マトリクス投資法によるビットコイン テクニカル分析
2020-06-16 15:00[ 大西知生 ]
相場は3月安値448,834を起点に反発したが、「10,000ドルの壁」で上値を押さえられた。反発局面におけるサポートラインを下方ブレイクしたこと、および移動平均線におけるデッドクロス、RSIにおけるダイバージェンスなど売りシグナルが多く、当面は下げやすい状況となっている。
【個別ツールごとの分析】
①パターンフォーメーション
相場は110万円台に位置していた「10,000ドルの壁」で上値を押さえられた。現時点では448,834(Mar13)を起点とするサポートラインを割り込んだため、さらに売られやすくなっている。次の下値のターゲットはフィボナッチ38.2%の85万円台となる。
② 移動平均線
9日移動平均線と21日移動平均線がデッドクロスを示現し下げ圧力が強い。ただし21日移動平均線は右肩上がり基調を維持しており、大きな下げトレンドとなる可能性は低い。
③ 一目均衡表
相場の方向性を示す基準線が上向き傾向を維持しているため、基調は弱くはない。下値は終値ベースで“雲”にサポートされているため、中長期的には上昇局面にある。
④ ボリンジャーバンド
バンド幅は収れん傾向となっており、新たなトレンドが生まれる状況にはない。エネルギーは蓄積されつつあり、バンド幅の拡大を伴う相場の動きが出てくればその方向につきたい。
⑤ RSI
43.7でニュートラル水準。1,061,300(May08)から1,113,970(Jun02)へと高値を更新した局面で、RSIは87.5から66.9とさげており、これはダイバージェンスと呼ばれる典型的な売りシグナル。もう一段安となる可能性が高い。
【 まとめ 】
< チャートポイント >
< 個別ツール >
< 総 合 >
大西知生 (おおにしともお)
FXcoin株式会社 代表取締役社長
慶應義塾⼤学経済学部 東京銀⾏(本部、フランクフルト支店)、ドレスナー銀⾏、JP モルガン銀⾏、モルガンスタンレー証券、ドイツ銀⾏グループを経て、2018 年1 ⽉より現職。2017 年まで東京外国為替市場委員会副議⻑、同Code of Conduct ⼩委員会委員⻑。 「J-MONEY」誌において2017 年テクニカル分析ディーラー・ランキング第1 位。 著書に「FX 取引の王道 − 外貨資産運⽤のセオリー」(⽇本経済出版社) 経済学博士