コラム

黒船に乗ってきました

2018-11-26 19:31[ にく

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3連休は伊豆に小旅行に行って来ました。1泊目は「伊東に行くなら」で有名なホテルの系列、2泊目は稲取にある、関係は分かりませんが、これまたCMで有名だったホテルと同じ名前で、若い人はご存じないと思いますが、ひと昔(ふた昔?)前はこうした伊豆のホテルのCMをよく目にしたものです。行ってみると、立地は素晴らしいのですが、河口湖や軽井沢、那須と言った人気の観光地と比べ、全体的に施設の老朽化が気になりましたが、泊まった宿はいずれも夕食は子供連れにはありがたいバイキング形式にしつつ海鮮中心にするなど特色も出しており、温水プールがあったり、お風呂の壁が魚やウミガメが泳ぐ水槽だったり、地元で最大級のキッズスペースがあったり、家族みんなで入れる貸し切り風呂を無料で提供したりと家族連れに特化してなかなかの人気でした。

初日はホテルのプールで泳ぎ、2日目はカピバラの湯で有名なシャボテン公園と大室山のリフト、息子のリクエストで猫の博物館に行き、3日目は下田へ足を延ばし、サスケハナ号で港内遊覧と海中水族館でイルカのショーを見て帰ってきましたが、回り切れなかったぐらんぱる公園やアニマルキングダムなど子供向け施設も充実していました。個人的には初下田で、ここが江戸時代の海の関所かと感慨深いものでしたが、子供たちは甲板から投げ上げたかっぱえびせんを海鳥が見事にキャッチするのが楽しかった様です。

ただ、閉口したのが渋滞です。行きは首都高中央環状線から3号線に入ったところで町田を先頭に事故渋滞20キロ130分という表示を見て、用賀で降りて環八で第3京浜に移動し、保土ヶ谷バイパスから町田で東名に戻る迂回ルートを選択したのですが、保土ヶ谷のパーキングエリアで町田インターまで80分という表示に、横浜新道を直進し、国道1号線経由で西湘バイパスを目指すルートに変更、すると横浜新道も戸塚出口まで渋滞5キロで50分という表示を見て、東戸塚辺りから下道に下りることにしました。高速の渋滞情報は上から2つしか表示されないので、近くまで行ってみて初めて状況が判明します。この日は連休の初日で東名が動かないので皆さん迂回路に回ったせいか、その後も断続的に渋滞が続き、川口を9時に出て伊東に着いたのは15時過ぎ、距離にして140Kmを6時間を要しました。これではわざわざ温泉に疲れを取りに行くのか、作りに行くのかよく分かりません。軽井沢や那須と比べて伊豆はなんとなく寂れている印象があったのですが、このアクセスの悪さでは仕方のないところです。特に小田原を越えてからのインフラの貧弱さ、住んでいる人が気の毒に思えます。電車で行けばいいと思われるかもしれませんが、9月に飛行機内で大顰蹙を買って以来、いくら子供が騒いでも大丈夫なように出来るだけ公共交通機関を使わず、郊外へ連れて行くという方針なので基本的に自家用車での移動です。

渋滞を避けようと迂回して大失敗した往路を反省し、下田からの帰りはカーナビ通り、天城峠越えて伊豆縦断道路から新東名に乗ったのですが、これが大失敗で、長泉沼津インターを乗ってすぐに御殿場まで90分、そこから大井松田まで130分、秦野中井から町田まで80分、結局、210Kmを8時間かけて帰る羽目に至りました。休憩時間も含めての話ですが、行き6時間、帰り8時間って、ここはハワイかと思わず突っ込みたくなる一方で、これでは伊豆で商売やっている人は可哀そうだと思いました。まあ、ゴルフでも最初のパットでオーバーすれば、次はだいたいショートする、行き迂回して失敗して、帰りはバカ正直に行って更に大失敗です。それも、ここまで時間がかかるケースは大体が事故渋滞で、現場を通り過ぎると、本当に大したことのない追突事故が多く、もうこの持って行きようがない怒りをどうしてくれ様か、、、まあ、会社に入って、結婚して、子供が出来て、そう思わない日は無いと言ったら言い過ぎでしょうか。

仮想通貨界の中で、今回のBCH分裂騒動に関して、この持って行きようの無い憤りを感じていらっしゃる方が多いと思います。このお話は遡ればBTC時代から火種は燻ぶっていたのですが、事の始まりはBTCのスケーラビリティー問題からです。元々、BTCは1ブロックサイズが1MBに決められていて、これでは1秒間に5-7件程度しか取引を処理できないという問題を抱えていました。BTCは取引が多いので昨年の大相場などでは処理しきれずに送金が遅延したり、自らの取引を先に処理してもらおうと手数料が高騰すると言った問題が生じていました。要は交通渋滞です。この渋滞解消するためにSegwitというソフトを利用してデータを圧縮しようとした提案したのがBTCの開発者らで、1ブロックのサイズを引き上げようとしたのがBitcoin ABCやUnlimitedらの今のBCHのコミュニティーでした。結局、昨年8月にBTCはSegwitを実装し、対するBCH側は1ブロックサイズを8MBに引き上げて分岐しました。その後、BCHはブロックサイズを32MBまで引き上げ11月のアップデートを迎えることになりました。

そこでABCが提案したのがイーサリアムの様なスマートコントラクトの実装と違うブロックチェーンとトークンの交換が出来るクロスチェーンの実装でした。その意図は測りかねますが、まあBCHをより便利なものにしようとする試みという感じでしょうか。これに対し、自称元サトシのクレイグ・ライト氏が反対、SVという異なるバージョンのアップデートを提案します。内容は現在32MBのブロックサイズを128MBに引き上げようというものです。BCHはもっと決済に利用してもらおう、その為には渋滞解消が必要だ、渋滞解消するには道を広くするのが一番だ、そうSVは考えたのでしょう。こう考えるとSVの意見の方が筋が通っている気がします。しかし、ことBCHに関しては今までの32MBでもほぼ渋滞は発生していないので、お客が来ないのは渋滞が原因では無くて施設自体の魅力が足らないのではないか、温水プールを作ったり、キッズルームを作ったり、バリ風の内装にしてみたり、食事をバイキング形式にしてみたり、そうした工夫の方が必要なのではないか、こう考えたのがABCなのかもしれません。ああ、もう何だか、BCHの話なのか、伊豆の旅館の話なのか何だか分からなくなってきました。伝統を守るのか、新たなチェレンジするのか、問題を取り除くのか、魅力を増すのか、ビジネスの世界でもこうした路線対立は往々にして分裂をもたらしがちです。なぜなら、将来、ユーザーが下す答えは、現時点では分からないからです。

この対立の激化が仮想通貨全体を揺るがしたのはご承知の通りですが、今回はSVのスポンサーであるカルビン・エアー氏が、SVはBTCの正式な継承者であり、BCHの名称に拘らないと絶妙なビジネス・ジャッジをして暴走気味のクレイグ氏も矛を収めた形となっています。SVは独立した通貨として値を戻し始め、採算度外視だったハッシュレートも採算がとれるレベルに戻ってきました。この騒動の収束も今週いっぱいかと見ています。BTC相場の混乱もそろそろ収束すると考えています。

ただ、今回の騒動はBTCのマイナーが一時的に採算を度外視してBCHやBCH SVにハッシュパワーをシフトすれば容易に過半数を取れることを示してしまったという意味ではパンドラの箱を開けてしまった感があります。GPUでマイニングする通貨は多く、他の草コインでは容易にチェーンを支配することが可能であることも示しています。BTCの様に時価総額の大きい通貨はともかく規模の小さい通貨は何らかの防御策が無いと生き残れなくなる可能性があります。伊豆で例えれば、木更津の竜〇城の登場でしょうか。都心からのアクセスも良く、温水プールも、巨大なキッズルームも完備、黄金風呂や流れるお風呂まであり、土日はほぼ満室です。ただ、アクアラインの渋滞も酷く、川口まで60Kmを3時間以上かかる時もあるので平均時速はこちらの方が遅いですね。デジタルの世界は簡単に容量を拡張できるのでうらやましい限りです。

にく

前職は外資系金融機関外国為替営業。国内だけでなく海外を仕事(?)で飛び回る日々を送っていた。自らライオンと称しているが、他の動物に例えられることが多い。 好きなものは東南アジア諸国。趣味は早朝ゴルフ。特技はタイ語。

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