2020.8.7【ビットコイン相場にとって一番都合が良い状況とは?】

2020-08-07 15:45[ 松田康生

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Review

12000ドルで達成感

今週のBTC相場は堅調な展開。CMEのBTC先物7月限の最終取引時間にかけて先週つけた年初来高値を更新、120万円台に乗せたBTC相場だが、その後、XRPBTCが重要なレジスタンスとされる0.000023をトライする中、BTCもつれ高となると、12000ドル(128万円)に到達した。しかしこの水準で達成感が出るとBitMEXなどでロングの投げ売りが始まり、弊社では112万円台までの急落を見せた。その後、堅調な日米欧株もあり122万円近辺まで値を戻すも、CMEの窓埋め完了で達成感が出たせいか上値を重くした。金が2000ドルを突破したこともあり117万円で下げ止まると、翌日も金が続伸したこともありこの水準で切り返した。更に3日連続のNasdaqの最高値更新なども追い風となり、122万円を上抜け、124万円台に値を戻すと、その後も堅調な米株や金価格に後押しされたのか125万円台まで値を上げている。

Outlook

フライング気味の上昇

今週のBTC相場は堅調な展開を予想していた。先週は、金との相関、米国でのインフレヘッジの動き、更に北戴河会議を控えた中国からの逃避フローなどを理由に「堅調な展開」を予想した。先週のレポートを出した数時間後には年初来高値を更新、そのまま上昇を続けて週末に10万円近く上昇、金も米株市場も休場中にフライング気味に上がりすぎた反動か、16万円近くの急落を見せた。しかしNasdaqや金が順調に値を伸ばし、BTCにも順番が回って来たのか、週後半にかけて再び年初来高値を伺う動きを見せている。


2周目に入った?

上図は7月1日を100とした各アセットの価格推移。月初に上海株、続いてテスラ株(右軸)が上昇。Nasdaqも史上最高値を更新し続けた。それが一服すると今度は金が上昇、連れてBTCも値を上げ始めた。これで物色買いに一巡感も出たが、今度はアップル株が上昇、Nasdaqや金も再び値を上げ、物色買いが2周目に入った印象だ。


BTCには追い風

ファウチ米アレルギー感染症研究所長はマスク着用などを呼び掛ける一方で「コロナ抑制に再封鎖不要」とした。上図は米名目GDPと非農業部門雇用者数。約2か月に渡る都市封鎖によってGDP(≒国民の収入)は6000億ドル失われ、雇用者は2千万人に減少した。雇用の回復が始まったとはいえ1/3程度しか戻っていない。それでも市場が回復しているのは、ここが底だと考えているからだろう。感染症対策や部分的な閉鎖はあっても全米規模での閉鎖は無く、雇用の回復は遅れている状況が、BTCを含んだ各アセットにとって最も都合が良いのかもしれない。最悪期が過ぎて上がるだけだが、上がり切れておらず、財政支出も金融緩和も続くからだ。先週は確認されなかったが、これに中国からの逃避フローまで加われば、昨年の高値更新もそう遠くないか。

予想レンジ 110万~150万円


Altcoin



上図は先週土曜日8月1日を1として、主要5通貨のその後の推移を示したもの。XRPとETHとそれ以外とで、パフォーマンスがはっきり2つに分かれている。今回に関しては、ETH2.0のテストネットのローンチや、XRPBTCの0.000023上抜けや、リップル社のQ2レポートのとおり四半期連続で同社の市場でのXRP売却が見送られただけでなく、購入の可能性まで示唆されているなど、両通貨には買い材料があり、パフォーマンスの良さは首肯できるものだった。
一方で、先週申し上げた様に、一巡した主要通貨間の循環的な物色買いがETHの上昇から2周目に入った印象もある。ETHからXRPに飛び火し、週末のBTC上昇に繋がった。週末の急落でアルトコインの物色にも一巡感が見られたが、0.000022から0.000028まで急上昇したXRPBTCが反落するにつけ、週後半にかけてBTCが値を上げ始めている。アセット間だけでなく、暗号資産間でも物色買い第2弾が始まりつつあると言えよう。

ETH:今週のETH相場は堅調な展開。ETH2.0のテストネットローンチを控え、堅調に推移。2019年6月の戻り高値である360ドル(38000円)を更新すると上げ足を速め、日曜日には400ドル(42000円)を突破した。しかし12000ドルに達したBTCとともに達成感が出ると急落、一時は35000円近辺まで下髭を伸ばした。しかし4日にテストネットが無事ローンチ、2万に及ぶバリデーターが参加したと伝わると、じりじりと値を戻し、木曜には再び400ドル台に乗せた。但しその後反落を見せている。

XRP:今週のXRP相場は堅調な展開。このところ堅調な値動きを続けているXRPだったが、土曜日に対BTCで0.000023に迫るもBTCが値を上げ、なかなか抜けずにいた。しかし日曜日にかけて、この水準を上抜けると、対円で34円台、対BTCで0.000027まで値を上げた。BTCはETHの反落に26円台まで値を下げたが、他通貨が半値戻しに悪戦苦闘する中、あっさり30円台を上抜けると、リップル社によるXRPの市場売却が2四半期連続でゼロとなり、購入も検討していると伝わると34円台に値を戻した。0.000028まで達したXRPBTCに調整が入ると上値を重くしたが、31-32円台での底堅い展開が続いている。


BCH:今週のBCH相場はBTCに連れて動くも底堅い展開。内紛の影響で同社が新型マイニングマシンの3か月の出荷遅延を発生させたが、それでも物色買いの順番が回ってきたせいか週末にかけて切り返している。


LTC:今週のLTC相場はBTCに連られ乱高下するも、週を通してみるとほぼ横ばい圏での取引。MimbleWimbleの7月の開発状況が報告され、Grinのハードフォークにより若干の遅れが報告されたが、9月中のテストネットローンチ予定は維持され、週後半にかけて若干値を上げている。



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松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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