続:ビットコインの上値が重いことに関する「不都合なデータ」

2020-06-18 15:32[ 松田康生

トピック 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン

3月の暴落から順調に値を戻してきたBTC相場だが1万ドルを前に1か月半ほど上値を押さえられている。大手ヘッジファンドの参入や財政支出と無制限量的緩和、更に金融相場による株価の回復など強気材料はいくつもあるが、今ひとつ決め手に欠ける展開が続いている。昨日は半減期から3回目の難易度調整を迎え、+15%と2018年以来のプラス調整となり、ハッシュレートの低迷から脱した感もあった。一方で、難易度が上昇した結果、ブロック生成スピードの低下が観測され、昨日の相場の上値を重くした。確かに難易度が上昇すればブロック生成速度が落ちるのは当たり前だが、難易度が上がったのはその前の14日間のブロック生成が速かったからで、果たして強気材料とも、弱気材料とも言えそうでなんとも言い難い。そこで、難易度上昇が大きかったケースで、その後、相場がどうなったか調べてみた。

上記は2015年以降の約5年間で難易度が14%以上難化したケースについて、その後、相場がどう動いたのか纏めたものだ。今回を除いた12回のうちすべてのケースで翌日は相場が下落していた。この間、2001日あるうちで前日比マイナスになったのは916日と半数弱なのに対し、12回全て下落しているのは偶然というには出来すぎだろう。2日後でも12回中10回、3日後、7日後でも12回中9回下落している。14日後でようやく12回中8回と2/3程度となるが、それにしてもさえないパフォーマンスが続いている。実は、翌回の難易度調整は12回中10回で難易度が上昇しており、ハッシュレートの低迷が理由ではないようで、直接の原因はわからない。

一方で、こうした事が生じている背景に思い当たる節がない訳ではない。上は過去のBTCの半減期をT+0、価格を1としたその後の価格推移だ。2012年も2016年もその後大きく上昇している。半減期はBTCの供給、即ちマイナーの売り圧力が半分になるので価格の上昇要因だと考えるが『ビットコインの上値が重いことに関する「不都合な真実」』で紹介した通り、半減期後に相場が上昇するにはタイムラグがある。2012年では半減期から45日を経過してから、2016年の場合は半減期の水準を上抜けるのは105日後だった。5月12日の半減期から45日で6月29日、105日だと8月28日だ。

この過去のパターン通りになるかは分からないが、相場は俄かに材料を失っており、あと1週間程度は上値が重い展開が続く可能性が強いだろう。

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松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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