2020.5.1【GW中のビットコインは6年連続上昇中。今年はどうなる?】

2020-05-01 22:17[ 松田康生

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Review

100万円到達

今週のBTC相場は大きく上昇、一時100万円台まで急騰し3月の下落を取り戻した。月初からの75万円(7000ドル)を挟んで上下5万円幅のレンジをブレークし、80万円台(7500ドル)で始まったBTC相場だったが今度は100日200日移動平均線が横たわる85万円(8000ドル)を前に上値を重くしていた。コンテ伊首相が5月4日からの都市封鎖解除を表明、仏西も続くとされ、更にBloombergが新型ワクチンの年内接種可能性を報じるなど新型コロナ問題に明るさが見えてくると株式相場の2番底への懸念も後退、BTCにも上昇圧力がかっていた。そうした中、BitMEXが日本居住者へのサービス提供を停止、ショートポジションの巻き戻しが始まると8000ドル上抜け、大口のテザー発行や新型コロナ対策で臨床試験が良好だったとの報道もあり上げ足を速めると、CME先物で3月9日に付けた窓埋めに成功、100万円に達したところで達成感が出て90万円台に反落している。

Outlook

本格上昇相場到来

来週のBTC相場は底堅い堅調な展開を予想する。先週は「FRBの無制限QEで(ベースマネーが)1兆ドル増加」「米政府とFRBが協力してドルを発行して国民に配っている状況」で「インフレ懸念でデジタルゴールドが買われない方が不思議」と申し上げた。4月のレンジ相場は、そうした逃避需要と株価の先行き不安とのせめぎ合いの結果生じていたと考えていたが、ここにきてBTCとの相関性で金が米株を上回り、更に米欧から都市封鎖解除・経済再開の動きが見られ始め、株の先行きにも明るさが見えてきた。いつ値が飛んでも不思議は無かったのだが、8000ドル(85万円)水準に100日と200日移動平均線が重なって横たわり、相場に蓋をしていたが、BitMEXの日本人居住へのサービス停止によるショートの巻き戻しをきっかけに100万円まで値を吹いた訳だ。

日本人主導?

今回のブレークには日本人投資家が関係していると考えている。直接の証拠はないのだが、まず日本人に人気のXRPが動き始めたこと、100万円で達成感が出たことなど状況証拠は揃っている。BitMEXの巻き戻しも日本人による出金ラッシュで送金遅延まで引き起こしている。なぜBitMEXが日本人を締め出したかと言えば、5月1日から改正金商法が施行され、証拠金取引が規制されるからだ。この日本人のマインド回復は既視感がある。昨年4月から6月の強気相場のきっかけは3月の金商法改正等の成立だった。

懐疑の中で相場は育つ

上図は4月27日から5月7日までのGWのBTC相場。6年連続で上昇している。今回は4月27日から10%以上上昇しているので、GW中の上値余地は限定的かもしれない。しかし、俄かに下値警戒をする声が聞かれているが、「懐疑の中で相場は育つ」ので、そうした向きが強気に転じるまでは、強気相場は続くと考えている。

予想レンジ:80万~115万円

Altcoin



上記は先週金曜日24日を1として、主要5通貨のその後の推移を示したもの。今回はこれと言って抜きんでたパフォーマンスを見せた通貨はないが、よく見ると4月25日のETH、28日のXRP,そして29日のBTCと日替わりで相場のけん引役が交代しており、まさに先週予想した「うまく循環物色が進む本格的な上昇相場入り」に成功した。即ち上値の軽いETHが先に相場をけん引、次に20セントのレジスタンスに抑えられていたXRPがレンジブレークし、続いてBTCが8000ドルをブレークする、そうやって全体的に相場を押し上げていく様子も昨年4-6月の相場に相似している。

ETH:今週のETH相場は堅調な展開。BitMEXがETH先物を5月5日から提供開始することやETH2.0のステーキング報酬の計算ツールが公開されたことなども好感されてか土曜日に独歩高となると、その後は底堅く推移、XRPやBTCに上昇に連れ高となり25000円近くまでの上昇を見せた。

ETHに関して別の意味で注目されているのがETHベースのテザーの発行だ。テザーの中でETHのシェアが上昇、加えてテザーの発行残高が過去最高を記録する中、BTCと送金水準が並ぶといった報道も見られた。今回の急騰局面でも大口のテザー発行が相場上昇に関係しているとの指摘も見られた。以前からテザー発行によるBTC価格操作といった話が出るが、テザーの発行によるBTCの高騰に影響していないという研究がUCバークレーから出ていた。テザーが発行されるということは多くの場合、新規の資金流入を示し、高い可能性でBTCの買いにつながる。通常の市場では大口の手口は極秘に進められるが、透明性の高いこの市場では先に公にされてしまう仕組みになっているということだと考える。また1日7兆円もの出来高ある相場で170億円の買いに拘り過ぎると全体を見失いかねないと考えている。

XRP:今週のXRP相場は堅調な展開。20セントが上値を抑えていたXRP相場だったが、SBIの決算発表でリップルネットに大手商社などに開放しグローバル企業のグループ内決済にXRPを活用させればいいと次回取締役会で提案するとし、また弊社FXcoinも含めてSWAP市場を創設したいとしたことなどもあり上抜けすると、翌日のBTCの上昇もあり25円台まで上昇した。その後、22円台まで反落したが、今朝がた発表されたリップル社の第1四半期レポートでXRP売却額が機関投資家向けが前期比87%減、市場売却は前期と同様、ゼロで、更にODLでの送金量が前期比3倍増だったことも好感されたか、23円台まで値を戻している。市場は後者に評価しているが、XRP売却見送りはマイナー報酬がゼロになるのに近く、もう少し買われても不思議は無い。

BCH:今週のBCH相場は目立った材料もない中、BTCと連れて動く展開。半減期を通過した後は上値の重い展開が続いている。Bitmain社を巡りネガティブなヘッドラインが続いたが、影響は限定的だった。

LTC:今週のLTC相場も目立った材料もない中、BTCと連れて動く展開。LTC財団が寄付者に対し感謝のツィートを見せたが、むしろ資金難を強調する格好になったか。同じ決済利用を目指しているが、XRPとの運営体制の差が出た格好か。



fxcoin weekly report 2020.05.01.pdf

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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