2020.4.24【いよいよ動き出したビットコイン、この動きは本物か?】

2020-04-24 19:30[ 松田康生

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Review

レンジブレーク

今週のBTC相場は堅調な展開。先週に続き75万円(7000ドル)を挟んで上下2-3万円幅で推移を続けていたが、週末にレンジを上にブレークすると83万円近くまでの上昇を見せた。3月のコロナショックからの下げ止まりを見せたものの混乱の収束と影響の大きさが見通せない中、方向感を失っていたBTC相場だが、7000ドルのストライクが膨らんだこともありレンジ取引を続けていた。先週のデジタル人民元テスト開始を材料に上昇するもレンジの上限で押し返されると、原油価格がマイナスとなった衝撃もあり73万円台まで値を下げていた。しかし原油価格後混乱が一服、米上院での追加経済対策可決、BTCがデジタルゴールドとなるとのBloombergの報道もあり77万円台に値を戻した。更に雄安スマートシティでのデジタル人民元テストにスタバやマックも参加すると伝わると、じりじりと値を上げ、メルケル首相の大規模景気対策発言もあり83万円近くに急騰した。

Outlook

レンジを上抜けした理由

来週のBTC相場は堅調な展開を予想する。先週は「引き続き底堅いが上値の重い展開」を予想、相場もしばらくレンジを続けた。しかし今週月曜日に「レンジ上抜けが近いと考える理由」として「ルネッサンスの参入や米給付金の流入などは投資家がこうした局面で仮想通貨を再評価する動き」を指摘、水曜日に「金の相関性が米株との相関性を追い抜いた」のは「ここまではリスク資産として米株と相関していたが、これからは金融緩和や財政赤字を嫌気した逃避買いがBTCに集まる」と申し上げた。木曜には「FRBは金を発行出来ない」とのバンカメの金強気予想をもじり供給が半減するビットコインは更に出来ないとし「上抜けは近い」と繰り返した。レンジを上抜けた直接的なきっかけはデジタル人民元テスト開始が大きかったかもしれないが、その背景には経済対策の大盤振る舞いによるインフレ懸念があると考える。

原油価格がマイナスになった

今週のレンジブレークに手間取った一因は原油価格の混乱にある。原油先物の5月限がマイナスを付けたことだが、これはコロナ騒動で在庫が溢れかえった結果、現受けできなくなった業者が最終取引日前に投げに走ったことが原因ということで落ち着いた。しかし20ドル台だった6月限が6ドルまで急落、再び混乱が生じそうなったが、これもロールオーバーにかかる一時的動きで事なきを得ている。但し、戻したといえども6月限は14ドル台で、まだ予断は許さない。

ドルを発行して国民に配っている

上図は米ベースマネーの推移。FRBの無制限QEで1兆ドル増加している。米政府とFRBが協力してドルを発行して国民に配っている状況を示している。これでインフレ懸念でデジタルゴールドが買われない方が不思議だ。

予想レンジ:70万~100万円

Altcoin



上記は先週金曜日17日を1として、主要5通貨のその後の推移を示したもの。3週連続でETHのパフォーマンスの良さが目に付く。この3週間で3割以上上昇、相場全体をけん引している。ただ、これで2月から3月までの下落から半値まで戻ってきた形で、既にBTCが半値戻しを達成していることからすれば、ここまでは「3月のパフォーマンスが飛びぬけて悪かった反動」だったとも言える。

もう一つ、このところ特徴的なのが値動きが激しいETHと穏やかなXRPとの対比だ。即ち、上げ相場ではETHが好パフォーマンスとなり、下げ相場ではXRPが下げ渋るパターンが今年に入って続いている。デリバ市場の拡充やPoSなど材料豊富なことから短期スペック勢がETHに集まり、逆に長期の低パフォーマンスにより、足の速い投資家がXRPから一掃され、ガチホ、真のリップラー中心の市場となっているイメージか。詳しくは別稿で分析したい。

最後に注目したいのが、週後半のBTCの好調さだ。ここ1か月ほどETHとXRPが市場をけん引するケースが目立ち、BTCはやや出遅れ気味だったが、久々にBTCが全体を引っ張っていた。逆にここ2週ほどBCHやLTCが劣後するケースが名に付くが、そうした通貨も買われていけば、うまく循環物色が進む本格的な上昇相場入りできるのではないかと考える。

ETH:今週のETH相場は堅調な展開。材料的にはコンセンシスのリストラなどむしろ売り材料が多かった印象があるが、上記の様に相場をけん引した。テザーの発行によりETHのネットワークが混在しているとの指摘があるが、テザーの発行によるBTCの高騰に影響していないという研究がUCバークレーから出た。一方で、テザーの発行量は史上最高を更新し続けており、BTCやETHの価格上昇に繋がるとの報道もある。

XRP:今週のXRP相場は底堅い展開。eTroがXRPのサポーターの減少と同社利用者の中でXRPの人気が最も高いと報じた。これは上記のように足の速い投資家が抜け、相対的に投機の影響を受け難くなったという見方と整合的だ。今週はヘッドラインが多かったが、大きなところでYoutubeとの訴訟とトヨタなどが進めるMOBIへの加盟、SWELLのバーチャル開催方針などが注目される。詳しくは別稿に譲るが、いずれにも共通するのが、リップル社という運営主体があるからこそ成り立つヘッドラインで、BTCやETH(コンセンサスは例外)では考え難い点だ。同社が言うようにリップル社がなくともXRPは存在しうるが、同社がいることでトヨタやBMWなどビジネス界との提携が可能となる。市場はこのことの意味をあまり理解していないと考えている。

BCH:今週のBCH相場は目立った材料もない中、BTCと連れて動く展開。半減期を通過した後は上値の重い展開が続いている。ただ、急低下したハッシュレートは下げ止まり安定しつつある。

LTC:今週のLTC相場も目立った材料もない中、BTCと連れて動く展開。LTC対応のフューチャー・ドット・トラベル、BTCでライトニングネットワーク決済を開始すると伝えられたが、LTCでもライトニングネットワークを実用されれば、大きなニュースとなるかもしれない。


fxcoin weekly report 2020.04.24.pdf

 

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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