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仮想通貨小噺【タイと日本のゴルフ場】

2019-01-15 19:10[ にく

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3連休は待ちに待ったゴルフ合宿に行って来ました。今回はタイに3泊4日(うち機中2泊)の強行軍でした。合宿には同行者もいるので普段はあまり詳しくお話しないのですが、何分、今朝の便で帰国したばかりで、他のお話が思いつかないので勘弁させて頂きます。今回も金曜の夜便で早朝にバンコクに到着、月曜日の夜便で帰国するまで、現地滞在3日間でゴルフを6ラウンドしてきました。中日となる日曜はホアヒンで2ラウンドするため、ホテルを3時前に出発する強行軍です。最後の6ラウンド目が終わった時にはもうフラフラですが、同行者の「まだゴルフし足りないですねー」とのコメントは驚きましたが、心の底から同意します。次回に向けて、また1から家内点数稼ぎの再開です。

小職がここまでゴルフバカになったのはタイ赴任時代で、最盛期には年間150ラウンド以上、当時タイ国内にあった170のゴルフ場のうち9割近く踏破してきました。軍や電力会社が運営しているゴルフ場は国境近くだったり、山奥だったり、結構行くのも大変で、キャディーさんが少数民族だったり、バンカーで2メートルくらいあるコブラと鉢合わせしたこともありました。まあ、物価の安いタイだから出来たことですが、赴任当時から10年近く経過して当地の物価もだいぶ上がってきて、ゴルフ代も少なく見積もっても1.5倍にはなったイメージです。

では何故、わざわざ飛行に乗ってまでタイにゴルフをしに行くのかと言うと、意外と思われるかもしれませんが、日本のゴルフ場よりタイのゴルフ場の方がいいからです。そういうとゴルフマガジンなどのアジアナンバー1は廣野だと反論されそうですが、そんな日本のトップクラスにはなかなか行けませんが、タイなら同国のトップ10のゴルフ場ばかり回ることも可能です。またコースの広さやメンテナンスは比べ物になりません。土地代と人件費のなせる業でしょう。日本では考えられませんが、平日に非番のキャディーが横一列に広がってコースのメンテを手作業で行っている場面に出くわすこともあります。芝の上から打てる練習場や本当のコースを使ったアプローチ練習場など普通にあります。そうした中、ほんの10年前まではタイと日本とで女子プロの実力は大差があったのですが、今ではタイ人のジュタヌガンが世界一です。

そのタイですが、文化的に似ているせいか日系企業のプレゼンスが高く、親日国として日本での認知度は高いのですが、面積は日本の約1.5倍ですが人口は約半分、GDPに至っては日本の約1/25程度しかありません。そのタイが仮想通貨の世界では少なからず注目を集めています。というのは昨年、仮想通貨の法規制を導入、ICOもSECの承認を条件に合法化しました。タイ中銀もCBDC(中銀発行デジタル通貨)導入を積極的に進めている様です。更に、仮想通貨に係る税金が15%の源泉分離課税と格安であることにも注目です。すなわち、タイの法規制は先行していた日本を一気に追い抜いており、課税も源泉分離でいわゆる億り人などの移住先としても魅力がある様です。昨年5月に三菱商事がリップルネットを利用して子会社間の送金の実験を行ったのもタイ-シンガポール間で、タイ中銀の特区制度を利用したものです。大手銀行のサイアム商業銀行も早くからリップルネットに参加、XRPを送金に使用するxRapidの採用も噂されています。

外国為替で実需原則を貫き、資本移動の自由化も完全に達成していないタイが、国境を越えて自由に取引可能な仮想通貨にフレンドリーとなった理由は何でしょうか。同じASEANのシンガポールやマレーシアの存在もあるでしょう。それ以上に感じるのは、次世代の産業育成に向けた意欲です。すなわち、かつて世界一のコメの輸出国で天然ゴムやパイナップルなどASEAN域内随一の農業国だった同国はアジア通貨危機後アジアのデトロイトとして発展を遂げました。一方で低賃金を武器にした外資誘致に限界を感じ、次の飯のタネとしてブロックチェーン技術などのデジタル化に舵を切りつつあると考えています。元は共産主義への防波堤として設立されたASEANですが、冷戦終了後は台頭する中国・インドの間で埋没しないための経済同盟として役割に性格を変化させてきたのですが、その背景に流れているのは小国としての危機感だと考えています。先週、最近の日本社会の変わろうとしない空気が日本企業の仮想通貨やブロックチェーン技術への取組を遅らせているのではないかと申し上げましたが、一方、ASEANでは小国の集まりであるが故の危機感から新たな技術の取込を急いでいる様にも見えます。逆に同じASEANでもG20メンバーである大国インドネシアは仮想通貨に否定的です。今のところブロックチェーンやデジタル技術で日本がタイに追い越されることなど想像もつきませんが、現に同分野で中国に大差を付けられてしまっている事に我々は危機感を抱かなければいけないのかもしれません。

因みに我が家の話しに戻るのですが、そういえば空港の免税品店で、結構な値段のする巨大なキャンディーやおもちゃやぬいぐるみに入ったお菓子などが売っていて、いったい誰がこんなもの買うのだと不思議に思っていました。ところが、今回の様に子供たちを放っておいてお父さんだけ3日間家を空けて遊びに来ていると流石に罪悪感が生まれてきます。そして、ついついこのおもちゃの様なお菓子を購入してしまいました。せめてもの罪滅ぼしです。年末年始も色々ありましたが、何とか乗り切って無事、この合宿を迎えられました。今後も次回の合宿に向けて、危機感をもって望みたいと思います。

にく

前職は外資系金融機関外国為替営業。国内だけでなく海外を仕事(?)で飛び回る日々を送っていた。自らライオンと称しているが、他の動物に例えられることが多い。 好きなものは東南アジア諸国。趣味は早朝ゴルフ。特技はタイ語。

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