マトリクス投資法によるビットコインテクニカル分析
2020-08-14 18:15[ 大西知生 ]
ビットコイン相場は「10,000ドルの壁」を突破したため、底堅い展開となっている。移動平均線がゴールデンクロス、一目均衡表の基準線も上向きとなっているため、当面は上昇トレンドにあるとみる。
しかしながら、ボリンジャーバンドなどではトレンドの終了が近いことを示唆しており、上昇は今月いっぱいか。
マトリクス投資法によるトータルスコアはプラス2であるため、自己のビットコイン想定投資額の上限の20%をロングポジションにする。
【個別ツールごとの分析】
① パターンフォーメーション

相場は110万円台に位置していた「10,000ドルの壁」を上昇ブレイクし、上値追いに弾みがついた。目先的には6月高値1,117,100(Jun01)から949,081(Jun27)への下落の倍返しの1,285,119を意識した水準で押さえられた。
相場の基調は強く、今後下押しがあったとしても、10,000ドルの壁すなわち110万円前後が強いサポートラインとして機能しよう。
② 移動平均線

9日移動平均線と21日移動平均線がゴールデンクロスを示現しており上昇圧力が強い。そしてそれぞれ移動平均線が右肩上がりとなっているため、堅調な動きが予想される。
③ 一目均衡表

相場の方向性を示す基準線が上向き傾向を維持しているため、基調は強い。時間論における年初来安値420,107(Mar13)を起点とする”長期波動の転換値“である172日目、つまり今月末までは堅調な動きが維持されよう。
④ ボリンジャーバンド

バンド幅は拡大から収斂へと転じている。これは「ボリンジャーバンド反落の3段階」における、Step2“上昇相場が終了した可能性が高い”状態にある。今後Midバンドを下方ブレイクすると下げ足を速めることになろう。
⑤ RSI

62.8でやや買われすぎ水準。1285,244(Aug02)をつけたときは88.8と極めて高い水準にあったが、やや落ち着いてきている。ただし、今後50を割り込んでくるようであれば、もう一段安となる可能性が高まる。
【まとめ】
< チャートポイント >

< 総 合 >

大西知生 (おおにしともお)
FXcoin株式会社 代表取締役社長
慶應義塾⼤学経済学部 東京銀⾏(本部、フランクフルト支店)、ドレスナー銀⾏、JP モルガン銀⾏、モルガンスタンレー証券、ドイツ銀⾏グループを経て、2018 年1 ⽉より現職。2017 年まで東京外国為替市場委員会副議⻑、同Code of Conduct ⼩委員会委員⻑。 「J-MONEY」誌において2017 年テクニカル分析ディーラー・ランキング第1 位。 著書に「FX 取引の王道 − 外貨資産運⽤のセオリー」(⽇本経済出版社) 経済学博士