テーパリングとビットコイン、米金融政策との関係を探る

2021-05-27 16:00[ 松田康生

トピック 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン

BTC相場は64,000ドル台から30,000ドル近辺まで5割以上の下落を見せ、昨年来の上昇トレンドは終止符を打った格好となった。この上昇相場は年後半に8百万円でピークアウトするというのが弊社の見方だったが、年前半に7百万円でピークアウトする形となった。昨年末のYearly Reportでは「インフレヘッジの動きは2021年も続くと考えるが、ワクチン接種が進み経済も回復、米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和のマイナス面に目を向けざるを得なくなるタイミングで、ヘッジとして購入したBTCに利食いの動きが到来」するとしたが、その動きが思ったよりも早く到来したのかもしれない。本稿では、このFRBの緩和縮小の動き、いわゆるテーパリングとBTC相場の関係を過去に遡り観察しながら、今何が起ころうとしているかを探り、今後の相場展開を考えたい。



先日の「現役大学生の暗号資産(仮想通貨)取引奮闘記」で「テーパリング相場の号砲 仮想通貨急落は前ぶれ」という5月23日の日経電子版の記事が紹介された。
要旨は、
・5月に入り世界のマーケットが不安定になっている。
・米連邦準備理事会(FRB)の資産購入の縮小(テーパリング)がいつ始まるのかが焦点。
・暗号資産(仮想通貨)の暴落は、これから始まるテーパリング相場の前ぶれだろう。
この記事の根拠となっている2017年末から翌年にかけての相場状況が上図から見て取れる。2017年末にBTCがピークを迎え、そこから1か月程度遅れて米株も調整を迎えている。その背景にあると思われるのがFRBのマネタリーベースの前年比伸び率(緑の棒線)であり、そのマネタリーベースの伸び率のピークは、BTCのピークと見事に重なりあっている。



こうしたマネタリーベースの伸びのピークとBTCのピークが一致するのは偶然ではないと考える。上図は2013年のBTCのピーク、そして続く米株の調整とマネタリーベースの伸び率の推移だ(スケールを合わせる為に米株(NYダウ)は1/10にしている)。2013年12月をピークとするマネタリーベースの伸び率の鈍化は1月からのテーパリング開始によるものだ。2013年5月の議会証言で、当時のバーナンキFRB議長はリーマンショック以降3回目となる量的緩和(QE3)の縮小の可能性を示唆、6月のFOMC後の記者会見でも出口戦略に言及した。そして12月のFOMCで2014年1月から債券購入額を月850億ドルから750億ドルに減額することを決定、ほぼ同じタイミングでBTCもピークアウトしている。因みにこの時は新規購入額を減らしたもので、2017年9月のFOMCで2008年から2014年に購入した債券などの保有量を段階的に減らすことが決定され、同年12月の伸び率鈍化(およびBTC・米株市場のクラッシュ)に繋がっていく。

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松田康生 (まつだやすお)

営業推進部 部長代理

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通
twitterアカウント:@FXcoin_matsuda

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