売り材料出尽くしでBTC大底形成か?BTC上昇の影にBCH急騰あり。

2018-12-19 18:09[ 松田康生

トピック 仮想通貨 暗号資産 ビットコイン ビットコインキャッシュ

BTCは先週末に年初来安値となる35万円台を付けた後、週明けから急伸、いったん40万円近辺で上値を重くしましたが、本日、12月10日につけた41万円近辺を上抜けた。先週はGoogle検索の話やケンブリッジ大のレポートなど好材料が続いた割に上値が重かった。逆に、今週に入ってからはさほど大きな材料は見当たらないにも関わらず、何故、今週になって上抜けたのだろうか。

三つの売り材料

このところの仮想通貨相場の低迷は、まずきっかけとなったBCH分裂騒動とテザー疑惑、そしてハッシュパワーの低下が不安心理を煽った面があると考えている。昨日のトピックで、このうちハッシュパワーの下げ止まりが底値からの反発の背景にあったと申し上げた。そして、昨日はBloomberg社がテザー社の銀行預金を精査したとの報道で、同社に対する懸念が大幅に後退した。それに加えて、BCHが急騰したことで、分裂騒動に対する懸念も後退したことが挙げられると考えている。

BCHの急騰

上図はBCH(ABC)とBSVの推移とBTCの推移を並べたものだ。以前、12月7日頃にBSVとBCHとの価格が逆転したことがBTCの急落要因の一つとなったと指摘した。BSV側がリプレイプロテクション実装方針を打ち出しハッシュウォーが停戦してからも、完全な武装解除には①お互いがコストに見合う水準までハッシュパワーを戻す②お互いが付与された相手側の通貨を売却し、自らの通貨に交換するというステップが必要だ。この逆転劇の背景には、SV側がBCHを売ってSVを買い支える動きがあるとの見方が浮上、更にはBCHのサポーターBitmain社などが保有することとなったBSVの売却が更なる相場の下押し材料となるのではないかという見方もあり、先週は好材料にも関わらずBTC相場も上値を重くしたのだと考えている。今週に入り、そのBCH相場が反転、特にBSVに対しBCHが大きく上昇しているところがBTCの41万円超えの背景にあると考える。

大底形成か

2013年12月からのBTCバブル崩壊局面が2015年1月に下げ止まったのりはBitstamp社のハッキング事件による下落で売り材料が出尽くしたことがきっかけだったと以前ご紹介した(急落相場の覚醒(Episode2)歴史の逆襲)。2000年3月からのITバブル崩壊後にナスダックが2002年10月に反発を始めたのは、エンロン事件を受けた2002年7月のSOX法の制定と2002年8月に発表され10月に実行されたナスダックの日本撤退などの売り材料が出尽くしたことによるという見方も出来る。今回の下落の半値戻しと11月29日の戻り高値の50万円を超えるまでは、今回の35万円が大底だったと判断するのは時期尚早だが、今回の売り材料出尽くしによる反発は大底を示している可能性が高いと考えている。

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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