なぜビットコインとイーサリアムが強い?コロナからの回復に現れる機関投資家の爪痕

2020-06-12 19:25[ 松田康生

トピック 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン イーサリアム

上半期の暗号資産(仮想通貨)市場のトピックを3つ挙げるとしたらコロナ禍と半減期と機関投資家の参入になるだろう。ルネッサンス・テクノロジーやポール・チューダー・ジョーンズの参加とその影響は「ビットコインが暴落しても強気な理由。大手ヘッジファンドが参入する意味。」や「暗号資産(仮想通貨)とヘッジファンド」などでご紹介してきた。フィデリティは欧米投資家800社への調査で1/3が暗号資産(仮想通貨)を保有しているとした。また5BTC単位で現物を保有する必要がないCMEの先物の建玉が史上最高を記録したのもヘッジファンドなどの参入がもたらした可能性が高い。

そうした傾向はコロナ後の相場動向に現れている。Weekly Reportでもご紹介したが、上は3月のコロナショック前の各銘柄のピークと暴落時の底値、そしてその後どこまで戻しているのかを示したものだ。昨晩、7%の暴落を見せたNYダウだが6月8日に下落幅の82%、日経平均は翌9日に88%までの回復を見せている。Nasdaqに至っては108%と史上最高値まで更新している。これに歩調を合わせているのが98%のBTCと82%のETHだ。一方でXRP・BCH・LTCの低迷が目立つ。いずれも半値戻しも達成していない。

この動きにも機関投資家の動きが影響している可能性がある。即ち、機関投資家は市場規模や流動性を重要視する。ちょっとした投資家になれば暗号資産市場の時価総額以上の資金を保有しているケースもザラで、自らの売買によってできるだけ市場にインパクトを与えないようにし、またいざとなったらいつでも換金できる流動性の存在を投資の条件とする投資家も多い。彼らからすれば、この市場に投資するならばBTC一択で、1銘柄に投資を集中させるリスクを分散するために、次に時価総額の大きいETHを選好する。グレイスケール社のファンドが5月に発表した各通貨のファンド残高でみてもBTCの33.7億ドルにETHの2.9億ドルが続くが、BCHは5.8百万ドル、XRPは3.1百万ドル、LTCは0.9百万ドルと桁が2つから3つ異なる。こうした事情がBTC・ETHとそれ以外のアルトとの差に表れていると考える。

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松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通
twitterアカウント:@FXcoin_matsuda

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