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2019年の仮想通貨10大びっくり予想

2019-01-07 11:43[ れんぶらんと

金融リテラシーのお話 仮想通貨 暗号資産

1.BTC相場が上昇、100万円超え。
2.XRPが急伸。
3.仮想通貨デリバティブ市場が拡大。
4.海外の大手金融機関によるカストディサービス開始。
5.機関投資家の一部が仮想通貨投資に参入。
6.仮想通貨ETFの上場承認。
7.中国が仮想通貨に関する規制を緩和。
8.STOが活発化。
9.DEXでの取引が拡大。
10.日本の仮想通貨市場が世界のお手本に。


グローバルの金融市場では年初に発表される「バイロン・ウィーンのびっくり10大予想(Byron Wien Ten Surprises)」が注目されています。ウィーン氏はウォール街のカリスマと呼ばれ、モルガンスタンレーなどの米投資銀行でチーフエコノミストを歴任し、現在は米投資会社ブラックストーン・グループ副会長です。この予想は平均的な市場参加者が3分の1の確率でしか起こらないとみているが、ウィーン氏は50%以上の確率で起こると見ているものです。今年の予想は1月3日に発表されたので、このコラムの最後に載せておいたので興味のある方は見てください。(*)

当欄でもウィーン氏にあやかって、「2019年の仮想通貨10大びっくり予想」をつくってみました。ぜひご覧ください。


1.BTC相場が上昇、100万円超え。


2018年のビットコイン(BTC)相場は1月と9月に起こった大手交換業者における仮想通貨流出事件やビットコインキャッシュ(BCH)の分裂騒動などを受け、200万円超の高値から下落基調が続き8割以上の値下げとなる35万円台の安値をつけるにいたりました。
このような極端な下落を経験したばかりであるため、2019年においても戻りは限定的、もしくはさらなる下落を予想する向きも多いようです。しかしながら、昨年日本において認定自主規制団体が発足し自主規制ルールが示されたように、他の国でも仮想通貨取引に関するルール整備がすすみ、仮想通貨が投資対象として認知される可能性が高まると考えます。また、リップル(XRP)が送金で使用され、イーサリアム(ETH)におけるスマートコントラクト機能の実用化が広がることが予想され、実需の面からも仮想通貨の使用が拡大する可能性は大きいと考えます。
したがって、BTC相場は対円で100万円、勢いがつけば高値からの下落の半値戻しとなる120万円台もあると予想します。

2.XRPが急伸。


昨年12月に世界最大のブロックチェーン活用コンソーシアム(企業連携)を率いる米R3社が自社の決済アプリケーションにおいてXRPを使うことを発表しました。このコンソーシアムにはJPモルガンやドイツ銀行、そして日本からはメガバンクやSBIホールディングスなど世界の主だった金融機関の多くが参加しています。このプロジェクトにおいてXRPが採用されたことの意義は大きいのですが、まだ市場はこの意味を織り込んではいないようです。
加えて、リップル社が商品化したXRPを使用する送金システムxRapidは仮想通貨送金・決済の本命ともいわれており、今後は銀行などが送金プラットフォームとして導入する可能性があります。
そうなれば、XRPは現状から大幅高となる可能性があります。

3.仮想通貨デリバティブ市場が拡大。


昨年6月に英国のFCA(Financial Conduct Authority:金融監督機構)が仮想通貨のデリバティブ(先物取引,差金取引,オプション取引)が、EUの金融ルールであるMiFIDの対象となるという見解を公表しました。これはCME(Chicago Mercantile Exchange:シカゴ・マーカンタイル取引所)などがBTC先物取引を取扱い、欧米の大手金融機関も仮想通貨デリバティブ関連ビジネスの開始に向けて意欲を示している状況下に出でてきたものです。
仮想通貨デリバティブの一種としてわが国ではBTC-FX(ビットコインの証拠金取引)が広く取引されてきましたが、今後は外国為替市場同様に世界の仮想通貨市場でオプション取引などの多様なデリバティブ取引が活発化してくる可能性があります。

4.海外の大手金融機関によるカストディサービス開始。


昨年9月に米BitGo社がサウスダコタ州で公式なカストディサービス提供業者(カストディアン)として認可を受けました。カストディアンとは投資家のために資産を保護預かりする保管機関のことです。
仮想通貨投資に関しては、保有する仮想通貨をどのようにして保管するのかが大きな問題となっていましたが、カストディサービスが最も有力な解決策とされてきました。今回のBitGo社の認可取得はその大きな一歩となるのですが、BitGo社自体は必ずしも世界的に大手の機関とは言えません。
報道ではフィデリティやステート・ストリート、そして野村ホールディングスなどの大手金融機関が仮想通貨のカストディサービス提供に向けて準備をすすめているとされています。これらが今年中にサービスを開始する可能性は十分にあると考えられます。

5.機関投資家の一部が仮想通貨投資に参入。


仮想通貨相場の行方に最も大きな影響を与えるテーマのひとつが機関投資家の市場参加であることは疑いがありません。そしてその実現に向けてのポイントは、①流動性,②ヘッジ手法の確立,③資産の保管、となります。これらの点をそれぞれみると、①は上の「1.BTC相場が上昇、100万円超え。」で説明した通り、今後仮想通貨取引のルールが整備されることにより取引の拡大が見込めます。②については「3.仮想通貨デリバティブ市場が拡大。」で説明した通り、ヘッジ手法は今後確立されていくことが見通せます。③については「4.海外の大手金融機関によるカストディサービス開始。」で書いた通り、解決の方向に向かうことになります。
機関投資家は他人から預かった資金で投資を行うため、基本的には保守的な運用スタンスを取ります。したがって各社が一斉に巨額マネーで参入、というわけにはいきませんが、2019年は機関投資家の仮想通貨市場参入への準備が進み一部が実際に取引を行い始める年となるのではないでしょうか。

6.仮想通貨ETFの上場承認。


2018年の仮想通貨相場において一時的に大きな盛り上がりを見せたのは、ビットコインETF(上場投資信託)が実現するかもしれないとされた夏ごろでした。結果的に米証券取引委員会がそれを承認しなかったため、相場は勢いを失いました。
2019年もいくつかの申請、そして承認/却下の判断がなされますが、年後半には承認されるものも出てくると思います。その理由としては各国そして市場全体において仮想通貨取引のルール整備が進むことや、ニューヨーク証券取引所を運営するICEが手掛ける仮想通貨取引所Bakktにおいて取引が始まることによる流動性の改善があります。
その場合、米証券取引委員会が仮想通貨を金融資産として認めたことと解釈され、機関投資家がマーケットに参入しやすくなることが考えられます。

7.中国が仮想通貨に関する規制を緩和。


中国は本土における仮想通貨取引やICOを全面的に禁止していますが、中国人の4割が今後仮想通貨に投資を考えているとの報道もあり、彼らの仮想通貨に対する投資意欲は旺盛です。デジタル決済が浸透している中国において仮想通貨は親和性があります。一度に全面解禁とはならないものの、当局が認めた交換所だけで取引ができるなど徐々に仮想通貨取引が認められる可能性は十分にあると考えています。

8.STOが活発化。


STOとはSecurity Token Offeringの略称です。これはそれぞれの国や地域における金融商品関連の法令にしたがった上で、トークンを発行し資金調達を実施することです。仮想通貨での資金調達といえばこれまでICO(Initial Coin Offering)が盛んに行われてきましたが、こちらは多くのものが法規制のないところ(つまりグレーゾーン)で不特定多数の参加者に対して実施されており、それゆえに一部に詐欺的なものもありトラブルもあったようです。
各国当局においてICOによって発行されたトークンが証券と見なされるかどうかのコンセンサスはまだできていません。証券としての条件を満たさずに発行されたトークンは後で証券とみなされてしまうと、その価値を大きく毀損してしまう可能性があります。
であれば、最初から証券としての条件を満たしておいた上でトークンを発行してしまおうという発想で生まれたのがSTOです。米国であればSEC(Securities and Exchange Commission:証券取引委員会)の規制に合わせることとなります。この場合、SECの厳しいルールに基づき、IPO(Initial Public Offering:株式新規公開)に近い資金調達方法となるため投資家が限定されたり準備にコストがかかるなどのデメリットはありますが、厳しい基準を満たしているということでそのトークンの信頼度が高まり投資家が比較的安心して投資できるというメリットがあります。
2019年はICOに代わる資金調達手段としてSTOが注目される可能性は極めて高いといえます。

9.DEXでの取引が拡大。


DEXとはDecentralized Exchangesの略称で、分散型取引所と訳されることが多いです。DEXでは仮想通貨交換所(分散型取引所に対して中央集権型の取引所と分類されます)のような取引を管理する”運営主体”が存在せず、個人対個人で取引が行われます。DEXにおける資産の残高や取引記録は、全てそのブロックチェーン上において行われるため、誰でもアカウント上の資産や注文履歴、取引記録などを見ることができます。
DEXの特徴としては、ハッキングなどの攻撃に強いことや国家などの政治的な影響を受けにくいという点がある一方で、個人が自分で資産を管理しなければならないということがあります。
総じて一般個人が取引するにはハードルが高いDEXで、現在の利用者はけして多くはないと考えられます。
しかし、今後は世界的に”仮想通貨取引リテラシー”の高い人たちが増えてくることは間違いなく、そうなれば自由度の高いDEXでの取引が増えてくることになるでしょう。

10.日本の仮想通貨市場が世界のお手本に。


こちらは”希望的観測”を含んだ予想となります。
昨年、日本において一般社団法人日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)が発足し認定自主規制団体となりました。JVCEAは世界に先駆けて自主規制ルールを作成し、法令でカバーしきれない不正取引の禁止や広告の手法などについての運用のルールを決めました。これらの動きは他の国と比べて一歩も二歩も先を進んでおり、今後は世界各国で自主規制団体や自主規制ルールが作られることになるでしょうが、日本の仮想通貨市場や業界のあり方がそれらの参考となる可能性が高いと考えられます。


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(*) ウィーン氏の10大びっくり予想
1.米FRBは利上げを実施せず。米長期金利は3.5%を下回って推移。
2.利上げ停止で米国株は上昇。S&Pは15%高に。
3.消費と政府支出がけん引し米GDPは成長続く。景気後退は21年まで来ない。
4.株式相場の改善で金価格は下落へ。
5.中国・上海株は25%上昇。ブラジル株も新政権下で生き返る。
6.英国は再び国民投票を行い、EU残留を決める。
7.ドル相場は18年末のレベルで安定的に推移する。
8.モラー特別検査官の捜査はトランプ一族の起訴につながるが、大統領には及ばない。
9.民主党が下院の過半数を占める米議会で予想以上の成果。インフラ整備計画が公表に。
10.テクノロジー株やバイオテック株が引き続き業績好調。相場のけん引役に。
オリジナルはブラックストーン社ウェブサイトから。和訳は日本経済新聞社を参考。

れんぶらんと

17世紀に活躍したオランダの画家レンブラント・ファン・レインの作品をこよなく愛する自称アーチスト。 1980年代後半のバブル期に株式および外貨資産投資を始め、いい思いをしてから投資の世界にどっぷりつかっている。

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