実証実験 XRPで企業間の債券債務を決済 先日付でのヘッジも可能に

2020-12-03 10:04[ 中村健太郎

Financial DX 仮想通貨 暗号資産 XRP

先日プレスリリースでも公表させていただきましたが、弊社と住友商事が中心となり、企業間の債券債務を試験的にXRPで決済、及び決済日までの変動リスクをヘッジする先日付取引の実証実験を行いました。本件は国内初の暗号資産を用いた対大手事業会社の先日付取引で、弊社がビジネスプランとして掲げる「暗号資産のSwap市場の創設」に向けた第一歩となります。本稿では実証実験の意義や概要に触れていきたいと思います。

  • 暗号資産のSwap市場を創設し、実需での利用拡大を図る。
  • Swap市場の創設により暗号資産の本来の優位性を発揮。
  • 実証実験を通して、実需取引における実務的な課題を解消。


暗号資産のSwap市場の創設

暗号資産を企業の実需取引に利用

暗号資産は足元の値動きでも分かる通り、非常にボラティリティが高く、保有する人のほとんどが投機目的となっていると思います。一方で暗号資産を決済で利用するという側面から見てみると、低コストで即時に決済できるというメリットがあります。値動きが激しいという特徴は、決済手段としてはデメリットになり得ますが、暗号資産のSwap市場が創設されることによって、この値動きのリスクをヘッジすることができるようになれば、暗号資産の本来の優位性を発揮することができます(暗号資産のSwap市場が必要な理由はこちらをご参照ください)。




実需取引に不可欠なSwap市場

例えば、企業が外貨建ての支払いを行う場合、支払日までは為替リスクを負うことになります。法定通貨であればSwap市場が創設されており、為替予約という仕組みによって外貨の値動きをヘッジすることができますが、暗号資産はSwap市場が未熟であるため、先日付での取引をすることができません(=リスクヘッジができません)。直近の相場のように値動きが数日間で数十~数百パーセントとなると円価換算の支払額が大きく膨れ上がってしまう可能性もあります。従って、企業が実需取引で暗号資産を利用するにはリスクヘッジが必須、即ち暗号資産のSwap市場の創設が不可欠となります。今回の実証実験では暗号資産のSwap市場創設に向けた第一歩となります。


個人間決済とは異なる企業間決済のハードル

実務面の整備が不可欠

個人が自身のリスクで暗号資産を利用することとは異なり、企業が暗号資産を利用するには実務面の整備、リスク管理等の社内ルールの設定、システムの導入など様々な課題を解決しなければなりません。企業側では基本的に外貨決済のフローに乗せて実務を行いますが、法定通貨の決済とは異なり、銀行口座ではなく、アドレスに向けての送付となる(=アドレスを間違うと暗号資産を失う)ことや、既存システムでは暗号資産建ての債券債務を認識できないといった会計上の課題もありました。今回の実証実験を通して、企業の実需取引で暗号資産を利用する道筋は見えてきたことも成果ですが、様々な課題の洗い出しができたことも大きな成果でした。このように企業が暗号資産を利用するには乗り越えるべき課題がありますが、実証実験を通して、これらの課題をクリアし、実用化に向けて取り組んでいきたいと考えています。

中村健太郎 (なかむらけんたろう)

大手総合商社で為替予約・ポジション管理、トレードファイナンス、バックオフィス等、幅広く財務関連業務の経験あり。海外(シンガポール)では、アジア・大洋州地域のコーポレートファイナンスに従事し、2019年10月より現職。

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暗号資産を利用する際の注意点
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