2020.5.1 【5月のビットコインはこいのぼりのように上がっていくのか?】

2020-05-01 17:08[ 松田康生

Monthly Report 暗号資産 仮想通貨 ビットコイン ビットコインキャッシュ イーサリアム リップル ライトコイン



Review

レンジブレーク

今月のBTC相場は大きく反発、一時100万円台に乗せ、3月の下落を取り戻した格好。月初は3月の経済指標が見たことが無いレベルにまで悪化し相場の重しとなっていたが、米欧で新型コロナの死者数が減少したとの報道もあり値を上げていた。半減期前にBCHが上昇、連れ高となるが、半減期後に反落するとBTCも値を下げる展開。その後もデジタル人民元のテスト開始の報で上昇するもマイナスの原油先物価格などを嫌気し反落するなど一進一退の展開、結局75万円を中心に上下5万円のレンジでの取引が続いた。デジタル人民元のテストがスタバやマックなども参加する大規模なものと伝わるとレンジをブレーク、80万円台に乗せるが、ドル建ての100日200日移動平均線がある85万円を前に上値を重くしていた。しかし、欧州を中心とした都市封鎖の解除やワクチンや特効薬の開発、XRPの上昇などもあり85万円を抜けると、一気に100万円台までの反発を見せている。

Outlook

4月が陽線なら5月も6月も

4月のBTC相場はアノマリー通り陽線引け。これで4月は8勝2敗と単独で最強付月となった。続く5月6月も強い月で、4月が陽線となった過去7回のうち5回がこの3か月連続での陽線となっている。200日移動平均線や2月の高値115万円と3月の安値45万円の半値戻しを上抜けており、心理的な目途である100万円、1万ドル、そして高値115万円をトライする可能性が高い。

都市封鎖解除の動き

4月前半のレンジを上抜けた要因の一つが新型コロナ騒動に明るい兆しが見えたことだろう。即ち、4月前半は経済指標にしても相場の値動きやイベントにしても見たことのないものが続き、材料難というより消化しきれず方向感を失っていた。これに対し、疫学的な観点はともかく、米欧で都市封鎖が解除され始め、ワクチンや特効薬の開発が進んだことが相場の追い風となったか。


半減期の織り込み相場

上は過去2回のBTCの半減期と今回のBCH、BTCの前後45日の値動きだ。ばらつきはあるが1か月前後前から半減期に向けてじりじりと上昇している。半減期はBTCの供給、すなわち売り圧力が半減するので潜在的な買い材料となるが、1-2月の上昇は不発に終わった。今回はそれを織り込みに行っているのかもしれない。財政ファイナンスによる逃避需要もあり、一段の上値追いが見込まれる。

予想レンジ:80万円~120万円

Topic

リーマンショック後のNYダウと金価格に学ぶ、コロナショック後のビットコイン相場
仮想通貨相場は引き続き米株を中心とした世界の金融市場に影響を受けやすい展開が続いている。BTC相場と米株(S&P500)との相関係数は3月半ばから0.9台で高止まりしている。しかし足元ではBTCと金との相関が上昇、金との相関係数に迫らんとしている。BTCが株との相関を続けるのか、金との相関を続けるのか、株式市場に足を引っ張られて2番底を確かめに行くのか、金融緩和と財政赤字を嫌気した逃避需要で高値を目指すのか、今週の半値戻しを前にした揉み合いは、この相反するベクトルの力が綱引きし合っていることを示している。BTC相場はターニングポイントを迎えている。
ビットコインキャッシュの半減期、迫る。ビットコインの半減期との違いは?
半減期まで1週間を切ったBCHでは、従来の主力だったAntminer S9では電気代が5-7円KWhでなんとかコストスレスレの状況で、このまま報酬が半分になればS9勢は一斉にマイニングを停止する恐れがあるし、一時的にまだ半減期を迎えていないBTCにシフトする可能性もある。しかし、BTCと異なりBCHはブロック生成と同じ10分毎に難易度を調整している結果、市場価格に応じてHash RateとDifficultyが柔軟に調整している。BCHの半減期は比較的スムースにHash RateとDifficultyの調整が進んで上手く乗り切り、その後は売り圧力の低下を織り込んでいくというのがメインシナリオだが、Hash Rateの急低下により市場が混乱する可能性もゼロではない。
速報:半減期前にビットコインキャッシュが急騰、これからどうなる?
BCHが半減期まであと半日というタイミングで急騰を見せ、本日の仮想通貨相場の戻しを主導している。今回の上昇はおそらくは半減期を意識した先行買いと思われる。これには先例があって昨年8月の半減期に際してLTCは半日前から上昇、2-3時間前から急騰している。もしLTCの様に期待先行で先回りした買いが入っているならば、半減期後に反落する可能性があるので要注意だ。
保存版:ビットコインキャッシュ半減期で何が起こった?
4月8日の日本時間の午後9時20分頃、BCHの半減期が到来した。次のブロックが採掘まで1時間半近く要した後は、順調に難易度もハッシュレートも低下を始めたが、報酬が半分になったのだから、半分で下げ止まれば丁度良い計算になるが、BCHのハッシュレートは8割程度減少、その後、持ち直すという荒っぽい調整が観測された。BTCとのハッシュレートのシフトがオーバーシュートするからだ。BTCの半減期は①半減期直前にやはり若干の期待買いが出る可能性があるが、そうした買いは売りに転じやすい②BTCの場合、BCHのハッシュレートを急騰させる可能性があり、それ故、BCHのマイニングコストの上昇と報酬半減による収入減との兼ね合いが問題となる③最初の難易度調整まで不安定な値動きになりやすいと予想される。
ビットコインと金の相関性が米株との相関性を追い抜いた
弊社は仮想通貨は基本的にリスク資産で分散投資の一部として株などと似た動きをするが、法定通貨に対しては逃避資産としての性格を見せると主張してきた。今回のコロナ騒動でいえば、株式市場が暴落する時は一緒に落ちていくが、その後に金融緩和や財政赤字が膨らむ過程で逃避需要が出て上昇していくイメージだ。今週に入って金との相関係数が米株との相関係数を追い抜いている。これは、弊社のシナリオ通り、ここまではリスク資産として米株と相関していたが、これからは金融緩和や財政赤字を嫌気した逃避買いがBTCに集まるのではないかと考えている。米国で1200ドルの緊急給付を受けて、コインベースへ1200ドルの入金が急増したという。これは裕福な層が余剰資金を投資に回しているというだけでなく、中銀がドル紙幣を印刷して国民にお金を配るというオぺレーションにインフレの恐怖を感じた人が出てきている証左だと考えている。
速報:リップル(XRP)急騰、20セント突破。本格上昇に繋がるか?
本日18時半頃、XRP価格が上昇、レジスタンスになっていた20セント(21.3~5円)を突破、4月7日の月間高値も更新、このところの仮想通貨相場全体が上昇する中、20セントのレジスタンスに上値を抑えられていたXRPは出遅れており、先行していたETHやBTCにXRPが追いついた形か。こうした循環物色は昨年4-6月の強気相場で幾度となく見られたパターンで今後の相場展開に期待を持てる展開だ。

Altcoin


上記は主要5通貨の4月のパフォーマンスだ。まずETHの好パフォーマンが目立つ。Weeklyなどでたびたび指摘しているように、アルトコインの2大関とも言えるETHとXRPの値動きの違いが目立ってきている。即ち先物など市場が整備されてきたETHには投機資金が入りやすくなり値動きは大きくなり、一方で昨年の低パフォーマンスで短期筋が手を引いたXRPは相対的にガチホ勢の割合が大きくなり値動きが鈍くなったというものだ。これを10日間のヒストリカルボラティリティーで見ると(DATA:Bloomberg)ETHは昨年1年間が75だったものが4月は76に上昇、一方でXRPは昨年65だったものが4月は60に低下している。そう考えると、ETHの値動きが荒くなったとまでは言い難いが、XRPの値動きが穏やかになったことは言えそうだ。国際送金での実用を目指すXRPにとっては悪くはない現象なのかもしれない。
各通貨の値動きに目を向けると、月半ばまではETHが相場をけん引していたが、後半になってXRPが上昇を先導、最後にBTCが急騰、暗号資産(仮想通貨)相場は全面高となった。XRPは20セント、BTCは8000ドルというレジスタンスをブレークした結果、急伸したものだが、こうした循環物色的に日替わりでけん引役が出現する展開は昨年の4-6月の上昇相場に類似しており本格的上昇相場到来の兆しと考えている。

ETH:今月のETH相場は大きく上昇。15000円近辺から25000円近くまで6割以上の上昇を見せた。特に月前半は目立った材料もない中、暗号資産(仮想通貨)相場全体の上昇をけん引、コンセンシスのリストラ報道で売られる局面も見られたが、ETH2.0のテストネットローンチもあり再び騰勢を見せている。そうした中、特筆すべきはテザーによるトラフィックの増加で、テザー発行におけるETHの割合が増え、更にテザー自体の発行も過去最高を更新し続ける中、送金量はBTCと並ぶとの報道も見られた。

XRP:今月のXRP相場は堅調な展開。メキシコの交換所BitsoでODL関連でXRP取引額が最高を記録、また米海軍がリップルのブロックチェーンと互換性のあるマイクロチップ開発との報もあり、一時20セントを回復したが、モルガンクリークCEOがXRPは中央集権としてファンドに組み入れないとし、また狙ったGiveAway詐欺の蔓延なども嫌気されてか20セントを下回って推移した。しかしリップル社がXRP関連詐欺での無作為でYouTubeを提訴、トヨタやBMW参加する車へのブロックチェーン応用を探るMOBIへ加盟なども好感され切り返すと、SBIの決算説明でリップルネットへの大企業の参入提案などが示されたこともあり20セントを上抜け、円貨で25円近くまで上昇していた。YouTubeの提訴・MOBIへの参画と全く異なる事象だが、リップル社という運営主体が存在しているからこそ成しえた訳で、大企業の参画も同様だ。ビジネスの世界での応用を考えるのであれば、意思決定やカスタマイズn何よりも信用の観点で運営主体が必要と考える。

BCH:今月のBCH相場は上に行って来いの展開。8日の半減期を前に上昇、しかし半減期前に反落を始める。半減期後の2番目のブロック生成に時間を要したが、順調にハッシュレートと難易度が調整していくと思われたが、報酬減に相当する半分まで低下しても下げ止まらず、ついにはピークから8割減の水準まで低下した。おそらくはBTCに流れたものと思われる。その後もハッシュレートは荒っぽい上下を繰り返しながら、徐々にこなれてくるとBCH相場も安定、BTCに連れて上下する展開となった。

LTC:今月のLTC相場は堅調な推移。1か月を通して目立った材料も見られず、資金難が噂される運営の活動があまり見えない。同じく決済需要を目指したXRPとの対比が象徴的だ。


FXcoin Monthly Report 2020.05.01.pdf

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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