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太った豚より痩せたソクラテスになれ

2019-03-04 18:03[ にく

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土曜日に筑波の宇宙センターに行って来ました。息子がロケットに興味を示したので、これはチャンスと連れて行ったのですが、残念ながらロケット開発者になりたいとは言ってくれませんでした。その後、すぐ近くの洞峰公園に寄って、無料のアスレチックを楽しみ、帰りは圏央道を利用して鴻巣に寄り道して、話題のピラミッド雛を見物して帰ってきました。ところで本題に移る前にどうしても申し上げたいのが、日曜に行ったイオンモールの幕張新都心の巨大さです。話題の室内アスレチックtondemiを訪れるついでにひな祭りの買い物をしようとしたのですが、なんとショッピングモールに食料品スーパーが2か所あります。流石はレイクタウンに次いで全国2番目のショッピングモールです。駐車場の差なのか延べ床面積だけだと40万平米とで日本一の様で、当初、小さい方に行ってしまい、ケーキが売っている反対側の食品売り場まで約1キロ、子供二人抱えての移動は大変でした。因みに売り場面積だとレイクタウンの24万平米が日本一で、城西地区で最大級の玉川高島屋の4倍以上ある様です。

ショッピングモールの話はさておき、この宇宙センターはJAXAの一角にあり、主にロータリーに横倒しで展示されているH2ロケットと、人工衛星などの模型が展示されているスペースドームで成り立っています。ドームの面積は1460平米とイオン幕張新都心の1/87と規模は大したことは無いのですが、このドーム内には歴代の日本製のロケットのミニチュアや下町ロケットでおなじみのエンジンの模型、更に国際宇宙センターの実験棟きぼうの実物大模型では宇宙ステーションの中に入ることも出来ます。また、小惑星リュウグウで探査中のはやぶさⅡの実物大模型など、展示物は凄いの一言です。宇宙服から顔を出して記念撮影もできますし、宇宙食も買って食べることも出来ます。ここを訪れて研究者を志す小学生も少なからずいるのではと思いました。因みに、うちの子たちはH2ロケットの発射ビデオに夢中になっていました。

この宇宙開発に関して、当初子供のころイメージしていたのと実際に実用化して役立っているものと結構ギャップがあると思っています。小職はアポロ11号が月面に着陸した年に生まれ、カールセーガンのコスモスを見て育ったのですが、当時の宇宙開発のイメージは宇宙旅行だったり、月面基地での資源開発だったり、スペースコロニーへの移住だったりで、中には敵と戦いながら放射能除去装置を取りにマゼラン星雲に行ったりするアニメもありました。それから50年近く経って、何に利用されているかと言えば、まず気象予報、そしてGPS、そこから自動運転などが開発されようとしています。宇宙探査も、小惑星帯に行って、有機物を探し生命誕生のなぞを探ろうとしています。あの当時、誰が木星の前に小惑星に着陸すると考えたでしょうか。

で、今回はブロックチェーン技術も20年後には思いもよらない利用のされ方をしているだろう。そして世の中を大きく変えているだろうというお話をするつもりでした。インターネットの登場で世の中は変わりました。小職が銀行に就職した頃は机の上にPCはありませんでした。それが今ではイントラネットだ、ビジネスチャットだと在宅勤務が可能となっています。SNSの普及で人間関係も様変わり、またうちの4歳、2歳の子たちはYoutubeばかり見ています。前述の室内アスレチックのtondemiに飾られていたサインの多くはYoutuberのものでしたし、昔は大人が子供にTVばかり見るなと怒っていたのが、今では小職がリビングでTVを見ていると子供にうるさいから消してくれと言われます。

ブロックチェーン技術が実用され始めると世の中はどう変わるのか、少し古いですが平成27年度の経産省のブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査報告書によれば「様々な分野で、「中間的な第三者」が存在しない、新たなビジネスモデルが出現し」「「価値」のとらえ方が変容する。仮想通貨を介して、様々な資産や情報を直接交換する ことが可能になる」「企業内及び企業間の様々な仕組みが自動化され、事務手続きなどの効率化が進む」だそうです。個人的には金融面では送金やトレードファイナンス、手形や証券取引の電子化、社会のペーパレス化、またゲーム内通貨がリアルな世界でも通用する様になって仮想現実と現実社会との境界があいまいになったり、まあ色々と考えたりしたのですが、これが今回の本題ではありません。

上記を考える上で、宇宙開発関連のネタを探していたら、NASAのジェット推進研究所にお勤めの小野 雅裕さんの文章に辿り着きました。「東洋経済のNASA研究者が語る「宇宙開発の意義」なぜ宇宙に大金を使うのか」という記事の中で、彼は物質的に何不自由なく生きられれば、人生最後の日に満足して死ねるのかと問うています。続いて、ペプシ・コーラの幹部だったジョン・スカリーを引き抜くときにスティーブ・ジョブスがかけた「残りの人生も砂糖水を売ることに費やしたいか、それとも世界を変えるチャンスが欲しいか」という言葉を紹介しています。そして、歴史に名を残す事であろうが、わが子の成長であろうが物質的欲求でなく精神的欲求を求める点で大差は無く、人は生き甲斐を求める生き物で、太った豚よりも痩せたソクラテスになりたい生き物なのだ、と喝破していました。

こういうブロックチェーン周りのスタートアップに勤めていると、このような新しい業種に、よくこれだけの人たちが集まっているものだと驚かされるケースが良くある気がします。それは何故なのかと言えば、スティーブ・ジョブスの言葉を借りれば「世界を変えるチャンス」にほんの少しでも携わりたい、そうした気持ちがどこかにあるのかもしれません。すなわち、そうした事が損得は度外視してこの業界に人材が集まっている一因なのかもしれません。

因みに、実際は言ってないそうですが大河原東大総長が1964年に卒業式で放ったとされる「太った豚よりも痩せたソクラテスになれ」という有名なセリフは言い過ぎでしょう。太っていることも、一概に悪い事とは言いきれません。また、スティーブ・ジョブスの「一生砂糖水を売っている」というのも言い過ぎでしょう。ペプシ・コーラはコカ・コーラに先駆けてトクホのコーラを販売してくれています。コーラを飲んで太らないどころか、脂肪の吸収まで抑えてくれるというのですから、消費者想いの良い会社ではないですか。更に技術力を磨いて、いくら食べても、飲んでも太らない技術を開発できればノーベル賞ものだと思うのは、小職が「豚」に成り下がってしまったからなのかもしれません。息子よ、父に代わって痩せたソクラテスになってくれ。

にく

前職は外資系金融機関外国為替営業。国内だけでなく海外を仕事(?)で飛び回る日々を送っていた。自らライオンと称しているが、他の動物に例えられることが多い。 好きなものは東南アジア諸国。趣味は早朝ゴルフ。特技はタイ語。

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