2021.01.22【ビットコインの急落、単なる調整か、ピークアウトか見極める】
2021-01-22 17:10[ 松田康生 ]
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Review
300万円を割り込む
今週のBTC相場は大きく下落。350万円から400万円でのレンジ取引が続いたが、週末にかけて下にブレークすると一時300万円割れまでの急落を見せている。バイデン新政権での追加景気対策が当初予想より小粒だったこともあり400万円台から上値を押さえられたBTC相場だが、募集を再開したグレイスケールで1日に7億ドルの資金流入など旺盛な機関投資家需要に支えられてレンジ取引を続けていた。ETHが史上最高値を更新する中、400万円をトライするもイエレン新財務長官がマネロン規制の強化に言及したこともあり上値を押さえられると、後に間違いと判明したが、2重払いの噂などもあり350万円を割り込んだ。ブラックロックの新規参入報道で反発するも上げきれずにいるとレンジを下抜けて下げ足を速め、更に自称サトシのクレイグ氏がホワイトペーパーの著作権を主張、JPモルガンがBTCはヘッジに向かないとのレポートもあり一時300万円を割り込んだ。
Outlook
軽めの調整シナリオが否定される
来週のBTC相場は底値を固める展開を予想する。先週は、2017年のパターンとして「①3割前後の調整ならば1-2週間で全戻し②4割弱の調整なら上昇相場継続だが、全戻しに1-2か月③その前回高値をクリアできず次の4割超の下落局面入りした場合はもう強気相場は終わった可能性が高い」と紹介、「今回の調整幅は28%で①にあたるとすればピークから1-2週間、来週中にも高値更新の可能性」とし「底堅い展開」を予想した。しかし310万円から100万円急反発、底値を固めたかに思われたが、週末にかけてその安値を割り込み、ピークからの下落幅も3割を超えてきた。
全治1-2か月の重めの調整
上記は前回の半減期から7か月経過した2017年3月から11月まで急上昇相場の間に3割以上の調整したケースの下落幅と高値から安値、安値から全戻しまでの日数。上の3つのカテゴリーで言えば②のケースに当てはまる。それにしても上記の9か月の間に相場は、BTC価格は10倍になったのに3割の調整が5回もあったのには驚く。①のケースを想定して1-2週間での全戻しを予想していたが、②のケースだとここが安値として平均で19日要している。因みにもう1割、ピークから4割以上下落した場合はピークアウトした可能性があるので要注意だ。
ピークアウトではない理由
松田康生 (まつだやすお)
シニアストラテジスト
東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。
短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通
twitterアカウント:@FXcoin_matsuda