ビットコインの上昇相場は終わったのか~(2)半減期後の本格相場
2020-08-21 14:28[ 松田康生 ]
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まず3月からの上昇相場には①コロナ禍からの回復②半減期への期待③財政支出と金融緩和からくる資産インフレという3つの要因があったと考えている。①はまだ完全に脱したとは言えないものの、欧米の悲惨な状況と壊滅的な経済状況、すなわち最悪期からは脱していると言えよう。まだ第2波懸念が残っているので、治療薬やワクチン開発に成功すれば、若干のリスクオンの買いが期待できるかもしれない。②は半減期前の期待の買いで10500ドルまで上昇、半減期前に反落。半減期後はマイナーの採算悪化から混乱が生じるが、徐々に新たな水準での均衡が取れていくと、今度は売り圧力の低下が上昇圧力に変わる(上図参照)。③の金融相場に関してはもう終わったのか、これからも続くのか、少し判断に困る部分がある。

上は米国のベースマネーの推移。コロナショックでFRBは無制限金融緩和を打ち出し、ベースマネーは急速に拡大、これが足元の株・金同時史上最高値相場を演出しているが、6月をピークに頭打ちとなっている。それでも、今回のコロナ禍ではあまりに需給ギャップ(アメリカで言えば失業者)が大きすぎるので、株などの資産バブルが多少発生しても、ギャップを解消するまでは緩和がやめられない、従って資産価格の上昇は始まったばかりという見方がある。一方で、既にベースマネーはピークアウト、景気の回復を見ながらFRBのスタンスも微妙に変化してきており、この材料での買いはここまでという見方もある。折しもウォーレン・バフェット氏率いるバークシャーハサウェイがカナダの金鉱会社の株式を購入、ジム・ロジャーズが今投資すべきは金と銀だとして伝わったタイミングで、金価格はピークを付けた。もちろん、米市場では財政支出の拡大と量的緩和による財政ファイナンスが逃避需要を惹きつけており、そうした動きはまだまだ続くと考えるが、その材料での上昇は一巡した可能性がある。
今後もこうした景気回復度合いとFRBの緩和姿勢を見ながら一喜一憂する相場展開は続こうが、目下のところ日米欧の中銀関係者が集まる8月27-28日ジャクソンホール(今年はリモート開催)と夏休みから投資家が帰ってくるとされる9月レイバーデイ明けまでは、この材料では動きにくいか。

ただ、これでBTCの上昇相場が終わったわけではないと考えている。上記ハッシュレートを見ると、7月頃に半減期前の史上最高を更新、その後も最高を更新し続けている。これは半減期後のマイナーの混乱が収拾したことを示唆している。冒頭に申し上げた、②の半減期による上昇相場が始まった時期とも符合しており、BTCの上昇相場はまだ継続するものと考えている。
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松田康生 (まつだやすお)
シニアストラテジスト
東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。
短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通
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