2021.01.15【来週にも再び高値トライか?ビットコイン人気が続く理由】
2021-01-15 16:32[ 松田康生 ]
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120万円下げて、100万円戻す
今週のBTC相場は下に行って来いの展開。土曜日に435万円と史上最高値を更新した後、311万円まで3割弱の急落を見せたが、たった3日で400万円台に回復するなど相場の回復力が際立っていた。弱い内容だった米雇用統計を受けバイデン次期大統領が2000ドルの小切手配布に意欲を見せたこともあり435万円、42000ドルに達したBTC相場だったが、マイナーの売りや36000ドルの巨大オプション・ストライクの買い手のデルタヘッジもあり上値を重くすると、英FCAがBTC投資に警告を発したこともあり311万円台まで値を落とした。しかし先ほどのデルタヘッジの買い戻しやグレイスケールの投信の再募集などもあり36000ドル近辺に値を戻すと巨大オプションが突如解消、その売り手がヘッジで買っていたポジションのアンワインドもあり上値を重くしたが、FRB関係者のハト派発言が続いたこともあり400万円台に回復している。Outlook
36000ドルのオプションの影響
来週のBTC相場は引き続き堅調な展開を予想する。先週は、財政支出と金融緩和というBTC買いの両輪が順回転、半減期による供給減の影響も見られ「堅調な展開を予想」した。先々週指摘した36000ドルの巨大オプションについては、ストライクを抜けて売り手の買いヘッジが相場を押し上げたと申し上げた。ところが42000ドルに達したところで沈黙していた買い手の売りヘッジが出て、30000ドルに水準で買い戻しが出た様な値動きを見せた。通常、ストライクから上下1000ドル程度で見られていたマグネット効果が4000ドル規模で発生した格好だ。確かに価格が1万ドルから4倍になっているのだから、デルタヘッジの幅も4倍になっても首肯できる。
それでもBTC人気が続く訳
そのオプションが半減、影響が薄くなると400万円を回復した。弱い雇用統計を受けて更なる財政支出と金融緩和の継続が約束されたことが背景か。上は普段増減が注目される米非農業雇用者の水準の推移。昨年のロックダウンで雇用者がピークから23百万人消滅、その後、14百万人回復するもまだ9百万人足りない。これが元に戻るまで米当局は景気を下支えする必要があり、インフレ圧力がかかり続け、BTC人気が続くことが予想される。
来週中にも高値更新の可能性
松田康生 (まつだやすお)
営業推進部 部長代理
東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。
短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通
twitterアカウント:@FXcoin_matsuda