2020.3.3【ビットコイン相場はこの歴史的NY株の大暴落に耐えられるか?】

2020-03-03 10:42[ 松田康生

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Review

NY株、歴史的大暴落

今月のBTC相場は上に行って来いの展開。買いが買いを呼ぶと期待された1万ドル台に何とか乗せたものの後が続かずにいると、最後は新型ウィルスへの懸念で米株が歴史的な大暴落を見せる中、月足でも陰線引けとなった。春節明けに大きく窓を開けた上海株が切り返し、50日と100日移動平均線がゴールデンクロス、更にHFを終えたBSVなどが上昇する中BTC相場は1万ドルを回復、更にNYダウが連日市場最高値を更新する中、115万円台まで値を伸ばした。しかし、湖北省の感染者が1日で15千人を超えると、上海株も窓埋め完成後伸び悩むなど風向きが変わり始め、またBTC相場も目立った買い材料が無い中、1万ドルのオプションのガンマに上値を抑えられる展開に。更に米国での感染が拡大を始め米株が大暴落を始めるが、FRB高官が対策は時期尚早と発言、NYダウは市場最大の下落を見せたが、翌日に緊急声明を出し、BTCも何とか91万円台で下げ止まっている。

Outlook

3月はアノマリー的に最弱

2月のBTC相場は結局、陰線引け。アノマリー的に強い月であり、当初は堅調に推移したが、最後の1週間で月初来の上げを失った形。これで陰線が続いた後、1か月だけ陽線が出て、再び陰線となった。こうしたケースでは9回中7回がその翌月も陰線が続いている。また3月は日米の納税シーズンの関係か最もパフォーマンスが弱い。昨年は相場が良かっただけに納税売りも相応見込まれ、アノマリー的には3月はかなり厳しいと予想される。

Too Little Too Late

この下落の背景は米株の暴落だ。先週1週間の下落は、手元の計算で、下げ幅で市場最大、下落率でもリーマンショック、同時多発テロ、ブラックマンデーに次ぐ大暴落だった(80年以降、週足ベース)。この市場の悲鳴に対しシカゴ連銀のエバンス総裁は「対策検討は時期尚早」としてしまった。その結果、1週間でNYダウが4000ドル下落し、ドル円は5円円高が進んだ。FRBは慌てて緊急声明を出したが、既に3月利下げを25bp以上織り込んでいる市場は反応を渋っている。

まずはFRBの対応次第

但し、昨年末からの流動相場を演出したのもFRBならば、それを止めたのもFRBだった。米株もBTCもバランスシート拡大を停止すると表明した議会証言を機に変調をきたしている。それ故、FRBが自体の深刻さに気付き適切に対処すれば、何とかBTC相場も下げ止まるのではないかと考えている。

予想レンジ:70万円~120万円

Topic

サンダース?バイデン?大胆予想、米大統領選挙とビットコイン相場
米大統領選とBTC相場の関係を考えると、アノマリー的には前2回の2012年も2016年もBTCは買われている。ただ、別稿で紹介した通りBTCは3年上昇して1年下がるという4年サイクルを持っており、あまり大統領選挙とは関係がないかもしれない。次に選挙結果だが、弊社ではトランプ再選はBTC買い、逆は売りと考えている。理由として、金利を下げてドル安にするトランプの政策はBTCにプラス。民主党左派は党内の受けはいいが全米規模で過半数を取ることは容易でなくトランプにとって汲みやすい相手で、逆に中道派は党内では弱いが、実際に対抗馬になると共和党支持層の共感も得やすくトランプにとって厄介な相手でしょう。そこから、サンダースやウォーレンが勝てばBTC買い、バイデン勝利はBTC売りなのではないか。
ビットコイン1万ドル割れの真相:CMEの窓埋め説に潜む勘違い
2月9日日曜日に1万ドルに乗せたBTC相場だが、翌月曜日に反落すると9700ドル台まで約500ドルの下落を見せた。この急落の要因の一つとしてCMEの窓埋め説がある。昨年12月末にMarket Scienceのレポートで、CMEの先物が開始された2018年12月以降の105週において、窓が埋まらなかったのは5回だけで95%が窓埋めに成功したとされ意識されているからだ。ただ、この95%は為替(ドル円)で試算すると99~100%窓埋めに成功していてBTCに限った話ではない。その期間のレンジ内に収まっている限り、いずれ一度来た水準には戻っているだけの話。通常、窓埋めのセオリーは「調整は窓埋めまで」などといった使われ方をしていて、窓埋めそのものよりも反落・反発がどこで終わるのかという目安として使われるケースが多い。
USDC(USDコイン)建て取引の急増とBlokFi台頭の意味を考える
CryptoCompareでBTC取引の相手方の通貨のシェアを見ると、サークル社が発行するステーブルコインUSDCが急増、1年前には1%にも満たなかったのが、直近では10%を超えている。この原因の一つとして考えられるのはBlockFiのUSDCへの付利サービス開始が考えられる。BTCなどを仮想通貨建てで預けるならば法定通貨に対し価格変動リスクを持つ形となるが、ステーブルコインであれば10年の米国債が年利1.6%前後なのに年利8.6%が得られるからだ。一旦各国の法定通貨でBTCを購入し、それをUSDCに交換してBlockFi預ける、そういったオペレーションが上記のUSDCのシェア拡大に寄与している可能性がある。しかし、この8.6%の付利が同社のクレジットリスクをカバーしているかは不明で、仮想通貨業界は技術やビジネスの進歩に規制がついていけていない傾向があり、それ故、各投資家のリスクに対する審美眼が試されている。
リヤドG20声明文を読む~ついにG20までXRPにお墨付きか?
2月22日から23日にかけて、サウジアラビアの首都リヤドで開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議の声明文を見てみると、昨年6月の福岡G20からがらりと変更されている。前回は①仮想通貨は役に立つが、必要な規制を話し合っていくという話だったのが、今回は①仮想通貨は役に立つが、必要な規制を話し合っていく②リブラのようなグローバル・ステーブルコインは危険だから各当局のOKが出るまで始めさせない③仮想通貨を利用して国際送金を安価かつ迅速化する必要があるので、FSBは10月までにロードマップを出せ、と3つのことを述べている。その送金における媒介をどのトークンが担うのかはまだ言及されていないが、今回のG20は中国不在の中、日米の主導で、リブラは禁止、DCEPは無視、そしてグローバルなクロスボーダー決済を改善する必要がありロードマップを作るとしている。これでXRPを連想させない方が難しい。つに世銀やIMF,米国政府機関に続き、XRPがG20からもある程度のお墨付きを得たと考えられるのではないか。

Altcoin


上記は主要5通貨の2月のパフォーマンスだ。先月申し上げた様に出遅れていたXRPやETHが相場を牽引、一方で4月に半減期を迎えるBCHは6か月前から上昇を始め、2か月前に約2倍まで上昇したところでピークアウト、その後、4割の下落を見せるという過去のパターンと非常に似た価格推移を見せている。これに対しBTCは月初から1割程度、半減期の6か月前から見ても3-4割の上昇にとどまっている。弊社では、これは半減期を織込む相場がこれからという場面でBCHの反落が被ってきて上値を重くした結果だと考えており、BinanceのCZ氏が指摘する様に半減期を織込む相場はまだこれから到来すると考えている。但し、年初の75万円から115万円までの5割の上昇で織込み相場は終わっていて、そこから4割、即ち70万円近辺までの下落が発生している途中という可能性も否定はできない。そのメルクマールとして、米ドルで8200-8300ドル、円で90万円の水準で下げ止まれるかだと考えている。新型ウィルス対策と同様、今来週が相場のヤマ場となりそうだ。

ETH:今月のETH相場は堅調な展開。1月はやや出遅れていたETHだが、先物開始への期待やETH2.0に対する期待、特に創始者ブテリン氏がロードマップを示すなど好材料が続き堅調に推移、3万円を回復した。ETHベースでの開発を行っていたJPモルガンのブロックチェーン部門がコンセンシスと合併するなど有用性面での進捗も好感されたか。一方で、月後半にかけて、ASICを排除するProgPoWの実施時期を巡り、開発側の決定方針にブテリン氏が異を唱え、またコミュニティからも反論が出るなど若干ゴタゴタが嫌気され上値を重くしている。

XRP:今月のXRP相場は上に行って来いの展開。BitMEXがXRP/USDの無期限契約取引を開始、元共同創始者ジェド・マケーレブ氏の大量売却報道に水を差されたが、その後も節目の30セントを上抜けると35円を抜けて上伸した。しかし同社でフラッシュクラッシュが発生すると市場では利食い売りが優勢となったが、G20で名指しこそされなかったがクロスボーダー決済を改善する必要性が指摘され、また韓国の3社、欧州のAzimo社との提携やマネーグラムが同社との提携で取引が増加したとするなど好材料が続き、BTC始め仮想通貨全体が値を崩す中、XRPの下げは限定的にとどまっている。


BCH:今月のBCH相場は大きく下落。BSVのHFで一時チェーンが分岐するも最終的に事なきを得たことで、同じ4月に半減期を迎えるBCHにも半減期前の最後の上げとも思える買いが入ったが、そこからピークアウト、6か月前から2倍に上昇し、ピークから4割近くの下落という従来のパターン通りの展開を見せた。マイニング報酬のうち一部を開発費に振り向けるという提案に対しマイナー間で若干の対立が見えたことも上値を重くしたか。この問題は5%に決着、5月のHFで実装予定となっている。

LTC:今月のLTC相場は上に行って来いの展開。LTC独自の材料が乏しい中、ほぼBTCに連れて動く形で、ほぼLTCJPYとLTCBTCが重なる展開。LTC財団はマーケティング担当を募集、決済など実ビジネスで活用されるには営業活動が不可欠と漸く気づいたか。それ以外にもカスタマイズなどの開発費用も必要で各コミュニティは資金調達に腐心している。そうした意味で売却資金やIPO計画で相応の資金を確保しているXRPに一日の長がある。


FXcoin Monthly Report 2020.03.02.pdf

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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