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ビットコイン相場は割高か?割安か?~なぜ人はナンピン買いをしてしまうのか?

2020-02-25 19:06[ にく

仮想通貨小噺 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン

連休を使ってソウルに行ってきました。金曜日に半休を取って19時のLCCで成田からソウルに入り、日曜日の18時過ぎに成田に戻ってきました。今回は空港から直接バスでロッテワールドに向かい、そこに3泊して遊園地と水族館、ロッテワールドタワーそしてロッテ百貨店など、殆ど同じ地区だけを回っていたので、果たして韓国にいっていたのかどうかもよく分からない感じでしたが、子供たちはそれなりに楽しんでくれていた様です。何より、遊園地が空いていて、どのアトラクションも殆ど待ち時間が無かったことが良かった点で、おそらく子供たちにとっては浦安の夢の国より楽しかったのではないでしょうか。心配された冬のソウルの寒さも、この遊園地は大部分が屋内であるため、問題になりませんでした。

ただ、少し閉口したのが、子供への当たりの強さで、飛行機はもちろん、空港バス、お風呂、さらに遊園地内でさえ子供がはしゃいでいると静かにするように注意されます。確かにうちの子たちはうるさいのですが、まさか遊園地内で注意されるとは驚きでした。値段設定も子供にフレンドリーでなくどの施設に行っても2歳か3歳から大人に近い料金がかかります。バスでさえ5歳は有料です。勿論ですが、子連れの優先搭乗もイミグレでの優先レーンもありません。日本でも少子化の原因の一つとして子育てのしにくさが挙げられますが、衝撃の出生率0.98の背景には日本の上をいく厳しさがあるのかもしれないと思った次第です。即ち、儒教精神の名残というか、老人を敬うのはいいことですが、逆も真なりといったところでしょうか。

それにしても、何故、この時期に韓国に行ったのかというと、安かったからです。コロナ騒ぎで中国発着便のキャンセルが相次いでいるのはご想像の通りですが、実は香港・台湾に加え、韓国も同じように不人気で、3連休にも拘わらず、安いチケットではソウル往復5万円台という破格のチケットも出回っているのです。家族4人で、です。ただ安いチケットは出発が朝の5時台だったりで子連れには利用が難しいのですが、小職の選んだ便は連休の前日夜発で帰国は最終日の午後発と一番人気が高い時間帯でも4人で8万円でした。ホテルも5つ星で1泊2万円を切り、ちょっとした国内より格安です。おそらく連休でこの値段はもうお目にかかれないと思い、つい予約してしまいました。

実は、こうした消費行動には長年のトレーダー生活が影響していると思っていて、即ち市場参加者として割安を買い、割高を売りたくなる習性が何となくついてしまっているのです。なので、閉店間際のスーパーなどに行ったら大変です。おそらく蚤の市などに行ったら帰ってこれなくなりそうなので、寄らないようにしています。債券市場で、割安か、割高かという分析を叩きこまれ、為替市場で瞬時の判断を叩きこまれた結果、要るか、要らないかではなく、割安か、割高かで瞬時に判断してしまう癖がついてしまったのかもしれまぜん。

では、どうやって割安・割高を判断するのでしょうか。航空券ならば、同じ目的地の普段の値段や似たような地域との値段の比較が考えられます。国内なら新幹線など代替手段との比較もあるでしょう。債券なら、政策金利との比較、いわゆるイールドカーブの形状、もしくは他国とのスプレッド、それも米独スプレッドのようにそのままの絶対値で見たり、通貨スワップなどで通貨を合わせてスプレッドを見たり、また社債などなら国債とのスプレッドや同じ格付け間での比較をしたり、まあ様々な分析方法があります。また株価であればROEやEPS、また清算価値やDCF法など当たり外れはともかくとして分析方法はありますし、同業比較などもよく採用されます。これに対し、為替になるとかなり割安・割高の分析が難しくなります。よく購買力平価だとかビックマック指数などが採り上げられますが、10年単位で割安か割高か何となくわかる気もしますが、大雑把すぎて実際のディールに不向きという認識です。

これが仮想通貨になると更に難しくなってきます。マイニングに投入したコストを理論価格とする考え方もありますが、これは仮想通貨をモノ、すなわちコモデティーとする考え方で弊社の採る立場ではありませんが、そうだとしても原油価格は採掘コストによって決まるというよりは、市場における原油価格が採掘方法に影響している部分も多い気がします。ただ、そうした考え方が出る理由の一つは仮想通貨がリターンを生まないことにあるのかもしれません。即ち、債券や株にはリターンがあるので理論値が計算しやすいのですが、為替になると単なる通貨の交換レートなので何がリターンかかなり曖昧になってきます。ただ、それでも為替のポジションを保有すると金利差によるSWAP金利の受渡が発生するので、リターンという見方も出来なくはありません。これが仮想通貨になると、現時点では金利市場が未発達でありリターンが無いため、コモデティーと似た捉え方をされ易いのかもしれません。ただ、コモデティー≒商品と考えるならば、航空券や原油のようにBTCを使って何らかの効用を得ることは出来ないので、無価値だということになり、実際の市場価格と矛盾してしまいます。

そう考えると、例えば今のBTCが割安なのか、割高なのか、はBTCの理論価格とは何なのかという深い問題と関わっていて、足元の新型ウィルスの影響で割安だとか、100万円を超えたら割高だとか、そう簡単には言い難いと言えそうです。むしろ気を付けたいのは、買おうと思いながら買い損ねていると、少しでも下がってくると、何だかお買い得な気がしてついつい買ってしまうことでしょう。ナンピン買いをしてしまう人の心理もそうでしょう。実際には相場は下がっているのに、ついお買い得だと思って余計に買って、相場が当たった時の収益は少なく、相場が外れた時の損益を大きくしてしまう訳です。

これって何だかお腹をすかせてスーパーに行ってはいけないという主婦の知恵にも少し似ている気がします。お腹を空かせていると何でも欲しくなり、更にこれが閉店間際だと何でもお買い得な気がして、ついつい余計なものばかり購入してしまう訳です。まあ、収納力の大きい小職の場合は滅多なことでは食ロスには繋がりませんが、安物買いの銭失いにならない様に注意が必要ですね。

にく

前職は外資系金融機関外国為替営業。国内だけでなく海外を仕事(?)で飛び回る日々を送っていた。自らライオンと称しているが、他の動物に例えられることが多い。 好きなものは東南アジア諸国。趣味は早朝ゴルフ。特技はタイ語。

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