コロナウイルス,現金,そして将来の支払 - BISのレポートより

2020-04-27 16:40[ れんぶらんと

金融リテラシーのお話 仮想通貨 暗号資産



1.コロナウイルスの生存期間は紙幣の上で24時間、クレジットカードなどでは72時間。
2.パンデミックによってデジタル決済のニーズが高まる。
3.今後は実需と投資の両面から仮想通貨いのニーズが高まる。


今月、BIS(*1)が「Covid-19, cash, and the future of payments (コロナウィルス,現金,そして将来の支払)」という興味深いレポートを公表しました。本日のそのレポートを紹介します。

1.コロナウイルスの生存時間からの考察

レポートによるとコロナウイルスは空気中で3時間、紙の上では24時間、プラスチックやステンレスなどの硬い物質の表面では72時間生き続けます。これは現金よりもクレジットカードや、それを操作するPINパッドを介してウイルスに感染する可能性が高いということです。

BISはドイツ公衆衛生研究所の紙幣による感染は深刻ではないとというコメントや、各国中央銀行が現金による感染リスクは低いことをアピールしていることを紹介しています。実際に米国では現金の流通量が増えているようです。





2.パンデミックによって高まるデジタル通貨のニーズ

ここでBISは興味深い考察をしています。それは現金によってコロナウイルスに感染するということが事実であろうとなかろうと、人々や企業の支払行動を変える可能性がある、としています。つまり、今後は非接触の決済手段、つまり電子決済のインフラが拡張する可能性あるということです。ただしこのことは電子決済へのアクセスを持つ者と持たない者の「支払いの格差」を招くとしています。

BISはパンデミックにより中央銀行デジタル通貨(CBDC)のニーズが高まるかもしれないとしています。そしてCBDCは支払いを非接触型として普遍的にアクセス可能なものとすることにより「目前の危機を受けた形で」設計されなければならないとしています。

3.当方の考察

最近、「コロナの後で社会はどう変わるのか」という議論がなされ始めています。その中には(対面からビデオへの)ミーティングのやり方が変わる、それにともないオフィスが変わるなど言われています。金融市場の面では、各国政府の経済対策による財政出動を背景とする過剰流動性相場が始まるとの見方もあります。

そのような環境下、「仮想通貨への注目が高まる」ということもあると考えています。

BISはレポートで「今回のパンデミックにより中央銀行デジタル通貨(CBDC)のニーズが高まるかもしれない」としていますが、同様のことが暗号資産(仮想通貨)にもあてはまると考えています。仮想通貨であればそれを手渡しする必要もなければ、PINパッドで不特定多数の人が触っているボタンを押す必要もありません。そして過剰流動性により行き場を求める資金が仮想通貨相場へと流入してくる可能性も十分にあります。

つまり実需と投資の両方の面から仮想通貨のニーズが高まるとみるのは、必ずしも手前味噌の考え方ではないと思っています。
(添付の図表はBISのレポートより抜粋)

(*1)
BIS(Bank for International Settlements、国際決済銀行)は、1930年に設立された中央銀行をメンバーとする組織で、スイスのバーゼルに本部があります。ドイツの第1次大戦賠償支払に関する事務を取り扱っていたことが行名の由来ですが、それ以外にも、当初から、中央銀行間の協力促進のための場を提供しているほか、中央銀行からの預金の受入れ等の銀行業務も行っています。
BISには、2019年(令和元年)6月末時点で、わが国を含め60か国・地域の中央銀行が加盟しています。日本銀行は、1994年(平成6年)9月以降、理事会のメンバーとなっています。(以上 日本銀行ウェブサイトより抜粋)

れんぶらんと

17世紀に活躍したオランダの画家レンブラント・ファン・レインの作品をこよなく愛する自称アーチスト。 1980年代後半のバブル期に株式および外貨資産投資を始め、いい思いをしてから投資の世界にどっぷりつかっている。

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