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2020.5.8【今年最大の材料、半減期到来。ビットコイン相場はどうなる?】

2020-05-08 18:45[ 松田康生

Weekly Report 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン リップル イーサリアム ライトコイン ビットコインキャッシュ



Review

1万ドル到達

今週のBTC相場は大きく上昇、95万円(9000ドル)から上下5万円のレンジを上抜けると一時107万円(1万ドル)台と2月24日以来の高値を回復した。BitMEXの日本居住者取引停止によるショートの巻き戻しもあり100万円台に乗せたBTC相場だが、この水準で達成感が出ると、同交換所からの引出しの影響か送金遅延の発生もあり金曜には90万円台まで値を下げていた。米FDAの新型コロナ治療薬承認や送金遅延の解消もあり98万円まで値を戻すも反落、CMEのBTC先物の穴埋めもあり91万円台まで値を下げたが、中国銀行の元総裁のデジタル人民元のローンチ間近発言などもあり上昇に転じると、再び100万円トライを始めた。あと数日に迫った半減期前の上昇も意識され底堅く推移するも100万円を抜けずにいたが、米先物金利が急落、年内マイナス金利入りを織り込み、米株・金価格が上昇、100万円を突破すると、一時107万円(1万ドル)台に乗せている。

Outlook

GW明けにレンジブレーク

来週のBTC相場は上に行って来いの展開か。先週はGW中は「6年連続で上昇」しているが「今回は4月27日から10%以上上昇しているので、GW中の上値余地は限定的」だが「俄かに下値警戒をする声が聞かれているが、「懐疑の中で相場は育つ」ので、そうした向きが強気に転じるまでは、強気相場は続く」と底堅い展開を予想した。結果は連休中はレンジ取引だったが、連休明けにレンジを上抜け、ほぼ想定通りの展開となった。

地合いの良い中で迎える半減期

来週の注目の半減期については別稿で「前日の11日頃からBTCが上昇、半減期の数時間前から下落が始まり、20日頃まで冴えない相場が続く。難易度調整後、スムースなブロック形成とハッシュレートの反発を確認して、再び相場は反騰を始める」と申し上げた。詳しくはそちらをご覧いただきたいが、既にフライング気味に1万ドルまで上昇しているので全体が若干前倒しになっているイメージで、これだけ地合いが良いので半減期後の反落も小幅で終われるか。この地合いの良さの一因は新型コロナの治療薬の開発や行動制限の緩和など経済再開の動きから株式市場の2番底を回避だ。上はリーマンショック時とコロナショック時の米株のボラティリティ、VIX(恐怖)指数の推移だが、リーマン時と比べて早期に収束に向かっている姿が伺える。

マイナス金利を織り込み始める

上図は米政策金利であるFF先物12月限だ。これが昨晩100を超え、米株・金共に上昇、BTC100万円突破のきっかけになった。100を超えるということはマイナス金利となると市場が予想していることを示している。ルネサンスに続きチューダーといった大手ヘッジファンドが参入してくるのも背景は同じで、投資家は財政拡大と金融緩和によるインフレに対する備えを考え始めている。

予想レンジ:90万~120万円

Altcoin


上記は先週金曜日1日を1として、主要5通貨のその後の推移を示したもの。今回、特徴的なのはBTCの好パフォーマンスだ。アルトコインが週を通してなんとか横ばい推移だったのに対し、BTCは1割以上上昇している。この結果、暗号資産(仮想通貨)の時価総額に占めるBTCの割合(ドミナンツ)は67%と年初の水準に回復している。昨年4月からの上昇相場でもBTCのドミナンツは上昇しており、相場全体からすれば良い傾向と言えるかもしれない。昨年はまずBTCが独歩高となり、その後、アルトコインが循環物色気味に買われて強気相場に持続性を持たせた。昨日の上昇もBTCが先に100万円を突破、しばらくしてアルトコインが続く展開となっていたが、BTC主導でないとやはり本格的な強気相場となりにくい。

ただ、もう一つの可能性として、半減期の影響が挙げられる。長い目で見た半減期の影響は別として、ここまで間近に迫ると、半減期当日にLTC・BCHが1割上昇したことが意識される。一歩先んじようとする参加者の行動から、既にその買いが出た結果、他アルトコインより1割強のパフォーマンスを見せた可能性もある。まだ予定の12日まで時間があり上値余地はあると考えるが、サブシナリオとして半減期前後の急落には注意が必要だ。

ETH:今週のETH相場は横ばい圏での取引。創始者Vブテリン氏がETH2.0後は年間発行量が470万ETHから10~200万ETHに減少するとした。半減期と並ぶ大きな材料のはずだが、市場の反応は限定的だった。また、BitMEXはレポートでPoSへの移行はステーキングに参加するためにETHがロックされ供給量が減るため一時的にETH価格の上昇要因とするも買いにはつながらず、ほぼ横ばい圏での取引が続いている。

XRP:今週のXRP相場は動意の薄い展開、スイスで銀行と暗号資産の交換所をを営むシグナム銀行がXRPの取扱を開始、リップル社、ISO20022国際規格に参画するなど買い材料が散見されるも相場の上昇には繋がらなかった。特に後者は、金融通信メッセージの国際規格であるISO 20022にブロックチェーン企業として初めて加わったもので、先週のMOBI参加と同様、リップル社とXRPがビジネス界で認知され始めていることを示した形で、ライバルとなる他の送金トークンと決定的な差をつけ始めていることを示している。一方で4月に共同創始者ジェド・マケーレブ氏が12億円分のXRPを売却したと伝えられた。売却用のウォレットの残高からもう1か月強売却は続きそうだ。同氏は更に大量のXRPを保有、相場の重しとなっているが、1日の売却金額は軽微であり、こうしていついくら売ったのか透明化が進めば、相場が織り込んでいき耐性が出来ていくと考える。

BCH:今週のBCH相場は目立った材料もない中、動意の薄い展開。概ね27000円から上下1000円の範囲での取引が続いている。BTCのハッシュレートの2割が採算が厳しくなっているBitmain社のAntminer S9を使用しているとされ、来週の半減期前後でBCHに一時シフトされるとの見方もあるが、今のところそうした動きは見られていない。

LTC:今週のLTC相場も動意の薄い展開。匿名機能ウィンブル・ミンブルの実装で進展があったとの報告があったが、相場への影響は限定的。アルトの開発で途中経過だけでは材料として厳しいか。


fxcoin weekly report 2020.05.08.pdf

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マイナス金利を織り込み始める

上図は米政策金利であるFF先物12月限だ。これが昨晩100を超え、米株・金共に上昇、BTC100万円突破のきっかけになった。100を超えるということはマイナス金利となると市場が予想していることを示している。ルネッサンスに続きチューダーといった大手ヘッジファンドが参入してくるのも背景は同じで、投資家は財政拡大と金融緩和によるインフレに対する備えを考え始めている。

予想レンジ:90万~115万円

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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