米国で意識され始めたビットコインを持たざるリスク

2020-08-18 20:02[ 松田康生

トピック 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン

弊社では、4月のヘッジファンドで世界第2位のルネッサンス・テクノロジーのBTC先物参入に続き、伝説の投資家ポール・チューダー・ジョーンズのBTC先物参入、規模の面でプラスなだけでなく、チューダーのようなグッドネームの参入がBTC投資の知名度を上げるとともに、もしBTCが高騰した場合、ポートフォリオにBTCを組み入れていないファンドマネージャーたちに焦りというか、BTCを持たざるリスクを意識させると申し上げてきた。チューダーが「自分はBTCファンではないが、コロナ対策による巨額の財政出動と中銀による債券買い入れの意味を考慮すると、BTC購入を検討せざるを得なくなった」と言ったのにお前たちは何をしていたのだと経営陣や出資者から指摘されかねない雲行きだからだ。

こうした米国における機関投資家の参入の増加は、1単位5BTCで個人が参加しにくいとされるCMEのBTC先物の活況やGrayscaleのBTC・ETHファンドの人気ぶりに現れている。また流動性の高い銘柄を好む一方で分散投資を心掛ける機関投資家の選好を反映して、BTCとETHのパフォーマンスが他の通貨に対してアウトパフォームしていた。上図は4月1日を1とした主要5通貨のパフォーマンスだがルネッサンスやチューダーが参入を発表した4-5月頃からBTCとETHの人気ぶりが目立っている。

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アメリカでは、こうした機関投資家だけでなく個人の動きも活発なようだ。Forbesは全米の成人人口の15%が暗号資産を保有し、そのうち半数の2400万人が今年前半に新規参入したと、驚きの数字を報道しており、そうしたインフレヘッジのBTC買いがすでにアメリカで始まっていたことを示していると申し上げてきた。今月10日に入りGrayscaleが全米TVCMを開始、その後数日で過去最高の資金流入があったとされ、また元ゴールドマンサックスでGalaxy Digitalを運営するノボグラッツ氏はフィナンシャルタイムズ紙に“Now is the time to invest in bitcoin”という全面広告を出している。こうしたアメリカにおける暗号資産ブームは新たなステージに入りつつあるのかもしれない。

先週、Nasdaqに上場しているMicroStrategyというビジネスインテリジェンス企業が余剰資金の運用先としてBTCを250百万ドル分購入したとして話題となった。同社は購入の理由を「COVID-19によって引き起こされた経済および公衆衛生の危機、世界中で採用された量的緩和を含む前例のない政府の金融刺激策、および世界的な政治的および経済的不確実性」といったリスク要因によって「法定通貨および他の多くの従来の資産タイプの長期実質価値に大きな減価効果をもたらす可能性がある」としている。

14日に開示された資料によれば、BTC否定派で、何も生み出さない金への投資に対しても否定的だったウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイがカナダの金採掘大手のバリック・ゴールドの株式を新たに取得したことが話題となっている。バフェット氏の真意は分からないが、日経新聞は同氏の父の遺訓を紹介している。「ペーパーマネーは経済に混乱と崩壊をもたらす。償還可能な金こそが人間の自由を維持する」~ハワード・バフェット。またオマハの賢人と同じく世界的な著名投資家ジム・ロジャーズも世界中の中央銀行が紙幣を印刷する中、金と銀を保有しているとしている。プルデンシャル証券元CEOでBTC否定派だったジョージ・ボール氏もロイターとのインタビューで「政府は市場を永遠に刺激することはできない」とし、このパンデミックの中でBTCはSafe Heavenだと述べている。即ち、弊社が一貫して申し上げてきた今回の過剰流動性供給による資産インフレヘッジが、米市場ではいよいよメジャーなトピックになりつつある訳だ。米暗号資産市場だけでなく、米市場全体でこのリスクが意識され始めている可能性がある。

翻って、財政赤字や中央銀行の保有割合など米国より深刻なはずの日本では、どうしたことかこうした危機感やヘッジ行動を殆ど耳にしない。巨額な財政赤字やデフレ経済に慣れすぎていて、そう簡単にインフレなど来ないと高をくくっているといったところだろうか。しかし、米国で広がりつつある市場に対する見方は、そう遠くないうちに日本にも上陸する可能性が高い。日本では機関投資家やファンドによる暗号資産投資はまだ殆ど始まっていないだけに、かなりのポテンシャルがあるかもしれない。

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松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通
twitterアカウント:@FXcoin_matsuda

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