2020.6.5【1万ドル越えは騙しではない?来週のビットコインはどうなる?】

2020-06-05 17:21[ 松田康生

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Review

1万ドルにワンタッチ

今週のBTC相場は底堅い展開。半減期後のレンジの上限をブレーク、一時1万ドル台に乗せるも、その後反落。しかし100万円台を一度も切ることはなく底堅さを見せている。Deribitのオプション期日やCMEの5月限SQで半減期に向けたマイナーのヘッジが縮小、相場の重石のひとつが取れたものの、もう一つの重石である低迷するハッシュレートを見ながら上がり切れずにいた。週明けに中国が米国からの一部農産物輸入を停止、人民元安に振れると再び上値トライが始まり、1万ドルを突破するとショートカバーを巻き込み110万円台まで上昇した。しかしハッシュレートがピークアウトすると1万ドルを維持できず、今度は101万円まで急落を見せた。人民元安は一服したが、今度はエマージング通貨が買い戻され、株が連騰するなどリスクオンの流れの中、BTCにも上昇圧力がかかると、ECBの追加緩和やハッシュレートの回復、難易度調整などもあって1万ドルに肉薄している。

Outlook

半減期後の混乱は収束したか

来週のBTC相場は堅調な展開を予想する。先週は9000ドルのストライク、CMEの先物など相場を重くしていたマイナーのヘッジが軽くなり、またハッシュレートの低迷も難易度調整前後で解消「いよいよ1万ドル上抜けに向け環境は整っ」たと申し上げた。その通りの展開で1万ドル突破したが、今ひとつさえない展開が続いている。一つは週前半はハッシュレートが低迷していたこと。下は2012年、2016年と今回の半減期前後のハッシュレートの推移。いずれも半減期後はハッシュレートが低下している。2012年は2か月ほど、2016年は1か月ほどそうした低迷が続いたが、その後は回復基調に戻っている。今回も2度の難易度調整を経て回復基調にあり、また新型のマイニングマシンが投入され一部マイナーの採算は向上していると予想される。半減期後の混乱はほぼ収束したと考えている。

リスクオンとマネー・プリンティング

もう一つは米中対立による人民元安からの資本逃避フローというシナリオが崩れたことだ。米中対立の行方はまだ不透明だが、国内問題で米国は手一杯となり、またそうした米国を刺激しないためか人民元安もなりを潜めている。更に、好調な株式市場を背景に市場はリスクオンムードが広がり、エマージング通貨も軒並み買い戻された。更に欧州ではEU共通債発行を渋っていたドイツが賛同、結束が強化され共通政府へ向け一歩踏み出したとされる。下は米株のボラティリティを示すいわゆる恐怖指数を2008年と2020年とを比較してみた。2020年は危険水域の30を足元で割り込んできており、市場マインドの回復が進んでいる様子が伺える。Bloombergは政府のマネー・プリンティングでBTCは年内2万ドルに達するとの見通しを示したが、同様の見方が今後増えていくと思われ、1万ドルは通過点に過ぎないと考える。

予想レンジ:100万~130万円

Altcoin



上記は先週金曜日29日を1として、主要5通貨のその後の推移を示したもの。引き続きETHのパフォーマンスの良さが目立つ。これで3週続けてETHがベストパフォーマーとなっている。一方、BTCとXRPが劣後するという状況も先週・先々週と同様。1万ドル、21セントといったレジスタンスに跳ね返されている両通貨との違いが鮮明に先週と先週、低パフォーマンスだった。

もう一つ変わっていないのはテザーの発行増とそれに伴うETHのトラフィックの混雑だ。先週、テザーがOMGネットワークをETHチェーンのセカンドレイヤーとして利用し、手数料や取引時間を短縮するとした。またBloombergはレポートでテザーの時価総額がETHを抜くのは時間の問題とした。確かに中国では個人が年間に購入できる外貨の上限は5万ドルだが、テザーを購入できればその上限以上の購入が可能となり人民元安による資産の目減りを防ぐことができる。そうした中、ETHのブロックサイズ引き上げの議論が出ていることは興味深い。即ち、このままテザーが成長した場合、どうやって処理能力を担保するのか問題になりつつある。

ETH:今週のETH相場は堅調な展開。ERC20トークンであるMKRがCoinbase取扱開始で急騰、更に調査会社メサーリがETHがデジタルゴールドの一翼を担うと価値が490倍になる可能性があるとしたことも重なりETHが上昇、暗号資産(仮想通貨)市場全体をけん引した。さらにBTCの1万ドル乗せもあり27000円台まで値を伸ばすが、BTCの急落につれ安。しかし、そこからじりじり値を戻している。

XRP:今週のXRP相場は底堅い展開。カリフォルニアでの2つの裁判が1つに統合、リップル社としては手間が省けた格好。更に、送金大手Western UnionがODL利用中のマネーグラムを買収報道やリップル社CEOのブラジル中銀総裁との会合など大きめのニュースがあったが、相場全体の地合いの良さから値を上げているものの、材料ほどには上がっていない印象。

BCH:今週のBCH相場は堅調な展開。26000円近辺でもみ合い推移を続けていると、ETHの上昇もあり28000円台まで値を上げた。その後、BTCにつれ安となるが、その後じりじりと値を上げる展開。Bitmain社の北京事務所が前CEOらに占拠される事態に若干値を落とすも、再び騰勢を見せている。

LTC:今週のLTC相場は引き続き目立った材料が無い中、相場全体の好地合いもあって上昇、5000円台を回復するも、50ドルにあと一歩というところで失速。しかし底堅い推移を見せている。



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松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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