2020.6.12【NYダウ暴落、来週のビットコインは大丈夫か?】

2020-06-12 17:11[ 松田康生

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Review

1万ドルにワンタッチ後、急落

今週のBTC相場は高値圏から反落。1万ドルを前に上値を重くしていたが、木曜日にワンタッチ(106万円台)に成功するも、その後、97万円台までの急落を見せた。BTC相場は、半減期後2回目の難易度調整を経てハッシュレートの低迷や承認遅延といった混乱が一服、じりじりと下値を切り上げていたが、1万ドルを前に上値も重くしていた。月曜日には9800ドル、火曜日には豪・NZのコカ・コーラの自販機でBTCが使用可能となるとの報もあり9900ドルに達するもあと一歩決め手に欠ける状態が続いた。木曜早朝の米FOMCで2021年までのゼロ金利継続見通しと今後数か月の債券購入継続が打ち出されると1万ドルにワンタッチしたが、その晩、NYダウが史上4番目の暴落を見せると、BTCMO97万円台まで急落、ハッシュレートの上昇もあり100万円近辺まで値を戻している。

Outlook

リスクオフからリスクオンへテーマ変更

来週のBTC相場は堅調な展開を予想する。先週は1万ドル突破後も今ひとつさえない展開が続いている理由としてハッシュレートの低迷と人民元安からの資本逃避フローというシナリオが崩れたことを挙げ、前者は「2度の難易度調整を経て」「半減期後の混乱はほぼ収束」、後者は米株上昇によるリスクオンと金融緩和からのインフレヘッジへテーマがシフトしていくことを予想した。実際、ハッシュレートは安定、木曜早朝のFOMCには反応、一時1万ドルを回復するなど、人民元安からテーマの変更には成功した。ただ、金融市場全体が完全にリスクオンに傾いている中、BTC相場は香港情勢や米中対立といったリスクオフで上がるというシナリオから、リスクオンで上がるというシナリオに頭を切り替えるのに手間取っていた。ようやく株を見に行きだしたところで、木曜日の暴落に遭遇、BTCも100万円割れまで下落、振出しに戻った格好となった。

株もBTCも全戻しの途中

では株式相場もBTCもこのまま沈んで行ってしまうのだろうか。上はコロナ前の高値とコロナ暴落での底値から各銘柄がどこまで回復したのかを示したもの。早くから金価格はコロナ暴落を全戻し、最近ではNasdaqの史上最高値更新などが話題に上ったが、NYダウは82%、日経平均は88%と全戻しを目指している。木曜日に暴落を見せたが、むしろ無理に高値をつけに行ったためのポジション調整に過ぎない可能性もある。機関投資家が好むBTC・ETHが98%、82%と全戻しが見えているのに対し、他のアルトは半値戻しにも達していない状況は、この相場が金余りによる流動性相場であることを示している。

NYダウは反発の可能性

木曜日のNYダウは市場4番目の下落を記録したと言われているが下落率でみると戦後で14番目となる6.9%。そこでNYダウが6-8%程度下落した翌営業日、2営業日後、5営業日(1週間)後の推移をみると、かなりの確率で反発を見せている。過去のデータだけでNYダウの今後が見通せるわけではないが、今回の急落はNYダウもBTCも一時的なポジション調整である可能性が高いと考える。

予想レンジ:90万~120万円

Altcoin



上記は先週金曜日5日を1として、主要5通貨のその後の推移を示したもの。引き続きETHのパフォーマンスの良さが目立つ。これで4週続けてETHがベストパフォーマーとなっている。前出の表でコロナ後のBTC・ETHとその他アルトのパフォーマンスの差が明確に出ており、やはり機関投資家の参入やデジタルゴールド(およびBTCプラスワン)的な需要が多いことを示している。そうした傾向が、週次のパフォーマンスにも表れている。またETHはテザー発行増など有用性でもほかの通貨に差をつけていることが好感されているか。一方でアルトコインの価値は有用性にあるとすれば、決済利用の進捗がほとんど見られなくなったBCHやLTCと着々と商用化の実績を進めているXRPとが共に低迷している状況は説明し難い。

ETH:今週のETH相場は底堅い展開が続くも最後に反落する展開。グレイスケールのETH投信が今年に入り120億円分の買い増しとの報道で改めてBTCプラスワンの投資家からのニーズを裏付けるものだった。更にERC20でのテザーの発行増でネットワークの混雑、スケーラビリティ拡大の議論が沸き上がる中、今度は手数料が2日連続でBTCを上回るといった事態が発生、更に少額のETH送金に3億ドルの手数料が支払われたと伝わった。またETH2.0に向け、より本番環境に近いテストネットがローンチされるなど好ニュースが続いたが、1万ドルで上値を抑えられる中、ETHも高値圏での横ばい推移を続け、最後はBTCにつれ安となっている。

XRP:今週のXRP相場は横ばい推移から最後に急落。好材料が続く中、20セントの水準を何とか守っていたが、木曜日の下落で大きく割ってしまっている。総務省が6月22日から始める統一QRの参加18社のうちxCurrentを使用するMoney Tapの手数料が最安(期間限定の無料キャンペーンを除く)と公表、またリップルネット参加企業が350社と半として50社増加、ODL利用中のマネーグラムの躍進が伝えられるなど比較的好材料が続いたXRPだが20セントが下支えとなるも上昇するには至らず、NYダウ暴落の余波で大きく値を下げている。

BCH:今週のBCH相場は上値の重い展開。最後は米株やBTCに連れ安となっている。先週末にBitcoin.comが香港の自動販売機でBTCでなくBCHが使用されるのは手数料が安いからだと報じ、一方でBitMAIN社の内紛で新型マシンのS19シリーズの出荷が遅れるといったネガティブなニュースがあったものの価格にはほとんど影響せず、ほぼBTCに連れて上下する展開が続いたが、最後の下落局面ではBTCより大きく下落、反発も小さい。

 

LTC:今週のLTC相場は引き続き目立った材料が無い中、軟調な展開。主要5通貨で最弱となっている。一方で新バージョンが発表され、資金難で開発が止まったという見方は後退したが、商用化に向けた開発が進むXRPやそれでも自販機で使用されるBCHなどと比べ、開発や実用化の遅れが目立っている。



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松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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