• TOP>
  • マーケット情報>
  • 2020.3.27【日経平均反発、NYダウ続伸。来週のビットコインはどうなる?】

2020.3.27【日経平均反発、NYダウ続伸。来週のビットコインはどうなる?】

2020-03-27 19:08[ 松田康生

Weekly Report 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン リップル ビットコインキャッシュ イーサリアム ライトコイン



Review

底入れするも7000ドルまで

今週のBTC相場は底堅いが上値の重い展開。週末に7000ドルトライに失敗、6000ドル割れまで値を下げたが、その水準で値を固めると、再び7000ドルをトライしている。ECBの緊急追加緩和や1兆ドルを超える米景気対策の週明け可決を目指す動きを好感して金曜日の欧州株が上昇すると、BTCも7000ドルをトライするも失敗、民主党が反対姿勢を見せる中、BTCも63万円台まで値を下げた。しかし緊急G20や直後のFRB無制限QE開始を好感、70万円台に切り返すと、民主党に軟化姿勢が見えNY株が史上最大の上昇幅を記録すると75万円台に値を戻すも、米株ほどの反発は見せられずにいた。しかし、米与野党が2兆ドルの景気刺激策で合意、日経平均が史上5番目の上昇を見せると75万円を上抜けたが、7000ドルでキャップされると、移動平均線のデッドクロスや難易度のマイナス調整などもあり再び上値を重くしている。

Outlook

パニック売りは一段落

今週のBTC相場は引き続き底堅いが上値の重い展開を予想する。前々回は「予想外のコロナ感染拡大の速さ」に加え「期待外れの政策対応」が相場の混乱に拍車をかけたと申し上げた。そして混乱収束には政策当局が協調姿勢を見せ市場に安心感を与えることが必要と申し上げ、FRB・ホワイトハウスの姿勢を評価、これを見た日欧も重い腰を上げ始めたとしてし「株式市場の底入れはもう近い」と申し上げた。実際株式市場はシャープに切り返し、BTC相場も底打ち感を印象付けたが、7000ドル近辺で上値を抑えられた印象もある。

政策対応の遅れ

上値が重い理由のひとつはテクニカル的にまだ底入れが確定していないことだ。7200ドルが今回の半値戻しで、戻り売りの急所だ。また、2月にゴールデンクロスした50日と200日各移動平均線が25日にデッドクロス、50日と100日も28日前後にデッドクロスする見通しだ。また急激な価格低下にDifficultyが2018年12月以来となる二ケタのマイナス調整(-15.95%)となったことも相場の重しとなったか。

日欧当局も本腰

本来であれば、株のパニック売りが止まり、FRBが無制限QEを開始、米政府が2兆ドルの赤字国債を発行しようとしており、BTCにはもっと買いが入っても不思議はない。しかし、この水準で上値を重くした一因にマイナーの戻り売りを指摘する声もある。彼らのコストは電気代や使用マシンによって様々だ。近年の高性能マシンの普及が昨今のハッシュレート上昇の一役買っているのは間違いないだろう。一方、従来から主力だったAntminer S9シリーズで1KWhが5-6円とされる中国の四川省や内モンゴルなどで現在のハッシュレート(96EH/s)で、マイニングした際の電力コストは60-80万円。更なる上伸には、この水準での売り圧力をこなす必要があろう。

予想レンジ:60万~90万円

Altcoin



上記は仮想通貨市場の暴落が始まる直前の3月8日を1として、主要5通貨のその後の推移を示したもの。この間、BTCは米株と0.9を超える相関係数を記録、アルトコインもほぼ米株に合わせて上下する展開となった。各通貨のチャートを並べて見ても、どの通貨か見分けがつかないくらい似た値動きをしている。しかし、これらを並べてみると、下がり方、戻り方に通貨による違いが若干見て取れる。

まずBTCはこの中では比較的底が浅く、戻りも大きい。やはりこうしたパニック市場ではアルトコインのように流動性が低いものは嫌われることを示しているのかもしれず、またも戻しもBTCなどに一歩出遅れるのかもしれない。そうした中、XRPの底の浅さが目立っている。ただ、底が浅い一方で戻しも鈍い。これは、ここまでの下げで売り玉が少なかったせいもあるが、XRPは比較的ガチホ勢が多いことも影響しているのだろう。即ち、通貨の特性を研究した上で長期保有する傾向があるため、今回のような株式のパニックが起きても、それでXRPの有用性が下がる訳でもないし、米株が戻って、それが上がる訳でもない。この5通貨の中では、最も短期的な投機マネーが入りにくく健全な市場と言えるのかもしれない。これに対し、BTCに似ているが流動性が低く値が飛びやすいBCHやLTCは底も深いが戻りも鋭い。為替でいえばEURとGBP、AUDに近い関係か。これらに対しETHの不振が目立っている。底が深く、戻りが鈍く、3月8日の6割程度しか戻っていない。但し、年初来で見ればBTCが1割弱下がっているのに対し、ETHはほぼ同じ水準だ。従って、年初からの上げ幅が大きく、期待先行の投機資金が多く入った分だけ、投げ売りも大きく、その後も冴えない値動きだったと説明できる。投機先行で先に上がって大きく落ちたETHと、ガチホ中心ゆえに投機中心の乱高下の影響が少ないXRPとで対照的だったと言えよう。

ETH:今週のETH相場は揉み合い推移。先週末に創始者ヴィタリック・ブテリン氏がETH2.0後10年間のロードマップを示したこともあり堅調に推移したが、その後は目立った材料もない中、BTCに連れて上下する展開。昨年の米中対立時に見られたような、仮想通貨への逃避買いが出る局面でのBTCプラス・ワンといった買いは見られていない。

XRP:今週のXRP相場は横ばい推移。詐欺的なグーグル・クロームのエクステンションによって最大140万XRPが盗まれたとの報告があったが、リップル社がすぐさま注意勧告を発したこともあってか市場への影響は限定的だった。上述の通り今回の暴落局面での下げ幅は比較的軽微だった分、戻りも鈍かったが、金曜日には独歩高に近い展開となった。但し、一部でテクニカル的に対BTCでの上値の重さを指摘する声も聴かれている。

BCH:今週のBCH相場は揉み合い推移。先週末にBCHチェーンでのテザーが発行されたとの報もあったが、ほぼBTCに同調する展開。注目の半減期は4月8日深夜に予定されており、様子見姿勢が続くか。

LTC:今週のLTC相場は横ばい推移。目立った材料もない中、BTCに連れる展開が続いている。運営側からの発信があまり見られない点が気になるが、一方で、BTCの上昇局面で、LTCが先行するとの指摘も聞かれた。


fxcoin weekly report 2020.03.27.pdf

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

アーカイブ