DeFi VS. Fintech 本質的違いはなにか
2021-05-14 16:00[ Fracton Ventures ]
まずDeFiはパブリックブロックチェーン上で提供されているソフトウェアによる金融サービスです。主にはEthereumというパブリックブロックチェーンが利用されていますが、他のブロックチェーン上でもDeFiサービスを作っていきたいとする開発者がいます。DeFiを説明するには、まずパブリックブロックチェーンがかかせません。BitcoinやEthereumといったパブリックブロックチェーンは、ネットワークが安定して運用されている限りマイナーの存在があるおかげ、誰でもノードを建てられるおかげで常に改ざん等の可能性を低くしてくれています。
あわせてスマートコントラクトと呼ばれる仕組みが必要です。ある特定の操作を自動執行してくれます。これによりコードを都度書いて実行することなく、複雑なブロックチェーン上の処理を毎回決まった動きで実行できるようになりました。このスマートコントラクトを金融分野で実行しているのがDeFiということになります。

出典:https://defipulse.com/
マーケット全体も膨れ上がっています。DeFi情報サイトDeFi Pulseによると現在DeFi全体にロックされている暗号資産の総額は約8.9兆円(約$82B)にも登ります。一年前、2020年の6月にはようやく約1,100億円($1B)を越えたことが話題になっていたことを振り返るとあまりに驚異的、それも指数関数的にマーケットが成長していることがわかるのではないでしょうか。
FintechとDeFiでは何が違うのかについても、最後に触れておきましょう。Fintechの世界では、とりわけ海外で多くなっているチャレンジャーバンクなどと呼ばれる銀行APIを活用したサービスが目立っています。新規サービスや付加価値を若い層などに提供すること、大規模な資金調達を行うことで急速に規模を拡大する戦略を取っています。これはアプローチとしては既存の金融業界の一歩から二歩先と言える方法で、イノベーションを生んでいると言えるのではないでしょうか。
対してDeFiでは、そもそもソフトウェアからの進化です。金融サービスを良くしていこうというアプローチではなく、パブリックブロックチェーンの上で何ができるのかという点からただの送金網で終わらないことを望んだコミュニティ、開発者がオープンな金融サービスをソフトウェアとして実現させています。必ずしも大規模な資金調達を伴わずに成長できることもこの分野の独自性です。また、この分野ならではの開発のオープンさや、用いているスマートコントラクトのコードがオープンであることなどは既存の金融サービスのビジネスモデルとは一線を画しており、その独自性を垣間見ることができるでしょう。これは金融サービスのプログラムではなく、プログラムできる金融なのです。
このようにDeFiはソフトウェアが金融サービスを内包してきた現れであり、今までのFintechの流れとは真逆のアプローチとも言えるのではないでしょうか。DeFiについては、世界規模で拡大が進んでおり、今後もより成長が期待できる分野であることは間違いないでしょう。
Fracton Ventures (フラクトン ベンチャーズ)
Fracton VenturesはWeb3.0の未来を支援者ではなく貢献者として共創していく専門家集団です。Web3.0社会の実現に向けてグローバルエコシステムの一助を担うべく活動を行うと共に、サステナブルかつオープンなプロトコルを育てる為のトークン設計を行っていきます。