ブロックチェーンゲームの今
2021-10-15 10:00[ Fracton Ventures ]
業界団体であるBlockchain Game Allianceが著名サイトDappRaderと共に出していたレポートに具体的なブロックチェーンゲームの伸び率が掲載されていました。

出典:DappRader
・2021Q3(以下全てQ3表記は米国基準)ではデイリーで154万個のUAWが新規にトランザクションを発生させていた。
・上記の54%はブロックチェーンゲームタイトルをプレイしたことが確認されている。
※UAWはユーザーアクティブウォレットを指す。一人が複数個のウォレットアドレスを用いる場合もある為、純粋なユーザー数よりは多い数が検出されることが想定される。
これはとてもインパクトのある数字です。新規に暗号資産ウォレットをアクティブ(はじめてのトランザクションを起こした)にした方の半数で何らかのブロックチェーンゲームに触れていたというデータは、新規ユーザーが目的をもってこの分野でウォレットアドレスを生成したことを裏付けています。
・ブロックチェーンゲーム関連の2021Q3のNFT取引高は$2.32Bに上る
・NFT全体の取引量に占めるブロックチェーンゲーム関連のNFT取引高は21.72%
これも興味深いデータです。ブロックチェーンゲームでは、ゲームに新しく参加する際に初期費用としてゲームアイテムのNFTを購入したり、飽きてしまいゲームを辞める際にもNFTを売却したりすることができるなど、今までのゲームにはなかったユーザー体験が行えます。このようなブロックチェーンゲーム関連のNFTの一部には、ただそれらを投機目的で売買するようなウォレットアドレスも現れるなど、全体的に加熱傾向であることが窺えます。
・最大手のブロックチェーンゲームタイトルAxie Infinityの2021Q3の流通総額は$2.5Bにのぼる
・上記金額はNBA TopshotやCryptoPunksを超えた数値
Axie Infinity大成功の1つの理由は、トランザクションを自前のブロックチェーン(Sidechain)であるRoninに移行したことではないでしょうか。これでよりガス代といった手数料を気にすることなく、細かいトランザクションを多く発生させることが可能になり、ユーザー体験を向上させたことがこの結果につながっているのではないでしょうか。
ブロックチェーンゲームは、NFTの台頭の中でじわりとその活躍を見せつつある分野です。直近ではAxie Infinityをはじめ、Play to Earnというゲームを遊ぶことで稼ぐというコンセプトを売りにしたブロックチェーンゲームタイトルが数多く発表されるようになっており、その世界観やビジュアルもより豪華に、またゲームとしての性能がより優秀になってきているなど進化が続いています。また、DeFiの要素を加えたGemeFiといった言葉も登場しており、ブロックチェーンゲームが単にゲームとしてだけではなく、既存のパブリックブロックチェーンのエコシステムを活用していく形でより進化、成長していく未来がありそうですね。
今後のブロックチェーン分野の台頭を予想する際には、こうしたブロックチェーンゲームがどのブロックチェーンでより活発にトランザクションを起こす要因になるかなどといった観点で分析していくのも面白いのかもしれません。
Fracton Ventures (フラクトン ベンチャーズ)
Fracton VenturesはWeb3.0の未来を支援者ではなく貢献者として共創していく専門家集団です。Web3.0社会の実現に向けてグローバルエコシステムの一助を担うべく活動を行うと共に、サステナブルかつオープンなプロトコルを育てる為のトークン設計を行っていきます。