通貨覇権をめぐる三つ巴の戦い - (3) CBDC BISの調査

2020-08-07 16:16[ れんぶらんと

金融リテラシーのお話 仮想通貨 暗号資産

1.80%以上の中央銀行がCBDCについて何らかの取り組みを行っている。
2.新興国におけるCBDC導入の動機の一つは金融包摂。
3.昨年半ば以降、中銀関係者によるCBDCについて肯定的な発言が増えている。

過去2回にわたり、「通貨覇権をめぐる三つ巴の戦い」として、”次のお金の候補“となりうる、暗号資産(仮想通貨),ステーブルコイン,中央銀行デジタル通貨(CBDC)について説明してきました。今回はCBDCを発行する立場にある各国の中央銀行がそれぞれどのようなスタンスにあるかを国際決済銀行(Bank for International Settlements:BIS)の調査結果をもとに説明します。



今年に入ってBISは、中央銀行デジタル通貨について2つの調査結果を公表しています。一つめは1月に公表された「Impending arrival – a sequel to the survey on central bank digital currency」で、この調査は21の先進国・地域、45の新興国の中銀が回答しており、これらは世界人口の75%(58億人)、経済規模の90%をカバーしています。二つめは6月に公表された「Central banks and payments in the digital era」です。それぞれ興味深い結果が出ているので紹介しておきます。
(以下、添付のグラフはBISのレポートを筆者が翻訳等をつけたもの)

1.CBDCへの取り組み

80%以上が、「何らかの作業に取り組んでいる」と回答しています。これは前年の70%強、前々年の65%から加速して増えています。また、全体の約10%がCBDC発行に向けた具体的な実験をすすめており、そのすべてが新興国です。



2.CBDCへの動機

特に注目度が高いリテール型のCBDC(一般個人が使用できるCBDC)については、導入の動機として、特に新興国において「金融包摂」(*1)を重要とする回答が多くなっています。これは、先進国に比べて新興国においては、銀行口座を保有している人の割合が少ないことが背景です。

例えばカンボジアは成人国民の2割しか銀行口座をもっていませんが、スマートフォンの普及率は100%を超えるといわれています。このような国にとって、スマートフォンを介して決済ができるリテール型のCBDCは金融包摂につながると考えられています。



3.中央銀行のスタンス

今年6月に公表された調査では、世界の中央銀行関係者がCBDCに対して発したコメントについて肯定的か否定的かをまとめたものがあります。こちらについては、その判断基準はBISのレポートの作者の判断によるという、やや強引なものですが、結果としては、かつては否定的なコメントが多かったのですが、昨年半ばから肯定的なものが急速に増えています。そして直近ではCBDCについて肯定的なコメントが否定的なものを上回るようになっています。

この動きは昨年6月に公表されたリブラの計画の影響が少なからずあると考えられます。つまりリブラの登場によって、中央銀行関係者がCBDCを真剣に考えざるを得なくなったということが反映されているのだとみて取れます。



次号に続きます。

これまでの記事はこちら。
通貨覇権をめぐる三つ巴の争い - (1) 暗号資産とリブラ
通貨覇権をめぐる三つ巴の争い - (2) 中央銀行デジタル通貨の議論の高まり

(*1) 英語のFinancial Inclusionの訳。経済活動に必要な金融サービスを、銀行口座を持たない人を含む多くの人々が利用できるようにする取り組み。

れんぶらんと

17世紀に活躍したオランダの画家レンブラント・ファン・レインの作品をこよなく愛する自称アーチスト。 1980年代後半のバブル期に株式および外貨資産投資を始め、いい思いをしてから投資の世界にどっぷりつかっている。

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