2020.9.1【ビットコインは8月に続き9月のジンクスも跳ね返せるか?】

2020-09-01 17:51[ 松田康生

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Review

12000ドル突破したが

今月のBTC相場は上に行って来いの展開。12000ドル(127万円)に2度跳ね返されるも、3度目のトライで上抜けに成功。132万円近辺まで値を上げるも、失速し、12000ドルに上値を抑えられる展開が続いている。7月末に年初来高値を更新していたBTC相場だが、120万円台に乗せるとXRPの上昇もあり128万円台まで値を伸ばした。しかし12000ドル乗せで達成感が出たせいか失速すると、116万円台まで急落した。そこから再び12000ドルをトライするも強めの米雇用統計もあり金が大きく値を崩す中、BTCも118万円台まで下落したが、金の反騰もあり12000ドルを上抜けると132万円台近辺まで値を伸ばした。しかし、再び失速し118万円台まで値を下げたのちに、本来であれば買い材料となり得るFRBの平均インフレ率採用で更に値を下げるも、その後回復し125万円近辺まで値を戻している。

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Outlook

8月のジンクスは跳ね返す

8月のBTC相場は陽線引け。3月に次ぐ軟調な傾向を持った8月ジンクスを跳ね除け、何とか前月比プラスを保った。内容的にも年初来高値を更新するなど強いものだった。その背景の一つが出来高。供給が一定のBTC相場は株などと異なり、出来高が減ると価格が下がりやすくなるが、この8月は何とか200億ドル水準を維持した。

9月のジンクスを跳ね返すには

下図はBTCの過去5年間の1日あたりの出来高(左軸)と今年の出来高の月別推移。半減期があった5月をピークに6-7月と半減した出来高が8月になって若干持ち直している。一方で、過去5年間の平均を見ると9月は8月よりもさらに出来高が低下している。これはレイバーデイ明けに投資家が戻る株式市場とは異なる傾向だ。実際に9月のパフォーマンスも芳しくない。9月がこのジンクスを跳ね返すには、そうした分散投資家をどれだけ惹きつけられるかにかかっていると言えそうだ。

レイバーデイ明けに期待

足元の市場を振り返ると、米株は絶好調、調整が続く金も2000ドル回復が見えてきている。この背景には史上最大の金融緩和による史上最大の金融相場があるが、先日のFRBの平均インフレ率採用はこれにお墨付きを与えた。平均インフレ率と言いながらFRBは平均期間を示していない。これは示す気が無い、即ちインフレ上ぶれを許容するための方便の一つの可能性もある。こう考えて市場に帰ってくる投資家のサポートで9月のBTC相場も堅調に推移しよう。

予想レンジ:110万円~150万円

Topic

所得向上委員会にゲスト出演「仮想通貨を巡り先進国が覇権争い」の補足説明
Youtubeの所得向上委員会にゲスト出演した。テーマは「仮想通貨を巡り先進国が覇権争い!?デジタル人民元・ビットコイン・リブラはどうなる?」その中で、中銀デジタル通貨(CBDC)とデジタル人民元による通貨覇権争いついて補足する。昨年のリブラの登場以来、その対抗策の一つとしてフォーカスされたCBDCだが、その後のデジタル人民元の登場によって、それまで消極的な国においても研究・開発が加速している。CBDCの発行が直ちにドル覇権への挑戦になるわけではない。金融に関して言えば発展途上国であある中国が何故デジタル人民元に傾倒する理由の一つが、米国の伝家の宝刀であるドル決済の呪縛から逃れること。アフリカや一帯一路の中央アジア、またはラオスやミャンマーなどの周辺国と人民元で直接決済をする経済圏を作ろうとしている訳だ。
米国で意識され始めたビットコインを持たざるリスク
米国における機関投資家の参入の増加は、CMEのBTC先物の活況やGrayscaleの人気ぶりに現れている。アメリカでは、こうした機関投資家だけでなく個人の動きも活発なようだ。Forbesは全米の成人人口の15%が暗号資産を保有し、そのうち半数の2400万人が今年前半に新規参入したと、驚きの数字を報道しており、そうしたインフレヘッジのBTC買いがすでにアメリカで始まっていたことを示している。Nasdaqに上場しているMicroStrategyが余剰資金の運用先としてBTCを250百万ドル分購入した。また、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイがカナダの金鉱株を取得、ジム・ロジャーズも金投資を有利とした。過剰流動性供給による資産インフレヘッジが、米市場ではいよいよメジャーなトピックになりつつある訳だ。財政赤字や中央銀行の国債保有割合など米国より深刻なはずの日本では、どうしたことかこうした危機感やヘッジ行動を殆ど耳にしない。しかし、米国で広がりつつある市場に対する見方は、そう遠くないうちに日本にも上陸する可能性が高い。
ビットコインの上昇相場は終わったのか ~(1)クライマックスはまだ?
BTC相場は長らくレジスタンスだった10500ドルを上抜け2月につけた年初来高値を更新。その後、12000ドルをクリアに上抜け、いよいよ昨年6月につけた戻り高値13851ドルをトライするかと思われたものの、そこから数日、上値の重い展開を続けている。上層相場もそろそろ終わるのではないか検証したい。2019年6月の上昇相場の最後では1日で25%下落してクライマックスを迎えている。これに対し、今回の下落はまだ5.7%であり、上昇相場の最後にしては小粒な下げだ。2割以内の下げは上昇相場の中で調整局面か。その2017年と2019年に共通するのは、ピークを付ける時はその1週間前と比べて2017年で1.7倍、2019年で1.5倍のバイイング・クライマックスとでもいうべき現象が発生、そこから1週間でそれぞれ3割、4割反落している。今回の反落は上昇相場の中の調整に過ぎないと考える理由の一つだ。
ビットコインの上昇相場は終わったのか~(2)半減期後の本格相場
本稿では、材料面から、今後の相場動向を探っていきたい。まず3月からの上昇相場には①コロナ禍からの回復②半減期への期待③財政支出と金融緩和からくる資産インフレという3つの要因があったと考えている。コロナショックでFRBは無制限金融緩和を打ち出し、ベースマネーは急速に拡大、これが足元の株・金同時史上最高値相場を演出しているが、6月をピークに頭打ちとなっている。一方で、既にベースマネーはピークアウト、景気の回復を見ながらFRBのスタンスも微妙に変化してきている。米市場では財政支出の拡大と量的緩和による財政ファイナンスが逃避需要を惹きつけており、そうした動きはまだまだ続くと考えるが、その材料での上昇は一巡した可能性がある。ただ、ハッシュレートを見ると、7月頃に半減期前の史上最高を更新、その後も最高を更新し続けている。これは半減期後のマイナーの混乱が収拾したことを示唆している。冒頭に申し上げた、②の半減期による上昇相場が始まった時期とも符合しており、BTCの上昇相場はまだ継続するものと考えている。
FRB議長講演でなぜビットコインは売られたのか?これからどうなるのか?
FRB議長講演および同時に発表された新たな声明で平均2%の長期インフレ目標の採用が示された。「インフレが2%を下回る期間が続くと、適切な金融政策は、しばらくの間(for some time)2%をやや(moderately)上回るインフレを達成することを目指している」とされている。米国の中銀は物価の安定と完全雇用の2つの目標を課されている。いわゆるDual Mandateだ。この結果、インフレ率のターゲットを定めても、雇用が目標に達してなければ金融緩和を止めるわけにいかないという事情がある。一方でコロナショックにより2千万人以上増えた失業者の内、職場復帰を果たした人は半数にも達していない状態で金融緩和はやめられない。そこで、インフレターゲットに幅を持たせることにした。一方で、市場では長期金利が上昇し、ドル買いとなり、金やBTCも下落した。じつは、債券市場では利下げなどの金融緩和は将来のインフレ上昇につながるので長期金利の上昇要因というのが教科書的な反応だ。しかし、その原因が将来のインフレ上昇であり、更にその将来のインフレの上振れをFRBが公式に認めたのであれば、金やBTCは買われて然るべきだと考える。

Altcoin



上記は主要5通貨の8月のパフォーマンスだ。ETHが最も強く、XRPとLTCが続いている。BTCは終始、ほぼ真ん中でBCHのアンダーパフォームが目立っている。8月は各通貨毎に比較的、強弱材料がはっきりしていた。ETHはETH2.0最終テストネットのローンチとDeFiブーム、XRPはXRPBTCの0.000023上抜けとリップル社が買いに回る可能性を示唆したQ2レポート、LTCはGrayscaleのファンドのOTC価格高騰とLTC専用のVISAデビットカードの誕生などだ。これに対しBCHはGrayscaleのファンドのOTCの開始と言ったポジティブなニュースもあったが、サポーターであるBitmain社の内紛の泥沼化、更に開発者への報酬を巡って再び分裂の火種が浮上、月内を通して低パフォーマンスとなっている。これに対しBTCにはあまり目立った材料がなく、8月はアルトコインに連れて上下する局面が目立っていた。

ETH:今月のETH相場は堅調に推移。ETH2.0年内本番ローンチに向けた最終テストネットがローンチされ400ドルに乗せるが、イーサリアムクラシックの51%攻撃がやや上値を重くしていた。しかしDeFi人気が高まる中、ガス代が過去最高を更新、ERC20トークンの値上がりもあり400ドルを抜けると暗号資産相場全体を牽引、440ドル(46000円)台まで値を伸ばした。しかし、ETH2.0のテストネットが一時クラッシュ、ブテリン氏が予想よりはるかに難しいと弱気なコメントを発し、またガス代高騰でマイナー報酬削減案が提出されコミュニティ内で対立が発生するとずるずると値を下げ始め、JPモルガンによるQuorum売却はスケーラビリティに問題があったからとの指摘もあり400ドルを割れていた。しかし、分散取引所のUniswapがガス消費量でテザーを抜き、更に出来高で全米最大手のコインベースを抜く中、再び400ドルを回復している。

XRP:今月のXRP相場は堅調な推移。先月からの好地合いを受け月初にXRPBTCの重要なレジスタンス0.000023を上抜けたXRPは上げ足を速め34円台まで値を伸ばしていた。一旦、30円割れに反落したが、リップル社のQ2レポート内で2期連続で市場売却が見送られたこと、場合によってはリップル社が購入側に回る可能性があるとされ再び34円近辺まで値を上げた。その後もFlare NetworkがXRP保有者向けにトークンSparkをエアドロップすると発表、リップル社が暗号資産業界でのAmazonを目指すとした記事、同社吉川氏が日本での戦略を明らかにしたことなどもあり34円台に再び乗せた。しかしBTCなどが年初来高値を大きく更新する中、月初の水準を抜けずにいると、じりじりと値を下げ始め、30円を割り込んでいる。

BCH:今月のBCH相場は上値の重い展開。ビットメイン社が内紛の影響で新型ASICの出荷を3か月遅らせるとし、中国メディアが同社の評価額を引き下げる中、上値の重い展開が続いた。更にBTC ABCが11月のアップデートでマイニング報酬から8%開発費として徴収する変更を提案、これにViaBTCが開発費をABCが独占する仕組みに反対、ABCは11月を待たずにHFを計画、分裂が現実味を帯びたことから上値の重い展開が続いている。

LTC:今月のLTC相場は底堅い展開。LTC専用のVISAデビットカードが発行、GrayscaleのLTC TrustのOTC価格が急騰する中、60ドルの水準を回復、底堅く推移している。



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松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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