2020.4.1【3月は暴落のビットコイン相場、4月は巻き返せるか?】

2020-04-01 19:27[ 松田康生

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Review

歴史的大暴落

今月のBTC相場は歴史的な大暴落。金融市場は大混乱する中、BTCも90万円台から40万円台まで暴落、70万円台にリバウンドする荒っぽい値動きを見せた。NYダウが記録的な暴落をみせるも90万円台で下げ止まっていたBTCだったがFRBの緊急利下げもあり97万円の月間高値を付けた。しかしイタリアの感染拡大やNY州の緊急事態宣言などを嫌気しNYダウが史上最大の下げ幅を記録すると、BTCは70万円台まで値を下げた。更に米国が欧州からの入国を制限、WHOがパンデミックを宣言するとNYダウは再びサーキットブレーカーを発動、BTCもパニック売りで40万円台までの暴落した。FRBの追加利下げ、量的緩和再開、無制限QE、米2兆ドルの景気対策、更にG7・G20の協調姿勢などもあり、株式市場の混乱は一服、BTCも70万円台まで押し返したが、マイナーなどの戻り売りもあり、今回の暴落の半値戻し水準(78万円近辺)を前に上値を重くしている。

Outlook

4月はアノマリー的には最強だが

3月のBTC相場はアノマリー通り陰線引け。但し下落幅は25%と歴史的な暴落があった割には歴代の月次下落率で10位程度に収まった。これは暴落後の切り返しが奏功した結果だが、先月FRBの対応を「Too Little Too Late」だったが、「FRBが自体の深刻さに気付き適切に対処すれば、何とかBTC相場も下げ止まる」と申し上げたが、FRBや各国当局が本格的に対応したのは、米株などが更に暴落した後だった。因みに3月の弱さと4月の強さは日米の納税時期と関係していると思われるが、納税時期は後倒しされており、今回も強いとは言い切れない。また過去2か月陰線が続いた11回のうち翌月陽線に転じたケースは5回。ほぼ半々で何とも言い難い。

無制限QE

下図は米ベースマネーの残高推移だ。2017年の史上最高値はFRBのバランスシート拡大と縮小と時期を一にしている。昨年末からの上昇と2月のピークアウトも同様だ。そういう意味では、今回過去最高の金融緩和を実行中で、更に財政赤字も過去最高に達する見込みだ。行き場を失ったマネーの受け皿の一つで、また法定通貨に不安を覚えた逃避需要、更にインフレ懸念からの買いも期待される仮想通貨には大きな需要が見込めよう。ただ、パニックは沈静化したとはいえ新型ウィルス感染拡大やこれから始まる景気悪化を織り込みを考慮すると株式市場の回復にはまだ時間がかかりそうだ。BTCはこの2つの要因の中で底堅く上値の重い展開が続きそうだ。

予想レンジ:60万円~80万円

Topic

市場のパニックが続く理由と収まる条件
今回のパニック相場に関する考察3部作の第一弾。16日にFRBがサプライズでゼロ金利復活、量的緩和再開と100点満点の対応を見せたのに、日銀がマイナス金利の深掘りを見送ったことを嫌気して、株式市場は下落した。今の市場のパニックは参加者の自信喪失に起因しており、パニックを収めるには誰かが「安全基地」となって、安心感を与えるメッセージを発する必要がある。特に各国中銀が協調して手を差し伸べることが効果が高い。
市場のパニックはなぜ起きた?~後手に回ったコロナウィルス対応~
今回のパニック相場に関する考察3部作の第二弾。今回の新型ウィルス対策に対し議論に関しては我々は専門外だが、金融市場の動きと政策対応を見るに、19日時点での先進各国の対応は対策が後手後手に回ってしまった。2月のパウエル議長のバブル潰しは理解できるとしても、株式市場が暴落を始めた後のラガルドECB総裁とエバンスシカゴ連銀総裁の対応不要としたコメントは市場心理を悪化させた。緊急利下げ後に追加を求める市場に対しブラードセントルイス連銀総裁の「(市場の織り込みは)間違いだ」とした発言はとどめを刺した。案の定、市場は歴史的な暴落を見せた。しかし誤りに気付いたFRBの、BS縮小で始まったパニック売りだから、BS拡大で止めようとしたのは正しい対応で、いずれ市場の混乱は落ち着こう。
市場のパニックは予想できたか?~今後のために暴落の前兆を振り返る~
今回のパニック相場に関する考察3部作の第三弾。時間をさかのぼって今回のパニックの前兆を探り、振り返ることで、いつ起こるか分からないが、次回の暴落時に備えたい。Weekly Reportで振り返ると、2月21日に「高値圏での乱高下は天井が近いサイン」「今までは買い遅れが目立ったせいか、押し目はすぐ解消されたが、このところ相場が押してから高値を更新するのに時間がかかり始めた」「30000ドル目前の米株に関しても、上昇を支えていたFRBのベースマネー膨張にブレーキ」と3つの変調の兆しが現れていた。暴落前に降って湧いた様に強気予想が出回り、また市場マスコミも騒ぎ出したことも前兆だった。纏めると高値圏での乱高下もDipの戻りの遅さもポジションが一方向に傾いている動きで、CNBCも同じ現象を示している。そうした中、FRBベースマネーの縮小など変調が見られたのにSARSや半減期の経験からそうした兆しを見逃している内に大暴落は起こる、テクニカルは妄信しない方がいい。
ビットコイン相場の潮目が変わったか?S&P500との相関崩れる?
米株(S&P500)とBTCの相関係数(30日)が0.9を超えている状況下、23日に米株が下落したのに対しBTCは上昇した。長期ではBTCと米株との間に相関関係は見られない。流動性相場の崩壊後の戻しで、ほぼ全戻しをしたドル円、24日時点で下げ止まっていない日米株、そして半値近くに戻した金とに分かれるが、BTCは金に近い値動きをしている。金は半値戻しを突破しており、BTCに関しても、そろそろ7200ドル近辺の半値戻しを上抜けして全値戻しに向かっても不思議はない。

Altcoin



上記は主要5通貨の3月のパフォーマンスだ。若干、低下傾向にあるが未だにBTCと米株(S&P500)との相関係数(30日)は0.9を超えている。即ち、一時のパニックは沈静化しつつあるが、いまだにBTC相場は株式市場に大きく影響を受けている。こうした中、アルトコインもほぼBTCと同様の値動きを続けている。各通貨固有の要因よりコロナウィルスによる市場の混乱の影響が勝っていたと言えよう。

そうした中、期待先行の短期的な投機ポジションが多かったETHやBCHの下げがきつく、ガチホ勢が多いXRPの下げが軽微となっている点は前回のWeeklyでご紹介した通りだ。4月に入れば、こうした状況に変化が訪れる可能性がある。特に半減期を迎えるBCHの行方には要注目だ。またLTCをBTCの先行指標とする見方も紹介されていたあまり実用面での需要がないLTCには結局、投機的なポジションが多いのかもしれない。そうすると、逆にBTCが回復局面に入れば、そうした足の速い通貨が先に動き出し、XRPなどは出遅れる可能性もあろうか。

ETH:今月のETH相場は大きく下落。上記主要5通貨の中でワーストパフォーマンスとなっている。材料的には、決定方法に異論が出ていたProgPoW導入を延期、創始者ブテリン氏が将来図を示し、また一部で危惧されていたBitmain社のETH用マイニングマシンが3月末で対応できなくなりハッシュレートが急低下するという事態が同社の対応により回避されるなど、好材料とも言えなくもないイベントが続いたが、影響は限定的だった。主要通貨の中で先月ベストパフォーマンスだった反動が出た格好か。

XRP:今月のXRP相場は大きく下落も、下落率は主要通貨の中では最も低かった。タイの送金会社が採用を決め、サンタンデール銀がメキシコでの送金にリップルネットを利用するといったポジティブなものもあったが、金融市場の混乱やリップル社のリモートワークの影響か普段の月と比べやや少なめで、一方でXRP絡みの大規模詐欺事件も発生、決して好材料が続いた訳ではない。おそらくは昨年のあまりのパフォーマンスの悪さに、相対的に売り玉が少なくなっていたのかもしれない。一方、ガーリングハウスCEOはこのところ鳴りを潜めていた同社によるXRP売却を肯定するコメントを出した。別の機会に詳述したいが、リップル社によるXRPの売却は、その規模が他のPoW通貨のマイニングなどとそん色のない水準であれば否定されるべきものではないと考える。日経新聞への広告が話題となったが、ビジネスでの実用普及を目指すならば、周辺ソフトの開発だけでなく、それなりの営業やカスタマイズ、PR資金などが必要だ。BCHがマイニング報酬の一部を開発に回そうとしているのも同じ流れで、全てボランティアに頼る体制ではビジネス界では通用しない。いわば同社の売却も含めてのエコシステムだと考えている。

BCH:今月のBCH相場は大きく下落。一時、先月のピークから1/3以下まで反落した。半減期の織り込み後、4割近く下落するのは従来のパターンだが、それ以上の暴落を見せた。但し、その後の反発もあり、ほぼ年初と同様の水準で推移している。注目の半減期は今月8日から9日にかけて。来月半減期を迎えるBTCの予行演習として注目が集まる。

LTC:今月のLTC相場は大きく下落。但し、特有の材料が乏しい中、ほぼBTCに同様の値動きを続けた。一時、運営の資金難が噂されたが、そうでないとしても、活動が停滞している印象は拭えない。


FXcoin Monthly Report 2020.04.01.pdf

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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