2018.08.09【XRPが主導したBTCの急落】

2018-08-09 21:00[ 松田康生

仮想通貨 トピック XRP

【XRPが主導したBTCの急落】



XRP下落の背景とは

昨晩、BTCは6月29日以来の60万円台に下落しました。この下落を主導したと言われるのがXRPです。上記のチャートでもBTCが70万円を割り込む局面で、XRPが一足早く下落を始めていることが読み取れます。この下落について、証券関連訴訟の実績を持つアメリカのローゼン法律事務所が集団訴訟の準備を始めたことが影響している可能性が指摘されています。訴訟の内容は明らかになってはいませんが、背景には仮想通貨は証券か否かという議論がある様です。この点に関し、6月にSECコーポレートファイナンス部門長のウィリアム・ヒンマン氏が仮想通貨で時価総額第2位のイーサリアムは“十分に分散されている”から有価証券ではなく、SECの規制が適用されないと発言しています。ここから時価総額第1位のBTCは有価証券に当たらないと一般に認識されていますが、時価総額第3位のXRPに関しては言及がありませんでした。確かに総発行量1000億XRPのうち6割をリップル社が保有するXRPに関しては有価証券とされるか否かについて議論の余地はあるのかもしれません。仮に有価証券と見做されるならば、有価証券としての取引手続きが必要となり、現在の仮想通貨交換所での取引は継続できなくなりかねず、価格にも大きく影響しそうです。実は、XRP投資で損をした投資家が有価証券なのに定められた発行手続きを踏んでいないとして同社に損害賠償を求める訴訟は既に何件か提起されており、今回はそれを集団訴訟として組織すべくXRP投資家を募るサイトを立ち上げた模様です。一方でリップル社はXRPは通貨だと主張しており根拠としてリップル社がなくなってもXRPは存続することを挙げていますし、2015年に米財務省の執行機関であるFinCENとマネーロンダリング等に問われた裁判の和解契約の中で「The currency of the Ripple network, known as as "XRP"」と認められている模様です。有価証券か否かの議論はXRPのアキレス腱とも言えそうですが、今のところリップル社の主張の方に分がありそうですし、世界中の銀行がXRPを用いた外国送金の実証実験を開始している中で、突然アメリカが有価証券と言い始める可能性は低いと考えます。

FXcoin Special Report 2018.09.pdf

松田康生 (まつだやすお)

シニアストラテジスト

東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。 短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通

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