仮想通貨(暗号資産)投資で稼ぐ手法9選

2020-04-15 14:00[ 岩壷健太郎

岩壷教授の経済教室 仮想通貨 ビットコイン

岩壷教授の経済教室 第1回

仮想通貨(暗号資産)投資で収益を上げるには、おおよそ9通りの手法があります。
  (1)通貨を安く買って、高く売る
  (2)通貨を購入し値上がりをじっと待つ(ガチホです)
  (3)超短期売買取引
  (4)現物と先物の鞘取り
  (5)市場間裁定取引(アービトラージ)
  (6)ICOおよびIEO
  (7)マイニング
  (8)レンディング
  (9)プログラムトレード

このなかで誰もが知っている手法(1),(2),(3)は別の機会に詳しく解説することにして、ここではあまり知られていない手法を紹介します。

(4)現物と先物の鞘取りとは、現物と先物間の価格差があるときに両建てすることで収益を確保できる手法です。たとえば、今日4月15日時点において、5月15日期日のビットコインの先物価格が75万円で、ビットコインの現物価格が74万円だったとします。5月15日の満期に先物商品は現物価格で清算されるので、その時までに現物と先物の価格は収束し、現物価格と先物価格の価格差がゼロになるのが普通です。そこで、現物のビットコインを74万円で購入し、同時に先物を75万円で売って両建てのポジションを持ちます。期日までに収束すれば、現物は売却し、先物は買い戻すことで1万円の利益を確保できます。収束しなかった場合、現物引き渡し型ビットコイン先物ならば購入した現物を期日に引き渡すことで1万円の利益を上げることが可能ですが、そうでなければ期日において先物価格が現物価格を上回らない限り、現物売り、先物買いの取引で利益を上げることができます。期日においては現物価格と先物価格が同じになる可能性が高いので、理論上は損失を出すことは珍しいでしょう。つまり、先物プレミアムが十分に大きいときを見計らって現物と先物の両建てポジションをとれば、収益を上げることが出来る可能性が高まります。なお、外国為替市場などの伝統的な金融市場とは違って、仮想通貨ではまだ先物市場が十分に発達していません。したがって、思い通りの鞘取りは現時点では難しいかもしれません。仮想通貨市場における先物市場やスワップ市場の発達が待たれるところです。

(5)市場間裁定取引、(6)ICOのいずれも2017年に(仮想通貨業界では)一世を風靡した取引手法ですが、今ではあまり儲かる手法とはいえません。(6)市場間裁定取引とは同じ仮想通貨が複数の市場で異なる価格で売買されているときに、その鞘をとる手法です。しかし、A交換所で安く購入しB交換所で高く売却するにしても、その間に価格は変動していますし、送金にも時間がかかります。価格差が縮小した今日では国内の交換所を使った市場間裁定取引で利益を上げるのは難しくなっています。

(6)ICO(Initial Coin Offering)とはトークンを発行して行う資金調達手段です。大流行した2017年には、ほとんどのトークンが高騰したため投資家が殺到しましたが、多くのプロジェクトが詐欺まがいのものであったため、規制が強化され人気もなくなり徐々に下火になりました。取引所主導で行うIEO(Initial Exchange Offering)が形を変えて2019年に誕生しプチブームを巻き起こしましたが、2020年1月以降、海外取引所のBinanceが日本の規制に準拠することを発表したことで日本人が同取引所を利用できなくなり、IEOに参加することも難しくなっています。

(7)マイニングも儲からなくなってきました。ビットコインのマイニングについては、現在の計算では5月12日か13日に半減期を迎え、マイナーに対する報酬は12.5BTCから6.25BTCに減少します。ビットコイン以外のマイニングにはまだ利益期待があるかもしれませんが、それも価格次第です。

(8)レンディングとは仮想通貨の貸付です。交換所によっては投資家が貸し出す仮想通貨に対し年率数%の金利を付けています。海外ではもっと高い金利を適用する業者もあります。もちろん貸付中にその通貨の売買はできませんが、ガチホ投資家にとっては貸し出しで金利を稼ぐことは大きな収益源になります。一方で、レンディングは交換所に対する信用リスクを取ることになります。つまり、貸出先が破綻(もしくは消滅)した場合、その資金を失うことになります。

(9)プログラムトレードとは自動売買システムを使った取引のことで、最近はbotトレードと呼ばれることもあります。仮想通貨よりもプログラムトレードが進んでいる外国為替証拠金(FX)取引の世界ではそのような自動売買システムのことをEA(エキスパートアドバイザー)ということもありますが、近年個人投資家に浸透しています。手動で行う裁量取引では含み損を損切りできないなど損失の要因になりがちの心理バイアスを解消してくれるのが自動売買システムの利点です。インターネット上で販売されている仮想通貨のプログラムトレードのソフトのなかには詐欺まがいのものもあるので注意が必要ですが、将来的にはプログラムトレードの精度が向上し、シェアが高まっていくものと思われます。(以上はヨーロピアン「ビットコイン・仮想通貨で稼ぐってどうやるの総まとめ(2020年版)」に詳しいです)

近年、仮想通貨市場が効率化してきたことに加えて、規制が厳しくなったことによって、収益を上げることのできる取引手法が限られてきました。仮想通貨投資の黎明期には他人が知らない情報(儲け話)を先に知ることで利益を上げられたのですが、手法が限られてきた現在では美味しい儲け話に乗らないで、地道に投資スキルを磨くことが成功への近道かもしれません。

岩壷健太郎 (いわつぼけんたろう)

岩壷健太郎

神戸大学大学院経済学研究科 教授 早稲田大学政治経済学部卒業、東京大学経済学研究科修士課程修了、UCLA博士課程修了(Ph.D.)。富士総合研究所、一橋大学経済研究所専任講師を経て、2013年より現職。財務省財務総合研究所特別研究官、金融先物取引業協会学術アドバイザー、日本金融学会常任理事を兼務。為替、株式、国債、コモディティの各分野で論文多数。主要著書として、『コモディティ市場のマイクロストラクチャー』など。

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暗号資産交換業者登録一覧 
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  • 暗号資産の取引を行う際には、以下の注意点にご留意ください。

暗号資産を利用する際の注意点
https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency/04.pdf

  • 暗号資産は、日本円やドルなどのように国がその価値を保証している「法定通貨」ではありません。インターネット上でやりとりされる電子データです。
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  • 暗号資産交換業者(※)は金融庁・財務局への登録が必要です。利用する際は登録を受けた事業者か金融庁・財務局のホームページで確認してください。
    (※)暗号資産と法定通貨の交換や、暗号資産同士の交換を行うサービスを提供する事業者、暗号資産の管理を行う事業者など
  • 暗号資産の取引を行う場合、事業者が金融庁・財務局から行政処分を受けているか(※)を含め、取引内容やリスク(価格変動リスク、サイバーセキュリティリスク等)について、利用しようとする事業者から説明を受け、十分に理解するようにしてください。
    (※)金融庁・財務局が行った行政処分については、こちらをご覧ください。 https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency02/index.html
  • 暗号資産交換業者の提供するウォレットで暗号資産を管理する際に、パスワードを設定する場合には、IDと同じものや利用者の名前、電話番号、生年月日等の推測が容易なものを避けるほか、他のウェブサイトと同じID・パスワードの組合せを使用しないなどの対策を講じる必要があります。管理する暗号資産が盗まれるおそれがあります。
  • 暗号資産や詐欺的なコインに関する相談が増えています。暗号資産の持つ話題性を利用したり、暗号資産交換業に関する制度改正に便乗したりする詐欺や悪質商法にご注意ください。

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