世銀もXRPにお墨付き

2018-12-11 13:22[ 松田康生

トピック 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン リップル

12月8日世界銀行は出稼ぎ労働者と本国送金に関する報告書を発表した。低中所得国からの出稼ぎ労働者による本国送金は2018年には前年比10.8%増の5280億ドル達する見通しで、これらは貧困を緩和する効果があり世銀は促進する立場にあるとしている。しかし、同行が目標(SDG:持続可能な発展目標)とする3%の2倍以上となる元本の6.9%、平均約200ドルに達する高額の手数料を問題視した。この高い手数料削減の障害として、AML/CFT強化により民間銀行が送金業者への口座提供を尻込みしていることや国営の郵便貯金制度と独占的な送金業者の排他的な関係にあるとしつつ、技術革新の恩恵が十分に浸透していないことも問題点として挙げている。

報告書によれば、この技術革新とは仮想通貨のことを指しており、技術革新と規制との調和を図るべく、FATFがAML/CFTに関する規制を仮想通貨(暗号資産)に適用すべく作業を続けており、またICOに対する各国政府の取組を紹介している。また、こうした仮想通貨(暗号資産)に対する規制の動きと同時に、イギリス中銀、カナダ中銀、シンガポール通貨庁らによる中銀デジタル通貨(CBDC・CBCC)の動きなどを紹介している。

これらの記述は、世界の貧困を救うために、仮想通貨かCBDCなどにより送金のコスト削減に期待していると読める。これは、10月にFSB(金融安定理事会:主要25か国の金融監督当局、中銀、財務省、世銀、IMFなどが参加)の報告書で、現状の銀行サービスが時間がかかり手数料も高い中、仮想通貨の国際送金・決済への利用が選択肢になりつつあると、仮想通貨による海外送金にお墨付きが与えられた動きと平仄が合う。そして、実際に仮想通貨が送金に利用され始めているのはアフリカにおけるBitpesaによるBTCとxRapidによるXRPで、今後の発展という意味では後者に期待が寄せられていると考えるのが自然だろう。世銀のキム総裁は昨年、ブロックチェーン技術について期待感を示すと同時に、多くの仮想通貨はねずみ講だと警戒感を示していた。しかし、先月の同行のイベントにリップル社関係者がスピーカーとして招待されており、その題名が分散台帳技術を利用した決済インフラの革新だった。XRPが世銀のお墨付きを得たと考えるに十分であろう。

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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