと知らないサッカー親子にアドバイスされたりします。そういえば中学のバスケットボール部のボールも隣の高校用とでは大きさが異なっていたと思い出にふけっていたら、MIKISAやmoltenといった懐かしい国内メーカーの名前が目に入ってきます。某アメリカやドイツメーカーのボールなんかダメだぞーと内心思いながら息子がどのボールを選ぶのか見ていると、なかなか決められません。ついには、隣の野球コーナーのグローブに興味を示し始めます。どうやら、どのサッカーボールにしようかではなく、サッカーか野球かを息子は迷っていた訳です。子供はサッカーがしたいに違いないと親が先走っていた様です。

そういえば、日曜日にBTCが1万ドルに乗せました。既に金曜日の段階でCMEのBTC先物が1万ドルに到達、また国内の証拠金取引と現物価格との乖離が開き、こちらも一足先に1万ドル超えに相当する110万円台を上抜けていました。即ち、今回の1万ドル超えは先物やデリバが先に走った、いわゆる「先物主導」の相場だったという印象です。では、「先物主導」の相場とはどのような相場なのでしょうか。一般に言われる「先物主導」の先物とは日経225先物など指数先物の場合が多く、現物株に対し先物市場価格が先に動くことを指します。株先は最終的に現物の株価で清算されますから、このねじれを狙って証券会社などの株式トレーダーが裁定取引に動きます。一部で誤解されていますが、証券会社の株式トレーダーと言えば、通常、この先物と現物との裁定取引を行う人のことで、相場の方向性にベットする人は証券会社にはあまりいません。

で、こうした日経平均指数などのインデックスを売買する人の多くは現物株を保有すると決済が面倒な外国人、そしてレバレッジをかけて資金を運用するヘッジファンドなどです。そこで「先物主導」の買いとは、為替でいうヘッジファンドの買いのように、相場の値動きが良く分からない時の説明としてよく出てくることとなります。ヘッジファンドが小さな元手でレバレッジを効かせて大きくポジションを取ってテクニカルポイントやストップをトリガーさせて相場を動かそうと仕掛けている、、、そういうと分かりやすいから多用される訳ですが、実際のところ海外の機関投資家やヘッジファンドの買いが強いという事実だけで、それ以上の手がかりを探すのはこじつけなのかもしれません。

上記は株の先物主導の説明でしたが、仮想通貨の場合はどうでしょうか。まず、CMEの方ですが、現物より前に先物が1万ドルを上抜けたのは先物カーブが上向き(コンタンゴ)で市場が先高観を持っていることを示しています(因みに為替の場合は金利差です)。次にポジション動向をみると先週火曜日時点で投機筋のショートが増えています。即ち、1万ドルという強いレジスタンスをバックに短期筋のショートが増えていたのかもしれません。そして、それが現物より一足先にストップアウトして現物に先行したのかもしれません。一方で国内の証拠金取引の場合は若干解釈が異なります。CMEのBTC先物は、Bakktのように現物での受け渡しは出来ませんが、最終日まで反対売買をせずに残ったポジションは清算値との差額で決済されます。この清算値でかろうじて現物価格との紐づけがなされています。これに対し、証拠金取引は各社様々な工夫をしていますが、基本的に各交換所内で完結するBTCと紐づけがあまり無い取引です。ポジション残には建玉管理料といった手数料も発生、長期保有には向かず、個人の短期間の投機が主な参加者です。そうした市場で証拠金と現物のプラス乖離が大きくなるとは、短期のロングポジションが溜まってきていることを示しているのかもしれません。この場合は、短期的にポジション調整に注意が必要と申し上げようと思って書いていたら、市場は一足先に調整を始めた感じです。先月末にBitMEXのアーサー・ヘイズCEOが現物と先物の乖離から相場の急落を予想したのと同じロジックです。

ところで、サッカーか野球かと迷っていた我が息子ですが、翌日にはケロッとサッカーボールを買ってくれとせがんできました。何だ、親の先走りかと思ったら、単なる子供の天邪鬼だった訳です。子育てでも、相場にも、先走りは禁物ですが、天邪鬼には振り回されてばかりです。

にく

前職は外資系金融機関外国為替営業。国内だけでなく海外を仕事(?)で飛び回る日々を送っていた。自らライオンと称しているが、他の動物に例えられることが多い。 好きなものは東南アジア諸国。趣味は早朝ゴルフ。特技はタイ語。

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