日銀のCBDCは電子マネーを駆逐するか?

2020-10-05 18:07[ にく

暗号資産(仮想通貨)小噺 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン

週末にGOTOトラベルキャンペーンを利用しました。実は、私は埼玉県民なのでこれまでもちょくちょく利用していたのですが、10月1日からのフルサービス、すなわち旅行代金の35%引きと地域振興券での還付15%の合計50%割引となってからの初旅行です。東京の方はあまりご存じなかったと思いますが、7月の連休にキャンペーンが始まった当時は旅行代金の35%引きだけで、それも最初は宿泊先から証明書を貰って個別に郵送などで請求するという面倒なものでした。8月に入って旅行代理店が代行することで個別の申請が不要になるというシステムが始まって、個別の請求は終了しましたが、当初は旅行会社のサイトも一度全額請求されてから返金されるなど、かなり混乱を見せていました。この間、ずっと35%の旅行代金割引だけで、残り15%の地域振興券での還付はComing Soonのままでした。

これが10月1日から地域振興券配布スタートで旅行代金が実質50%引きになった訳です。とはいえ振興券への道は平たんではありませんでした。この情報を耳にした9月前半に予約を入れたのですが、その時点では振興券は宿泊先で(紙ベースで)配布されると説明されていました。ところが、宿に到着してみると、まだ紙ベースの配布は間に合っていない様子で、フロントで振興券をくれと言っても全く話が通じず仕舞い。いつの間にか、紙でなく、電子クーポンでの配布に変更になっていたようで、渋々、予約をした旅行業者の番号と予約番号を調べ、GOTOのサイトから発行する羽目になりました。というのは、今回のキャンペーンは割引を適用するために旅行会社を通す必要があります。しかし、最近はホテルにとって手数料が発生しない公式サイトからの予約が一番有利であるケースが多く、その場合はよく知らない旅行会社を経由したりするので、予約確認メールなどをよく探してみないと旅行会社の名前や番号などが分からないのです。

電子振興券(クーポン)は当初旅行代金の15%を目途に1000円単位で発行枠が割り当てられます。それを5000円2000円1000円の区切りで発行して利用する形を取ります。注意しなければならないのが、発行がチェックイン日で有効期限がチェックアウト時、すなわち滞在中に使い切らなくてはいけません。しかし、この振興券がどこで使えるのかも良く分からないので、ホテルで使ってしまえと息子と二人で舟釣りツアーに申し込んでしまいました。最初は面倒だったクーポンでの支払いですが、QRコードを読み込めば一瞬で決済できる分、慣れてしまえば現金やカードよりも便利かもしれないとさえ思いました。また、街に出たら使えないかもしれないと思ってホテルで使ってしまいましたが、開始3日目にも拘らず、旅行者が立ち寄るようなお店はどこへ行っても水色のGOTOキャンペーンのポスターやQRコードが貼られていました。皆さんも観光地に行ったらぜひ探してみてください。

気になって調べてみたら、地域振興券の配布がまだ始まっていない9月28日の段階で振興券取扱店舗数は既に5.9万軒。まだまだ国内のカード会社やPaypayなどQRコード決済業者の加盟店数と比べるとまだまだですが、カード会社は60年かけて7百万軒(平成30年特定サービス産業実態調査)に達したのに対し、Paypayは1年半で2.2百万軒(同社発表4月22日時点)に達しています。10月1日の開始時点で紙が届いていないだとか、PRも十分とは思えない地域振興券ですが、開始前から約6万軒も登録されています。この数字を見ると、カードリーダーや高い加盟店手数料など加盟店の負担が大きかったクレジットカードに対し、比較的加盟店の負担の少ないQRコード決済の普及スピードは圧倒的に早く、更に加盟店の負担が殆どないGOTOに至っては説明が分かりにくかろうが、PR不足だとマスコミで言われようが、HPひとつで開始前から万単位の加盟店が集まる訳です。即ち、これまでの決済事業はカード会社などが地道に切り開いた加盟店網が圧倒的な強みで、インフラであり蓄積だと思っていたし、Paypayの躍進は巨大な資本力とPRの代物と思ってきたのですが、どうもそうではないらしく、技術が進んだ結果、加盟店にとってメリットがあるならば自然とお店は集まってくる時代になったのかもしれません。

今回は同じ国による事業と言っても地域振興券なので電子マネーとは競合しませんでしたが、来るべき日銀によるCBDCの場合はどうでしょうか。まだ制度設計も何も出ていないので予想でしかありませんが、CBDCは通貨と同じなので換金の必要がなく、決済コストが限りなく低くなり、運営母体も日銀なので加盟店手数料を徴収する必要がありません。カード会社の高額の手数料に悩まされてきたお店にとっては願ってもない存在です。問題の普及スピードですが、QRコード決済はあっという間に普及することを我々は既に経験してしまいました。対する電子マネー側は余程消費者にメリットを還元しないと生き残りが容易でなくなる可能性もあります。もちろん日銀がこうした業者に手心を加える可能性も否定できませんが、世論の監視の下、消費者がデメリットを被る形がそう許される訳でもないでしょう。このGOTO加盟店の普及を見て、そんなことを考えていました。

因みに、国土交通省所管の地域振興券のQRコードですが、残念ながら総務省所管の共通QRコードではありませんでした。流石に、そこは省庁の壁は破れなかったようですね。

にく

前職は外資系金融機関外国為替営業。国内だけでなく海外を仕事(?)で飛び回る日々を送っていた。自らライオンと称しているが、他の動物に例えられることが多い。 好きなものは東南アジア諸国。趣味は早朝ゴルフ。特技はタイ語。

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