コラム

おもちゃのコイン

2018-12-03 21:47[ にく

仮想通貨小噺 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン

先日、八ヶ岳に行った際に雪のゲレンデの写真を見た息子が行ってみたいと言ったので、週末は相模湖プレジャーフォレストに行って来ました。昔の相模湖ピクニックランドだったのが10年前に経営も名前も変わったそうです。今回のお目当ては、人工雪のスノーパラダイスと、トレーラーハウスでの宿泊と、イルミネーション、そしてアスレチックです。何でも関東三大イルミネーションなるものの一つだそうで、なかなかの迫力でしたが、驚いたのが6時頃からこれを目当てに沢山のお客さんが来場することでした。場内はとても広いのでトレーラーハウス、BBQ場(火起こしなどのサポートが不要であればハウスのデッキで可能)、温泉施設などの間は自家用車で移動するのですが、なぜか場内で渋滞にあったりします。

もう一つ驚いたのはその地形です。一番近い駐車場から入場口までざっと100段以上の階段。入った後もかなり急峻な傾斜地にあり、頂上にあるアトラクションに行くにはリフトを利用します。どうやら、この施設はアウトドアやアスレチックなど体を動かすことをメインにしている様で、アスレチックも4つもあり、その最高峰のマッスルモンスターなどは見ているだけで絶叫しそうになります。それ以外の3つに息子もチャレンジしたのですが、案の定、天狗道場の初級編は泣いて引き返す羽目になりました。命綱をしているとはいえ5メートルの高さにある丸太の1本橋を何も捕まらずに渡るなんて芸当はお父さんでも困難です。スノーパラダイスも雪遊び場が本格的過ぎて、子供たちに言われて凍傷になりそうになりながら、クロックスでカマクラを作ったりしました。一番力が入ったのが宿泊者の特典で渡された宝探しです。初級・中級・上級それぞれ4つの宝箱を探してスタンプを押し、謎を解くと最後の宝箱にたどり着くというもので、息子と一緒に森やトンネルの中にある本当の宝箱を探して回るのはなかなか楽しいものです。しかし、中級から上級になるにつれ、宝箱の場所も難しくなり、上級の最後の宝箱に至っては、リフトで上がる急峻な坂を500メートル以上登った先の崖の上です。内心、子供相手にやりすぎだろうと思いつつ、迷子になるのが嫌だからと息子は必死についてきます。そして最後の宝箱を見つけてスタンプを押した時は親子でハイタッチです。さあ、後はもう完全クリアしたお宝をもらいに行くだけです。引換所となっている売店に行くと何やらお宝箱を持ってきます。そしてそれを開けると、、、宝箱にぎっしり詰まった小さな金色のおもちゃのコインが、、、これ1枚選んで、、、正確に言えばスタンプラリーの台紙は3枚あったので、直径2センチほどのコインを3枚もらったのですが、正直、予算が無いなら後で払っても構わないから、もう少し子供が喜ぶ、いいお宝をあげて欲しかったです。息子は家内にそのコインを渡し、2度とお宝について話すことはありませんでした。

市場でも、非常に期待された材料が実際に出てみたら大したことはなくて肩透かしに会う事はよくあります。駆け出しのNZドルディーラーをしていた頃に気合を入れて日本時間の朝5時に発表されるNZ中銀の政策金利発表に合わせて出勤して予想通りの結果に相場が動かず呆然とした覚えがあります。仮想通貨でも先日のSWELLのイベントでxRapidの商用開始がリリースされた時は逆にXRPが売られました。まあ、この場合は期待感で先に買われた分、Sell the Factが出た形でしたが。

因みに今、仮想通貨界で一番注目されている材料と言えばBTC ETFの承認でしょう。そして何故、注目されているかと言えば、機関投資家の参入のきっかけになると考えられているからです。しかし、ETF以外にも機関投資家が仮想通貨市場に入って来やすいインフラは揃いつつある上に、ここまで事前に注目を集めておいて、この材料は肩透かしに終わることはないのでしょうか?個人的にはETFの承認の有無が米国SECの仮想通貨投資へのお墨付きとなっている状況下、まあ外すことはないかなと考えています。というのは経済的効果ならNDFでもADRでもETPだとかBakktでもETFの代わりになりそうな商品はありそうなのだが、何故インフラが整備されても機関投資家が参入しない理由は法的性格や不正行為の禁止やハッキング時の補償など投資家保護が十分でないと思われるからで、ETFはSECがなかなか承認を出さなかった結果、そうした事のお墨付きという象徴的な立場になってしまったのだと思います。で、少し話外れましたが、機関投資家の参入が仮想通貨市場の上昇要因となるのかという点が次のポイントになります。

機関投資家と一口に言っても色々ありますが、ここで議論されているのは投信・保険・年金などお金を預かって運用している人たちです。ヘッジファンドも似た様な業態ですが、私募でレバレッジを利かす点が大きな違いです。本当に、彼らは仮想通貨を購入するのでしょうか?そうだとしたら買う理由は何でしょうか?もちろん、彼らも運用ですから値上がり益を期待して購入する訳ですが、上がりそうだから買う訳ではないと考えます。彼ら機関投資家のポートフォリオマネージャーに仮想通貨の一番の魅力を聞けば異口同音に他のアセットとの相関性の低さを挙げると思います。一例を挙げると、例えばドル円相場は200日と長めにとっても短めにとっても米国債との相関が0.5を超えてしまします(以下、数字はいずれもBloomberg)。また日経平均は韓国株や台湾株と0.7、豪州株やシンガポール株と0.6です。こうなると、別に手間をかけて韓国株や台湾株に投資するより、より流動性の高い日本株に投資しておけばいいという考えになります。ところがBTCと各国株、為替、コモでティー、国債などを合わせても最高で0.21程度です。すなわち今後成長しそうなアセットの中で、他のアセットと相関性が低いのでポートフォリオに数%忍び込ますことでよりポートの安全性が増すと考えている訳です。もちろん、他のファンドマネージャーもおなじ事を考えそうなので、入りは始めたら早い者勝ちになりそうだということも分かっているのでしょう。すなわち彼らは一義的には値上がりしそうだからでなくて、相関性が低いから仮想通貨を買いたいのだと考えています。

そして、この事はCNBCなどで良く目にするHFのマネージャー達は百も承知です。従って、彼らが入ってくるまでは、途中で多少の値下がりに会ってもポジションを手放さないのでしょう。今回の急落相場で思ったのは、そうした将来への期待から保有している投資家が多いせいか、この程度の下げでは投資家はポジションを投げ売りしなかったということでした。いわゆるガチホという奴です。彼らの多くは自己資金で投資しているのでそもそも投げ売りする必要がありません。逆にそうしたガチホ投資家が多い分、機関投資家の需要が入った時には思った以上に相場が上昇する可能性があります。うちの息子はおもちゃのコインをさっさと手放してしまいましたが、本物の方はお宝に化けるまでしばらくガチホしておいた方がいいのかもしれません。

にく

前職は外資系金融機関外国為替営業。国内だけでなく海外を仕事(?)で飛び回る日々を送っていた。自らライオンと称しているが、他の動物に例えられることが多い。 好きなものは東南アジア諸国。趣味は早朝ゴルフ。特技はタイ語。

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