2020.6.8【1万ドルに向け決め手に欠けるビットコイン相場、次の材料は?】
2020-06-08 08:45[ 松田康生 ]
通貨 | BTC | ETH | XRP | BCH | LTC |
価格 | 1,065,766 | 26,677 | 22.2 | 27,733 | 5,108 |
先週金曜日対比 |
▼0.2% | +1.0% | ▼0.4% | ▼0.5% | ▼1.4% |
Review
決め手不足
週末のBTC相場は高値圏でのもみ合い。先週金曜日に1万ドル(109万円)トライに失敗するも下げ渋り、日曜日には103万円まで下押したが、今朝方再び1万ドルを伺う展開となっている。先週末に107万円台まで上昇していたBTC相場は108万円(9900ドル)を執拗にトライするもあと一歩届かず、105万円まで値を下げていた。注目の米雇用統計では非農業部門雇用者数増減が予想▲750万人が250万人増と大幅に上振れ、予想に反して失業率も改善すると、株が上昇する一方で金価格が大きく値を下げる中、BTCは若干上値を重くした。しかしBitMEXから5月の暗号資産デリバティブ取引高が過去最高記録と伝わり、またハッシュレートが140EH/sに上昇する中、106万円台に値を戻すも、そのハッシュレートがピークアウトすると値を崩し、103万円台まで値を下げた。しかし、先週木曜日も反発し9500ドル割れの水準で反発すると、再び107万円近辺まで値を戻している。
Outlook
次の材料
本日のBTC相場は堅調な展開か。半減期後、2回目の難易度調整を終え、ハッシュレートは急回復、一部ではマイナーの売りも一巡したとの報道もあり、5月に見られた相場の重石は取り除かれている。それでも上値が重い一因として相場の決め手となる材料が不足していることか。5月の中国の貿易黒字は史上最高を記録、人民元安シナリオは後退、予想を大きく上回る米雇用統計はリスクオフによる逃避需要を後退させたか。しかし、まだ新型コロナの第2波が懸念される中、本命は金融緩和によるインフレヘッジで、今週のFOMCが注目される。
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FXcoin Daily Report 2020.6.8.pdf
松田康生 (まつだやすお)
シニアストラテジスト
東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。
短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通
twitterアカウント:@FXcoin_matsuda