2020.6.1【梅雨空をはねのけ6月のビットコインは3連騰なるか?】

2020-06-01 22:55[ 松田康生

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Review

1万ドルが遠い

今月のBTC相場は高値圏でのもみ合い。半減期前に1万ドルにワンタッチするも反落、その後も何度かトライするも届かずにいるが、下値も徐々に切りあがり、上値は重いが底堅いレンジ取引に終始した。デジタル人民元ローンチ間近といった報道や米マイナス金利観測もあり半減期前に1万ドル(107万円)にワンタッチしたBTCだがハッシュレートの低下もあり90万円割れまで急落。半減期を無事通過したことやマーケットの魔術師チューダー氏のBTC先物参入なども上昇に転じると再び1万ドルをトライした。しかしハッシュレートが低下を始め過去8回しか発生していない1日100ブロック割れを記録したこともあり下落を始めると、2009年に採掘されたブロックが移動されサトシが売りに動いたとの噂が広がった。しかしそうした恐れが杞憂に終わると反転上昇、香港版国家安全法を巡る米中対立激化やハッシュレートの回復もあり、再び上値トライを始めている。

Outlook

4-5月が2連騰なら3連騰

5月のBTC相場はアノマリー通り陽線引け。これで5月は7勝3敗と強さを見せたが、続く6月は7勝2敗と4月に次ぐ強さを見せており、4月5月と陽線が続いた過去5回はいずれも6月も陽線となっており、アノマリー的には非常に強い。その発射台は9500ドル近辺で、1万ドルを抜けるのは時間の問題と考える理由の一つだ。

昨年5-6月に酷似

テザー問題やBinanceのハッキングといった売り材料をこなし、米中貿易戦争や米欧金融緩和からの逃避需要から急騰した昨年5-6月のBTC相場と、サトシ騒動や半減期後の反落といった売り材料をこなし、米中対立や世界同時金融緩和を嫌気した足元の状況は非常に似てきている。更に、ルネサンステクノロジーやポールチューダーなど大手ヘッジファンドの参戦は機関投資家の参入による価格上昇の序章が始まっている印象さえで受ける。

人民元安が決め手

上はBTCUSDとドル人民元相場。昨年4-6月は両者が順相関、人民元安が進むと逃避フローからBTC買いが見られた。背景として米中貿易摩擦の激化と香港情勢の悪化が挙げられた。ここ数日、香港版国家安全法に対する米国の出方を伺っているのか人民元は少し値を戻しているが、米国の中国人留学生締め出しに対抗し中国は米国からの農産物輸入を一部停止した模様。今後、こうした報復がエスカレートし、人民元安が加速するようなら、1万ドル上抜けも近いと考える。

予想レンジ:90万円~140万円

Topic
半減期直前ガイド~その時、ビットコイン相場はどうなる?
今年最大のイベントであるBTCの半減期まで1週間を切ったが、何が起こるのか、今から頭の体操をしておくことが有益だ。LTCやBCHの半減期前後の値動きから予想すると、期待先行で1日前くらいから買いが集まり、しかし利食いも早く半減期の数時間、場合によっては半日前くらいか反落が始まる。BCHの際のハッシュレートの推移に注目すれば、半減期前日の11日頃からBTCが上昇、半減期の数時間前から下落が始まり、20日頃まで冴えない相場が続く。難易度調整後、スムースなブロック形成とハッシュレートの反発を確認して、再び相場は反騰を始める。やってみなういとわからないが、こうしたメインシナリオを持ったうえで相場に対峙すれば、その時々にどんな突発的で想定外のことが起こったのか、いや実は想定内のイベントなのか、冷静に対処できる。
ビットコインが暴落しても強気な理由。大手ヘッジファンドが参入する意味。
4月にヘッジファンドで世界第2位のルネッサンス・テクノロジー(運用資産1100億ドル)がBTC先物に参入するとして話題になった。また伝説の投資家、Bloombergはポール・チューダーが220億ドルを運用するチューダー・BVIファンドで1ケタ台前半をBTC先物に投資する可能性を示唆した。BTC投資額ではグレイスケールの方が大きいかもしれないが、グッド・ネームであるチューダーの参入はそれだけでもBTC投資の認知度を上げる。更にチューダーは自分は暗号資産(仮想通貨)ファンではないが、グレート・マネタリー・インフレのヘッジとしてBTCにベットしたいと述べている。弊社が主張してきた考えだが、マーケットの魔術師チューダーが言えば浸透力が異なるだろう。
ビットコインの上値が重い理由:ハッシュレートの低下は大丈夫なの?
価格によってハッシュレートの水準が決まる関係にあるとする弊社の考えでは、半減期で報酬が半分になるとハッシュレートも半分になるのは自然な流れ。しかし、半減期前の採掘難易度のままで、報酬が半分になった結果、採算が合わなくなったマイナーが去り、ハッシュレートが低下、ブロック生成が遅延、これを嫌気して価格が低下、更にコストが厳しくなりマイナーが去り続け、最終的に誰もいなくなる、、、現実味があるかどうかは別として半減期に際してはこうしたリスクが意識されるので、ハッシュレートの低下に市場が反応しやすい。マイニング機種が更新されるにつけ、コストは改善され、マイナーがいなくなるという不安は後退、このハッシュレートの低下とそれによる上値の重さは徐々に解消されていくと考える。
それでもビットコイン相場に強気な理由~昨年の上昇相場との類似性
昨年5月前半の上昇相場を引っ張った大きな要因は、まずテザーの裏付け不足・Binanceのハッキングという大きな売り材料をこなしたこと、そして米中貿易戦争の勃発(再発)により人民元安が進み、中国本土からの資本逃避がBTCにも流れた。次に5月半ばから上値を重くした理由は、今から振り返ってみると明白だ。NHK、TV東京、米CBS、CNBCと主だった経済チャンネルが一斉にBTC上昇を報道し始めた。6月に入ってから再び騰勢を増した背景はFRBやECBの方向転換と香港情勢が悪だった。大きな売り材料をこなし、米中対立が激化、香港情勢も急速に悪化、FRBは無制限金融緩和に踏み切った。大手HFルネサンスに続き、レジェンド・ポール・チューダー・ジョーンズがBTCをポートに組み入れ、CMEのBTC先物建玉が過去最高を記録するなど機関投資家の参入が始まりつつある現状は、昨年5-6月の状況に似てきている。
なぜ次回難易度調整が注目なのか?半減期後のビットコイン、上値重さの理由
BTC相場の上値の重さの背景にハッシュレートの低迷が指摘される。マイナーが採算に合わなくなるから計算量が減って、承認遅延や手数料高騰を招き、それを嫌気して価格が下がる。価格が下がると、さらに採算が悪くなって、マイニングしなくなって、承認もされないし、手数料も上がる。これを繰り返すと、最終的にマイナーがいなくなる、、、これが半減期における最大のリスク。今回はそこまでいかなくとも、承認遅延と手数料高騰が嫌気され上値を重くしているが、初回の調整で改善傾向が見られたので、次回調整で正常化すると予想している。

Altcoin


上記は主要5通貨の5月のパフォーマンスだ。まずBTCの好パフォーマンが目立つ。半減期前から独歩高となり市場全体の時価総額に占めるドミナンツが一時7割近くまで上昇した。続いてETHの好調さも目立ち、最終週に急伸、月次のBTCのパフォーマンスを追い越している。テザーの発行増によりガス代が高騰、有用性を示したことに加え、グレイスケールのETHファンドが急成長を見せるなど、BTCプラス・ワンとして投資家の人気を集めている様子が伺える。こうした動きも昨年5-6月に見られた値動きだ。

一方でXRPの上値の重さが目立っている。実は5月に関して言えば、有用性や好材料の多さではETHよりXRPが圧倒していたと考える。リップル社の市場売却見送り、ISO加盟、WordPressとの提携、米当局の言及、そして米メキシコ間の本国送金の10%をODLが占めたといった報道だ。にも拘らず、ETHに大きく水をあけられたの要因の一つとしてXRPBTCでのテクニカルの悪さが指摘される。即ち重要なサポートレベルである0.000022-23を下にブレーク、サポートがレジスタンスとして上値を重くしている。

ETH:今月のETH相場は堅調な展開。22000円台で始まるも月初は半減期を控えたBTCの買いについていけず、下落局面だけは同時安となり20000円台に下落。VISAのデジタル法定通貨特許報道でETHとの提携が示唆されたことなどもあり下げ止まると、テザーの発行増でガス代が高騰、Devcon2021年のコロンビア開催が発表、更にERC20トークンのMKRの急騰などもあり26000円台までの上昇を見せている。

XRP:今月のXRP相場は上値の重い展開。上記のように買い材料が続いたが、対BTCでのテクニカル的な上値の重さもあり概ね19-21セント(20-22円)でのレンジ取引に終始した。一方で暗号資産(仮想通貨)の決済利用で有望な分野として国際送金とネット上のマイクロペイメント、各種トークンなどの交換媒介などが挙げられるが、XRPは送金面でODLでトップを走るだけでなく、WordPressとの接続によりサイト上の支払でも主導的立場を取得、一部の交換所ではXRP機軸での取引の合理性が認められ始めている。ビジネス界にも徐々に浸透を始めており、仮に暗号資産(仮想通貨)の価値が有用性にあるのであれば、XRPの本領はこれから発揮されるのではないかと考えている。

BCH:今月のBCH相場は上値の重い展開。BTCの半減期直後にはハッシュレートが急上昇する局面も見られたが、価格への影響は限定的。5月15日のハードフォークも無事通過したが、殆ど注目されることはなかった。大口サポーターであるBitmain社に関しては内部紛争や米議会による中国企業上場制限など逆風と新型マシンS19シリーズの稼働、ロジャー・バー氏にはBitcoin.orgの買収観測などのヘッドラインが見られたが、概ね26000円前後での取引に終始した。

LTC:今月のLTC相場は下に行ってこいの展開。月初に匿名機能実装に向けた開発が進展、また月央にパックマンで有名なアタリとの提携が報じられたが反応は限定的。月末にかけてハッシュレートが上昇したこともあり、BTCやETHの上昇に連れ高となり、月初の下げを取り返している。



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松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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