ビットコイン市場でアービトラージが可能な理由~ジャパンプレミアムは存在するか

2021-02-25 17:50[ 松田康生

トピック 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン

BTCを代表とする暗号資産市場では裁定機会があることが知られている。各交換所ごとに微妙に価格に差が生じていて、例えばBTCが安い交換所で買って、高い交換所で売る操作を同時に行い、価格変動リスクを負わずに利ザヤを得ることが可能だ。株式や債券・商品先物のように集中して取引が行われる取引所がある訳でなく、また為替の様な非常に効率的なインターバンク市場が整備されている訳ではないことが一因で、成長途上の市場であるが故の収益機会とも言えよう。
実は、こうした裁定機会は他の市場でも存在していて、為替で言えば、ユーロ円とユーロドルとドル円との価格の歪みを裁定する取引もるし、株では日経平均の採用の225銘柄やTOPIXの全銘柄とINDEX価格との差を裁定する取引も行われている。通常、こうした裁定機会が生じてもすぐに裁定取引により解消してしまうはずだが、暗号資産の場合、交換所の多くでBTCなどを売るには予め預けておかないといけなかったり、買った交換所から売った交換所への送付に時間を要したりして、交換所内の需給により生じた交換所間の価格差が暫く残るケースが散見される。



上は、米国に拠点を持つ3交換所(Coinbase、Kraken、Gemini)間の価格差の乖離率(日足引け値ベースで最も高かった価格―最も安かった価格)÷引け値)と国内の3交換所(bitFlyer、Coincheck、Bitbank)間の乖離率を棒グラフで並べてみた。米国内、日本国内の交換所間の乖離率は稀に大きく跳ねる場合もあるが、平均すると米国が0.08%、日本が0.14%(2020年7月1日~2021年2月23日)と低く、国内で裁定が効いている様子が窺える。緑の折れ線は国内の交換所の平均と海外の交換所だがBTCJPYを提供している2社(Bitfinex、Kraken)の平均との乖離率。米国内、日本国内と比べて乖離が大きく、同期間の平均は0.29%となっている。
これは同じ国内であれば法定通貨の送金がスムースに行くが、国境を越える送金の場合、手数料も高く、またマネーロンダリング等の要請から資金使途のチェックも厳しくなり、銀行によっては暗号資産関連の送金も取り扱わないケースもあり、裁定が効きにくいという事を反映していると思われる。以前は、外為管理が厳しく、国内でしかウォン取引を認めていない韓国ではキムチプレミアムと呼ばれるBTCの内外価格差が生じていた。今でもベネズエラやアルゼンチンなど為替市場が開放されていない国でBTC需要が高まると、そうした内外価格差が報告されている。

この記事は当社会員専用です。ログインしてご覧下さい。

当社会員でないお客様は、口座開設が必要です。

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通
twitterアカウント:@FXcoin_matsuda

アーカイブ

金融庁のホームページには以下の留意事項が掲載されています。
暗号資産交換業者登録一覧 
https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/kasoutuka.pdf

  • 本一覧に記載した暗号資産は、取り扱う暗号資産交換業者に説明を求め、資金決済法上の定義を満たしていることが確認されたものにすぎません。
  • 本一覧に記載した暗号資産は、金融庁・財務局がその価値を保証したり、推奨するものではありません。暗号資産は、必ずしも裏付けとなる資産があるわけではなく、財産的価値を有すると認められた電子データに過ぎないことにご留意ください。
  • 暗号資産の取引を行う際には、以下の注意点にご留意ください。

暗号資産を利用する際の注意点
https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency/04.pdf

  • 暗号資産は、日本円やドルなどのように国がその価値を保証している「法定通貨」ではありません。インターネット上でやりとりされる電子データです。
  • 暗号資産は、価格が変動することがあります。暗号資産の価格が急落し、損をする可能性があります。
  • 暗号資産交換業者(※)は金融庁・財務局への登録が必要です。利用する際は登録を受けた事業者か金融庁・財務局のホームページで確認してください。
    (※)暗号資産と法定通貨の交換や、暗号資産同士の交換を行うサービスを提供する事業者、暗号資産の管理を行う事業者など
  • 暗号資産の取引を行う場合、事業者が金融庁・財務局から行政処分を受けているか(※)を含め、取引内容やリスク(価格変動リスク、サイバーセキュリティリスク等)について、利用しようとする事業者から説明を受け、十分に理解するようにしてください。
    (※)金融庁・財務局が行った行政処分については、こちらをご覧ください。 https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency02/index.html
  • 暗号資産交換業者の提供するウォレットで暗号資産を管理する際に、パスワードを設定する場合には、IDと同じものや利用者の名前、電話番号、生年月日等の推測が容易なものを避けるほか、他のウェブサイトと同じID・パスワードの組合せを使用しないなどの対策を講じる必要があります。管理する暗号資産が盗まれるおそれがあります。
  • 暗号資産や詐欺的なコインに関する相談が増えています。暗号資産の持つ話題性を利用したり、暗号資産交換業に関する制度改正に便乗したりする詐欺や悪質商法にご注意ください。

取引にあたっての注意事項

  • 取引にあたり手数料が発生することがあります。手数料の詳細については、こちらをご確認ください。
  • 取引ではスプレッドが発生します。スプレッドとは売値(BID)と買値(ASK)の差のことで、レートの変動によって値幅が広がる場合、狭まる場合があります。
  • 暗号資産取引では価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。取引にあたっては、各種約款、契約締結前交付書面やお客さま向けの資料等をよくお読みになり、取引の内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

暗号資産に関するリスクについて

  • 暗号資産は、日本円等の法定通貨とは異なり、国等によりその価値が保証されているものではありません。
  • 暗号資産取引に使用する秘密鍵を失った場合、保有する暗号資産を利用することができず、その価値を失うことがあります。
  • 暗号資産は、ブロックチェーンその他の記録の仕組みが破たんした場合には、その価値が失われることがあります。
  • 暗号資産の価格が変動することによって損失が発生することがあります。
  • 暗号資産は、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り、代価の弁済のために使用することができます。
  • 当社はお客様の資産を当社の資産とは分別して管理おりますが、当社が倒産した場合には、預託された資産を返還することができない可能性があります。
  • 当コンテンツは投資判断の参考として投資一般に関する情報提供を目的としたものであり、投資に関する最終的な決定は、利用者ご自身の判断でなさるようお願いいたします。これらの情報によって生じたいかなる損害についても、当社及び本情報提供者は一切の責任を負いません。

FXcoin 株式会社

  • 暗号資産交換業者:登録番号 関東財務局長 第 00019 号
  • 所属する認定資金決済事業者協会:一般社団法人 日本暗号資産取引業協会